ラララプソディー

ペンディングトレイン―8時23分、明日 君とのラララプソディーのレビュー・感想・評価

3.8
 面白かったです! 主演3人の、バランスの取れた演技がよかったです~! 特に賞賛されている山田裕貴くん、役幅広くて毎度出るたびによいなと感じさせられますね。
 タイムリープものや、SFって、好きな人にはすごくないと嫌がられるし、苦手な人にはとっつきにくいって理由でみられないことが多い印象なのですが、今回はSFがベースでありながらも、全話通して人間ドラマなイメージ。
 群像劇というような要素が多くつまっていて、キャラクターの皆さんの背景が、後半になればなるほど色濃く描かれていって浮き彫りになったのが女性が脚本なさったと言うことで、繊細な部分なのかなと感じました。

 個人的には初回から、今期ドラマの中では上位に位置していました。と同時にどう着地させるのかなと考えていたので、最終回…というか、現代に戻れることにびっくりしましたね。すごい。
 また、5号車の乗客だけじゃなくて、6号車も出してくるところが面白いなと思いました。敵対とか、そういったエピソードの幅が広がった瞬間だと思いましたね。怖かったし。

 畑野さんは基本的には少し強くなるくらいで、大きな成長のみられるキャラクターではないですが、白浜さんと萱島さんの成長がみられるよい現代編が後半に詰まれているので、数話のこして現代に戻った理由がきちんとあってよかったです。
 読めた方もいらしたかもしれないですが、私は2023年に戻れると思っていたので、2026年に戻ったときは、そっちかぁ~~~! と意表を突かれて面白かったですね。

 現代に戻れるってなったときに、戻らない選択をする田中さんも、キャラクターの性格らしさがみられてよいなと思いました。ミーポのエピソードも非常によかったし、初回から含めてかなりのキーパーソンで、しかも演技がうまくて、よいポジションでしたね、最後もかっさらっていった印象。お手紙届いてよかったね、上着も。

 さて、賛否両論ある最終回の着地ですが、私は良かったと思いました。
 間宮くんが電話で受けるシーンも、私の受け取り方としては、成功したから軌道がずれました、に対してふー…! となっているように受け取りましたが、失敗してなすすべがない時の様子にも受け取れる演技の仕方だなと思って、上手い方をよいところに投入したなぁと思いました。

 情報社会で、SNSですぐに色々広まる時代が現代だからこその現代編で、世間の反応がリアルでよいなと思いました。今の日本人もあんな感じになりそう。
 最終回の皆さんが逃げたり逃げなかったりするのも現代っぽくてリアルでしたね。みんな無事に生き残るといいんだけど。

 キャストもよかったし、あと主題歌もすごくよかったですね~。さすがタイアップの鬼ヒゲダンです…。

 と言うわけで、夜枠ドラマとしては個人的に完成度高かったなと思っております。王道の恋愛が苦手な人にもいちおうおすすめ。要所要所にちょいキュンがちりばめられています。
 SF大好きマンの方には満足いただけないかもしれないですが、まぁ、だまされたと思ってみるのもありだと思います