新作の劇場版公開前に、先行して時代劇専門チャンネルで放送された『鬼平犯科帳 本所・桜屋敷』を鑑賞。
新聞に一面広告を出すだけある素晴らしい時代劇だった。
私はテレビの時代劇はあまり見ないので『鬼平犯科帳』は親が見ていたのを横から見てたくらいで、名前を知っているくらい。だから今回が初めてという感じで新鮮な気持ちで見た。
まず、よくこれだけ芝居ができる人を集めたなぁというキャスティング。主人公・長谷川平蔵役の松本幸四郎をはじめ、松平健、市川染五郎、火野正平、原沙知絵、山口馬不也 etc.
特に「火野正平」が上手かったなぁ。「相模の彦十」という盗賊の役柄だが、物語のキーになる役柄で実にいい味出してる。
またヒロイン(?)おふさ役の原沙知絵も素晴らしかったなぁ。
映像も美しく、これが劇場版と言っても言い過ぎではないクオリティの高い作品。時代劇専門チャンネルがこのシリーズにかける意気込みが伺える。
時代劇と言えば勧善懲悪だが、悪人を倒してヒロインを救い出してめでたしめでたしではない、深みのある大森寿美男の脚本。
そして松本幸四郎と松平健の息を呑むような一騎打ち!
あのお白洲から立ち上がった時の下から煽ったカメラワークに、かつての時代劇とは異なる、より深い人間ドラマを見た。
劇場版『鬼平犯科帳 血闘』も楽しみだ。