ロアー

シャープ・オブジェクト KIZU-傷-:連続少女猟奇殺人事件のロアーのレビュー・感想・評価

3.6
犬を洗って乾かす片手間に観始めました。
マイリストに入ってる中で吹替があって、そこそこ時間がかかるものっていう適当な理由で選んだけど、我ながらかなりいいチョイスだったと思う。
U-NEXTにHBO作品が来たのホント嬉しいな~ありがとうU-NEXT。

原作は『ゴーン・ガール』などの著者、ギリアン・フリンのデビュー作。
田舎で起きた連続少女殺人事件の記事を書くため、地元出身の記者(エイミー・アダムズ)が街に里帰りし、事件調査を進めながら過去のトラウマや歪な母親との関係と向き合うことになる・・・というヒューマンサイコミステリーなお話なんですが、今も田舎に住んでて都会に住んだことないくせして、いきなり田舎独特の空気が嫌で嫌で瞬時に街から帰りたくなりました。

母親がほんっとに、ほんっとに毒親過ぎる!
地元の名家の母親がまるで街の女王のように振る舞ってるんですけど、何から何まで娘を精神的に傷つける酷い仕打ちばかりしてて、主人公と一緒に「あぁぁあああぁ!」ってストレスで叫びたくなりました。
娘に向かって「あなたを愛せなかった」ってハッキリ言っちゃう母親って何よ!娘を気遣ってるような素振りを見せたり、急に優しくなったりするあの不安定さが余計に嫌。

義妹も姉である主人公に懐いて慕ってるくせにちょこちょこ試すように酷いことしてイラつくし、中立かと思ってた義父も完全に母の味方でクソみたいなこと言って追い返そうとするし、あんな酷い家庭に加えて実の妹を亡くしたトラウマまであれば、あんな風に自分を傷つけたくもなりますわ。それにしてもあの傷はすごかった。どれだけ時間かけて特殊メイクしてるんだろ?そしてエイミー・アダムズのお肉を感じるお腹と普段用ですって感じの下着にホッとしました。みんなモデルみたいなスタイルしてて、いつもエロい下着着てる訳じゃないんだからね!その辺のリアルさ良かったな。

事件の方は特に目ぼしい展開もなく、よくある田舎の「あいつは変わってるから犯人に違いない」みたいな決めつけで最後まで進んじゃうんですけど、急展開の最終話はめちゃ良かったです。モヤモヤしてたのが解決したと共に「今まで出てきてたアレがソレだったのか~!」って、ピタッとピースがハマったあの瞬間、めちゃ「サイコ最高~!」なドラマでした。

それにしても原題だとぱっと見内容が分からないって言うのは理解できるとして、邦題色々盛り過ぎじゃない?原作の「KIZU」ってわざわざローマ字にするセンスも分からん。きっと永遠に分からん。
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