女の自立のはなし。離婚も詳しく描かれるけど、女性がほんとうの意味で自立する話。
アレックスにとっては3回めの自立。1回目、の母親と縁を切るために彼と結婚して、自立した気分になった。でもそれは逃れるためだけだった。2回め、彼の家をでてDVシェルターに入って自立、そして、3回目ほんとうの意味で自立。
シェルターのおばさんが言ってたように平均して7回繰り返すのに彼女は3回だったのは幸運だったのだろう。
夫婦関係のくっついたり離れたりのあの雰囲気はすんごくリアリティがあった。精神的暴力を恒常的に受けてる人のあの切羽詰まったあの雰囲気。ダメ亭主のダメっぷりも暴力ではなく威嚇、そして少しは客観視できるところもすごく現実っぽい。本当に悪い人も本当にいい人もいない。適度なだらしなさが普通にいるそのへんの男を巧妙に描き出している。
どこかみんないいところもあり、だらしないところもあり、それでも人生は進んでいく。
主人公アレックスの見事な演技力となんとなく育ちの良さみたいのがすごくこのドラマ全体にいい雰囲気を出している。
アンディ・マクドウェル狂ったぶりも最高。美人局だけにみられがちだけど、演技はちゃんとしてるね。しかもこの主人公は実娘だなんて、、
マリッジストーリーがNYのインテリ夫婦の離婚話なら、こちらは、田舎の酒浸りな夫とその妻の離婚とその妻が自分を取り戻し、最初の一歩を踏み出すまでの話。それを丁寧に描いている。
女の自立って本当に大変。死ぬほど大変。永遠のテーマ。
でもよくやったよね。アレックス。でもそれはゴールじゃない。軌道修正したにすぎない。でもよくやった。彼女が軌道修正できたのは生来のプライドのなさからかもしれない。何も期待せず生きてる飄々感が彼女の顔に出てい
る。アンディ・マクドウエルの娘だけどこの一作でお母さん超えたかも。
本当に私も指を鳴らして拍手したいよ。