マカ坊

私のトナカイちゃんのマカ坊のレビュー・感想・評価

私のトナカイちゃん(2024年製作のドラマ)
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パプで働く売れないコメディアンの男が偶然客として訪れた謎の女に一杯の茶をサービスした事からストーカー行為が始まり…という実話ベースの同名1人舞台をドラマ化。

リチャード・ガッドという人については全く知らなかったけど、「Sex Education」の脚本とかも書いてるらしい。

各話30分程で計7話という観やすいパッケージで、近年のリミテッドシリーズらしい小出しの情報開示も適度に興味の持続につながり、何より事の顛末が気になるので一気に観てしまった。

しかし難しい話やね…。出来事としてはある意味シンプルな分、各人の心の有り様の複雑さが浮かび上がる。現実の「マーサ」を特定しようとする作品の外側の動きとかも含めて思っていたより重い作品だけに、コメディアンの業などについても考えてしまった。

ただピークTVを経た今、正直「映像作品」としては特別傑作というわけではないと思う。撮影も演出も一定のクオリティが担保されているとはいえ、それ以上の何かがあるかと言われるとどうだろう。扱われる主題がどこまでもパーソナルなので一概に比べる事は出来ないし、その必要もないのは重々承知の上で、比較的"近い"テーマを描いたHBOの「アイ・メイ・デストロイ・ユー」なんかと比べるとどうしても単体のドラマシリーズとしてのクオリティは"普通"という印象。

中々に特殊な企画だと思うので自分の中で何とも収めどころが難しいが、それだけに独特な余韻の残る作品だった。
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