わか

エルピス—希望、あるいは災い—のわかのレビュー・感想・評価

4.0
少し前に櫛木理宇さんの「虎を追う」って小説を読んだんだけど、本作と内容が途中まで似ててハマった。

過去の冤罪を追うことで次々と明らかになる衝撃の事実と、深まっていく謎。
その陰で蠢くとても大きな力。

正しいことを貫くことはいかに難しいのかを考えさせられる。
小さな力、一人の声ではどうしようもない現実がそこにはあって、何度も握りつぶされ、押しつぶされながらももがき続ける岸本と浅川たちの姿は日々どこかの報道の現場で実際に起こっていることなのではないかと思える。

正直見終わっても何にもスッキリしないし、氷山の一角でしかない大きな闇がこの世の中には沢山あるのだと感じて怖くなった。

必要悪だとか光を当てずにグレーな部分があっても良いという考え方もあるんだけど、浅川が斎藤に語った言葉を聞いて、それはやはり間違いなのだと思わざるを得なかった。

新聞記者って映画の時と同じで、制作会社や出演するキャストにはデメリットが大きいようにも感じる本作だったけど、それでもこんなに気骨のある作品が放映されることは本当に意義があるし、面白いが前提にはなるのだろうけど、こういうメッセージが込められた作品が増えてくと良いなと思った。
わか

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