キラリ

こっち向いてよ向井くんのキラリのレビュー・感想・評価

こっち向いてよ向井くん(2023年製作のドラマ)
3.9
“どんな関係性なのかが重要なんじゃない。ただ一緒にいたい。”

令和の時代らしいラブコメ。最初はノーマークだったドラマだけど、3話あたりからリアルタイムで観たらハマっちゃって、TVerで1話から一気見したら面白くて面白くて・・・。
令和になってからこんなにハマったラブコメドラマは初めてだったかも。

最近の恋愛ドラマによく言われがちな古臭さや時代遅れ感はほとんどなく、端的に言えば「今の時代にふさわしい恋愛ドラマ」だったと思う。(最近「契約結婚」とか「偽装カップル」系のラブコメが多くて、ラブコメドラマはほとんどスルーしてしまっていたんだけど、本作は他作品とは一味も二味も違くて新鮮だったし、男女どちら側にも共感もできるし、最初から最後まで目が離せなかった。単なる眼福カップルの恋愛におさまっていない仕上がりにも◎。最初ドラマのタイトルだけで「好みじゃないかも・・・」と思ってしまった自分を恥じたい。)

30代にもなると、経験値もあるし、結婚とか将来のことを見据えずにはいられなくて、あれこれ考えすぎてしまい、恋愛に慎重になりすぎて、そして何より自分が傷つきたくない。だから10代や20代の頃のようにただ純粋な気持ちで恋愛することが難しくなってくる人も多いと思うんだけど、このドラマはそんな恋愛迷子になっている人たちの面倒くささや拗らせている感じや愛おしさがたくさん詰まっていて、同世代の私は自分自身と重ね合わせる部分も多く、感情移入せざるを得ないほどこのドラマに夢中になっていた。恋愛の本質について考えさせられる。「女って●●なところあるよね」「男だから●●」って、自分の経験則でついマニュアル化してしまっている部分はあれど、結局のところ人によるのよね。本当にそのとおり。だから恋愛は難しい。

ストーリー展開や脚本が良いのはもちろんのこと、このドラマで最も良かったのはとにかくキャスティングだったと個人的には感じている。メインキャストの赤楚衛二は役にドハマりだったし、波瑠の役も他の役者が演じたら上から目線で嫌な女になっていたかもしれないのに、今回は波瑠が演じたからこそ嫌味なくチャーミングなキャラになったと思っている。そして、なんといってもめちゃくちゃよかったのは、主人公の義弟の元気くんを演じた岡山天音とその妻である主人公の妹のマミンを演じた藤原さくら!演技云々を超えてとにかく自然。マミンと主人公の兄弟のやりとりはあまりにリアルで毎回彼らのやり取りをみるのが楽しみだった。繰り返しになるけど、藤原さくら良い。

マンガ原作の作品でドラマ起点でマンガに興味がでてくる作品はめったにないんだけど、これはマンガも読みたい!
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