なぎ

95のなぎのレビュー・感想・評価

95(2024年製作のドラマ)
4.7
冒頭の拳銃を構えているシーン。
これからの展開を予感させるシーンなので、まだそこに至るまでに何があったのかわからないのに、髙橋海人のあまりの形相に飲み込まれて震えが止まらなかった。
1995年の独特な焦燥感が作中にずっと漂っていて引き摺り込まれた。髙橋海人演じるQの品行方正な陰キャ独特の声のトーンとキョドりっぷりと中川大志演じる翔の90年代を無双してそうな堂々とした立ち振る舞いの化学反応が良い。
あと単純に深夜のテレ東でこのキャストとスタッフの布陣は驚き。

2話
4.5→4.6
それぞれのキャラクターが見えてきて、会話劇がぐんと面白くなった。
マルコ役の細田佳央太がとても高校生らしい可愛げのあるキャラで魅力的。
BOYS BEと花より男子の理論とか面白い。唸る。
最近のドラマに多いSNSの炎上とか陰で何か仕掛けるような人間関係の暗さがないのが見ていて気持ちいい。久しぶりの感覚。
カラオケのシーンとか笑えるシーンも多いけど、1話冒頭の拳銃のシーンがこれから出てくるのかと思うと、今後の展開が更に楽しみ。

3・4話
4.6→4.7
一気に物語の空気感が変わった。
ただの青春群像劇ではなく、95年を舞台に選んだ意味が強く打ち出された回だった。
世間を俯瞰で見て「わかった風」になって賢く生きるような時代じゃなくて、自分が対峙したもの、感情が全てで、だからこそ、今と違って仲間は本当に「確かな仲間」で。しかもそこに翔が居る。どれだけ歪だとしても同じ罪を背負ってチームは強固なものになった。
最初は慣れない煙草がどんどん様になっていくQちゃん。全部顔が違って、最後のセイラとのシーンは男の顔になっている。人を殴って自分は強くなったと思っている時にセイラに言われる最後の一言で、このドラマの輪郭がハッキリ見えたような気がした。
なぎ

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