ロアー

マイホームヒーローのロアーのレビュー・感想・評価

マイホームヒーロー(2023年製作のドラマ)
3.7
映画を観に行くこと前提で「じゃあ、それまでにドラマを観ておけば良いか。1話が短いし楽勝楽勝!」と1話目だけ観て、そのまま放置していたのが数ヶ月前...そして先日、急遽その日の夜に映画を観に行くことになって、私は大変焦った。1話25分程度だから当日でも本当に楽勝のはずだったのに、ただこの日はインド映画を2本ハシゴで観る予定だったから。

だから私、頑張って観たよ。朝からインド映画の合間を縫って頑張って全話観たよ。夕ご飯を食べながら最終話を観終えたよ。諦めずに本当によく頑張ったと思う私...(全ては放置してた自業自得)。

とにかく1話が短いのでサラ〜っと終わってしまった感はあったけど、趣味でミステリー小説を書いているだけの普通のおじさんが、頭を使って半グレと戦うという設定は結構自分好みで良かった。ミステリー好きなら、1度は哲雄みたいに完全犯罪や死体の消し方について考えたみたことがあるんじゃないかな???

頭脳戦にハラハラするだけじゃなく、テーマも中々深い。

わが子のためなら人を殺すこともできる。
その相手が半グレのどうしようもない悪人ならなおさら。

ドラマのスタート地点では、主人公の哲雄はたとえ人を殺したとしても、家族を守るヒーローという立場だった。

でも、その悪人も人の子であり、その子を大切に思う親がいる。

《人を呪わば穴二つ》ではないけれど、1人の男を殺したことによって自分の墓穴だけでなく、周りにどんどん墓穴が増えていく絶望感。そして、父親としてわが子への愛情がどんなに深いものかを知っているからこそ、ヒーローでいることがどんどん難しくなって行く葛藤。
犯罪面でも精神面でも一筋縄じゃ行かない展開がうまくて、これはさぞかし原作の漫画は面白いんだろうなと思った。巻数が多かったので手が出せそうにないのが残念。

ただ、例のライトの件は私「哲雄の手でも切って、それで確かめてみれば良いよ」という軽いお気持ちで観てたのでちょっと拍子抜けだった。私だったらそうしてたので(半グレを超えたナチュラルサイコ思考)。
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