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光る君へのKのネタバレレビュー・内容・結末

光る君へ(2024年製作のドラマ)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

#18迄
まだまだ途中だけれど、玉置玲央の道兼が素晴らしすぎた。
登場から退場迄、その人格の変化の演じ分けに目を見張った。

当初のいかにも脆弱な精神、癇性で残忍な様子、父の愛を乞う為汚れ仕事を引き受ける盲目性と邪智に長けた謀略の達成、
失望、蹉跌によってつきものが落ちた様に目が開く様、その後の謙虚さと真摯さを得た時、関白へと向かう静かな充足感や、兄への嫌悪、そして病を得た絶望と悔恨…と、もちろんメイクやライティング、衣装などの演出もあるがとにかく表情、佇まい、首の位置、肩の位置、動きまで全てに道兼の「その時」を演じる計算と意図があった。

はじめはあまり知らない俳優だったので脇役の1人くらいに考えていたが、回を重ねるごとに道兼を観る為に大河を観る様になっていた。
(物語は終わっていないので、スコアは玉置に対するもの)

その道兼、玉置玲央が退場しもう観られない。とても残念だが、大河のお陰で良い俳優を知る事ができた。

すでに段田、井浦も退場している、益岡、橋爪もいない。
残る佐々木、岸谷、ユースケサンタマリア、吉田、出番はあとどれ程だろう。

時代考証の倉本一宏教授も言う様に「史実とは別物」の物語の真実味を演技力で脇から固め、或いは演技の説得力を推進していた演技強者の俳優陣の多くが退場し、ここから約半年は吉高、柄本、黒木をはじめとするいわば中堅が若い俳優達を引っ張って或いは支えて時代絵巻、絵空事をその演技力で物語として成立させる正念場を迎えるとも言えるので、それを見る事ができるのはとても楽しみ。

大河は撮影〜放送が長く舞台上の役者の関係性や立場(誰が演技を牽引するのか、それを支えるのかなど)が変化して行くのを観ているのも楽しい。
K

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