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仮面ライダーBLACK SUNのKUBOのレビュー・感想・評価

仮面ライダーBLACK SUN(2022年製作のドラマ)
3.0
う〜ん、全てに中途半端な作品だったなぁ。

制作が発表された時は、白石和彌が『仮面ライダー』を撮る!主演は西島秀俊と中村倫也!スゲーじゃん!とワクワクしてたんだが…

まず、怪人をBlack Lives Matter の対象みたいに描くのはどうかなぁ。いくらなんでも差別されてる人たちに失礼じゃない?

日本の政治をおちょくるように、安倍っぽい総理、麻生っぽい副総理、いかにも言いそうな台詞とか入れてくるけど、これも本気で政治批判を盛り込んでるって言うより「上手いことやってるでしょ」的なおふざけにしか感じない。

肝心の怪人の造形が、一部メインキャラ以外、手抜きかと思ってしまうほどチャチい。昭和感を出すためにあえてそうしたのか?

ただ、そうだとしても、全体の演出がぬるくて、全く世界観に浸れない。これだけ名のある俳優を使って、ここまで「仮面ライダーごっこ」にしか見えないゆるさはどうしたものか?

白石和彌って『凶悪』とか『孤狼の血』とか、暴力を描いた作品は素晴らしい作品があるが、方や『サニー/32』とか『麻雀放浪記2020』とか、どうしようもないほどつまらない作品も撮る。この『BLACK SUN』には思い入れあったのか甚だ疑問だ。

最近の海外ドラマは『ストレンジャー・シングズ』とか、子供たちが主人公のいわゆるジュブナイルであったとしても、大人が見ても引き込まれるしっかりとした世界観がある。

悲しいかな、本作にはそれがない。

いったいターゲットをどこに置いて作ったんだろう? 子供向けには残酷過ぎる。大人向けには幼稚過ぎる。マニア向けにしたつもりならマニアをバカにしている。

中村倫也の素晴らしい演技がもったいなかった。
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