ゆみモン

悪魔のようなあいつのゆみモンのネタバレレビュー・内容・結末

悪魔のようなあいつ(1975年製作のドラマ)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

1975年テレビ放映当時は、まだ中学生で親の目を盗みながら飛び飛びでしか観られなかった。
内容の過激さや差別表現など問題が多く、しばらく再放送はおろかVHSも発売されなかった。
そして、約20年経ってDVD-BOXが発売され、購入した私は初めて全編通して観ることが出来た。
DVDで何回も観ているが、この度なんとU-NEXTで配信されていたので、久しぶりに鑑賞した。

ジュリーファンとしては、美しく妖しいジュリーの姿が拝めればなんでもいい…と思っていたが。
改めて観ると、原作:阿久悠、脚本:長谷川和彦、演出:久世光彦…と、ジュリーを愛する男たちが寄ってたかってジュリーを自分たちの好みに料理している作品なのだ。
「悪魔のような」加門良は、どんなに残酷でも冷たくても、関わる男女を虜にしていく。まさに沢田研二ありきの役柄でありストーリーである。

良がほとんど上半身裸だとか、静枝がいつも白衣か裸だとか、…この際さまざまな突っ込みどころには目をつぶって、ジュリーの魅力にどっぷり浸かりたい。
3億円を手に入れても、どうしていいかわからなかった加門良は、後の長谷川和彦監督の映画『太陽を盗んだ男』の、原爆を作ったものの何を政府に要求していいかわからなかった城戸誠につながるものがある。

スタジオセットの好きな久世光彦らしいが、最後の銃撃戦の場面は、ロケの方が迫力があったのではないだろうか?