mimitakoyaki

被告人のmimitakoyakiのレビュー・感想・評価

被告人(2017年製作のドラマ)
4.5
あー、すごい面白かった!
財閥御曹司を逮捕寸前まで追い詰めていた検事が、目覚めたら刑務所にいて、しかも自分が愛する妻と娘を殺したという…。
しかし、その記憶がなく、自分が犯人なのか他に真犯人がいるのかもわからないし、記憶を失う前に自分が妻と娘を殺したと言う自供もしてるしで、事件の全貌が全く見えないままストーリーがすすんでいって目が離せません。

プリズンブレイクのような脱獄計画もスリリングで面白いし、韓国の検察や刑務所モノでよくある、上層部と財閥の癒着や隠蔽、忖度などなど、権力の腹黒さにもやはり散々モヤモヤさせられます。

点と点とが繋がって線になり、少しずつ真相に近づいていく面白さや、財閥御曹司のサイコパスぶり、そのサイコパスと検事の対決も、あの手この手でどんなカードを切ってくるかが面白くて、どんどん続きを見てしまうやつです。

また「刑務所のルールブック」みたいに、塀の中の愉快な面々との出会いで、なかなか楽しそうな刑務所生活も和みます。
それぞれワケアリなおっちゃん囚人達が憎めないし、主人公検事のパクジョンウとの信頼と友情がとても良いんです。

「知ってるワイフ」でもとっても魅力的だったチソンが、今作ではだいぶ痩せててまた違った印象でした。
敏腕検事として活躍する格好良さと、娘を絶対に自分が守るという父親としての強さと、権力にも怯まず闘い抜く正義感と、愛妻や記憶を失い絶望しながらも真相を突き止めようとする執念を渾身の演技で魅せてくれました。
毎回チソンが涙を流すんですが、泣きの演技もうまいんですよね。

そして、チソン演じる検事と真っ向対決する財閥チャミョングループの代表のチャミノ(ソノ)を演じたオムギジュンもまたすごいんです。
自分の犯罪を隠すために次々と人を殺すサイコパスで、ほんと不気味で怖かったです。
チソンとオムギジュンの演技合戦はほんとに見応えがありました。

それにしても、今まで見てきた韓国ドラマの警察や検察、刑務所は、必ず薄汚い人間がいて、金や地位に目が眩んでダークサイドに堕ちるんですよね。
それだけ、政治家や財閥や国家権力に対する不信感が根強いという事なんでしょうか。

あと記憶喪失もよくドラマにありがちですが、それでもほんとに面白かったです。

4こ
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