ロアー

モンテ・クリスト伯―華麗なる復讐―のロアーのレビュー・感想・評価

3.8
舞台を現代の日本に置き換えた『モンテ・クリフト伯』です。

出演者の逮捕で一時期配信停止、今後の再放送も無理では?と言われていたそうなんですが、この度配信が再開したとのことで観てみました。

原作は読んだことがないけど、「蛮幽鬼」を観たことがあるのでそこそこストーリーは知っているつもり程度の知識です。「蛮幽鬼」も舞台を架空の国家に置き換えた作品だし、過去にも「日本巌窟王」というタイトルで時代劇化されていたりと、フランスで原作が連載されていた当時から現在の日本まで、やっぱり復讐ものってどこの国のいつの時代でも人気なんですね。
ちなみに「蛮幽鬼」はネトフリにあります。ニコニコ顔の凄腕暗殺者・サジを演じる堺雅人の役が良い感じでオススメです(ここぞと堺雅人推しアピール)。

「蛮幽鬼」は堺雅人目当て、このドラマはディーン・フジオカ目当てという常に推しを観たいという衝動で作品を選んでますけど、推しを抜きにしてもめっちゃ面白いドラマでした。

だって、田舎のモサッとした青年が、高級スーツを着こなした貴族に変身して次々と復讐を果たしていくって・・・こんなの完全にマンガ展開ですもん!この設定だけで絶対面白いの確定!

いくらモサッとさせようとベースがディーンなので全然モサッとしきれてないし、変身後も容姿以前にイケボで即身バレしそうだしとツッコミどころが尽きませんが、そこは原作からしてそういう設定なのでこれ以上野暮なことは言いません(もう十分言ったから)。

紫門を陥れたかつての友人たちは、みな成功して幸せな生活を送っているように見えて、実は裏側がドロドロなのが復讐を果たしていくうちに分かってくるんですけど、柴門はあくまで自分の手は汚さず、友人らが自らの罪で自滅していく展開が面白かった。
所詮、誰かを陥れるような自分勝手で欲深い人間は、他にもたくさん後ろ暗い罪を抱えているものなんですよね。友人たちが自業自得過ぎてスカッとする反面、復讐を果たしても決して幸せになれない紫門の気持ちを考えると切ないドラマでした。

MEMO---
・推しが外国語を話しているのを聞くと何でこんなに満たされるんだろ?序盤からいろんな国の言葉を話していてたまらん。
・ドロッドロの登場人物たちの中で、あまりに信一郎がいい子過ぎてまぶしい。
・前回観た「レ・ミゼラブル」と言い、来週公開が控えている「シャーロック」といい、ディーンって海外原作の日本版ドラマ化作品に出ている頻度が多いよね。
・何でも「華麗なる~」ってつけがちな風潮好きくない。本当に華麗なる復讐だったけど、ギャツビー以外は認めませんからね!(何でだ)
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