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ミョヌラギ - わが嫁たちの物語のshortのレビュー・感想・評価

4.0
楽しく軽く見られるけれども、考えさせられるドラマ。
ドラマとしては、特別イヤな人物もなくて、周りはいい人が多かった。夫もまあまあ理解はあって優しい妻思いだし。。
 
内容的には「82年生まれキムジヨン」的な。私はキムジヨンをもう一度見てしまった!

ミョヌラギとは、嫁期、のことらしい。
結婚するまでは恋人で、自分たちのことだけ考えていればよかったのに、結婚したら「嫁」で「婿」になる。
けれども嫁と婿の格差が激しいので、主人公のサリンは悩ましいわけですよ。
韓国は今の日本よりも「実家」を大切、というか重視する。盆正月は必ず実家に帰るし、それだけじゃなく父母の誕生日やチェサという韓国式の法事も、しかもあれ、三回忌七回忌とかじゃなく、毎年祥月命日のことてしょう。
欠席でもしようものなら世紀の親不孝みたいな言われようですよ。いったい一年に何回実家に行かねばならないのか。
それだけ先祖を大事にするのも悪くはないと思うけど、「嫁」にとっては大変すぎる。
それも、夫の実家中心だから。妻にしたら悲しくもなるよね。
姑もそれを経験してきたのに、自分が姑になったらわからなくなるものなのか。
自分は、違う、良い姑だ!と思いたい。

以下ネタバレ感想↓



















私が印象に残ってるのは、サリンがグヨンの実家で理不尽に感じてモヤモヤしたことを、すべて夫のグヨンにぶつけるものだから、夫婦が喧嘩になるところ。
サリンは姑や舅に腹を立てているのに、面と向かっては言えないから、その息子のグヨンに言うしかない。
グヨンはサリンの気持ちを理解するよりも、サリンが母に尽くすことで自分の親孝行にしたいというのがよくわかる。要するにサリンの気持ちを蔑ろにしてるかも。
たしかに、サリンも気に入らないことは姑に直接言えばいいのに。
って、それができれば苦労しない!
したらしたで嵐が起きるからね。
だからサリンはグヨンに当たるしかない。
グヨンがくちではサリンの味方と言いながらも、結局親の肩を持ってしまったりもするので、イライラしてしまった。そこは韓国のお国柄?儒教のせい?
でも、間に入る立場はツライのだ!

それから、グヨンのきょうだいたちもそれぞれ悩みを抱えつつ、イマドキな感じで、決してサリンに嫌な態度の小姑とかではない。
まず兄のグイル、その妻のソヨン?
余談だけど、サリンがこの兄の妻の名前を思い出せないシーンがある。
いつも韓国の「兄嫁の立場」としての呼び名で呼んでいるから、名前が出てこない。
韓国ならでは、ですよね。

親世代と子世代ではもうぜんぜん価値観も違うし、世界観も、生活も。
たとえばこのグヨンの母、サリンや長男の妻にも、仕事中でもお構いなしに電話をかけてくる。
息子にそんなことをするだろうか?息子の仕事中にはおそらく電話をしないのでは。

もうひとり、グイルのイトコ夫婦。
親であるグヨンの叔父と同居していたけど、解消して遠方に引っ越す。
親の方は、子育ての援助をしているつもり、でも子夫婦はそれが窮屈に感じると。それぞれの思いがあるからぶつかってしまう。

いろいろ、立場立場で思いがあるし、経験からの思いもあるし、未経験であるがゆえの思いもあるし、いちがいに親世代を責めることもないとは思うけど、やっぱり結婚って、難しいね。
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