キラリ

ペンディングトレイン―8時23分、明日 君とのキラリのレビュー・感想・評価

3.3
“誰にも何にも期待しない”

物語が、最終的にどう着地するのか気になる作品。

予測不能のサバイバルエンターテインメントということで、「漂流教室」や「7SEEDS」みたいなのを期待して、日本のドラマで圧倒的なスケール感をどうやって表現するんだろうとワクワクしながら観始めたのだけれど、正直そこまで迫力は感じられず・・・。この手の作品は、もっとお金と時間をかけてネトフリとか配信でやった方が、見応え十分だったのかも。

ここまでネガティブな感想を書いてしまったけど、人間ドラマとして本作を観ると、登場人物が多いわりにはそれぞれに感情移入できるようになっている脚本だし、これほど荒廃した環境では綺麗事なんか通用しない展開も個人的には好きで、なんだかんだ毎週楽しみにしている。特に、山田裕貴演じる萱島(何考えてるかよくわからないし、マイペースでぶっきらぼうだけど、なんだかんだコミュ力高いし冷静なタイプ)と赤楚衛二演じる白浜(正義感の塊のような人間で、希望を忘れず周りを牽引していく熱血漢)の対照的な人物設定と彼らの人格形成につながったであろう過去や彼らを取り巻く環境が丁寧に描かれているので、そこが良い。さらに、対照的な性格の2人がこの極限状態でどのように各々の強みを発揮し、何が弱みになってくるのかが結構リアリティがあって、そこもかなり良い。また、一般的には、正義感が強い白浜を主人公にしがちだけど、本作はつかみどころのない萱島を主人公としているとこが他の作品とは一味違って、作品をより奥深いものにしていると思う。
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