ロアー

レ・ミゼラブル 終わりなき旅路のロアーのレビュー・感想・評価

3.7
6月公開の劇場版「シャーロック」に向けてFODでおさらいをしていたら、ディーン・フジオカブームが再びじわじわと押し寄せて来たので、ディーン・フジオカと井浦新のW主演のスペシャルドラマ・日本版「レ・ミゼラブル」を観てみました。

最初に想像していたよりは、それなりにレミゼっぽいお話。小説は読んだことがないのであくまでミュージカルとしてのレミゼの知識しか持ち合わせてないんですけど、ジャン・ヴァルジャン=馬場純(ばばじゅん)という響きと同じレベルの、なんとなく騙された気分だけどまあ分かるっちゃ分かる〜程度にはレミゼでした。そう言えば、シャーロック・ホームズ=誉獅子雄(ほまれししお)というのも、1000回くらい早口で名前を繰り返していたら段々そう聞こえて来そうなレベルの名前という点で一緒かも。

とにかく映画のイメージが強いので、ジャン・ヴァルジャン=ディーン・フジオカ=ヒュー・ジャックマンという等式が自然に頭に浮かんだものの、ジャヴェール警部=井浦新=ラッセル・クロウという式はなんか、途中で遺伝子レベルのとんでもないエラーが起きてしまった気がしました。そもそもラッセル・クロウのあの凶暴な野生のグリズリーっぽい恐ろしさは、日本人はおろかラッセル以外の誰にも出せない迫力だから仕方ないですね。

原作もミュージカルも映画も全部長いので、ドラマももちろん174分という長尺だったものの、時代ごとの3幕構成だったのでわりと飽きず疲れず観れて良かったです。個人的には梢(コゼット)が成長した後の第3幕目、白髪混じりで若干くたびれたディーン・フジオカが1番のツボでした。だって、ご飯作ってお家で待っててくれるんだよ。あんなお父さん欲し過ぎる。

あと、さりげなく「♪民衆の歌」のメロディラインがBGMとして流れていたのがミュージカル好きとしてポイント高でした。
キャラクター性の再現度という点では、テナルディエ夫妻こと田辺夫妻にMVPをあげたいと思います。
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