しゅうへい

ミギとダリのしゅうへいのレビュー・感想・評価

ミギとダリ(2023年製作のアニメ)
4.0
『ミギとダリ』(2023)

「ふたりはひとり、ひとりはふたり」

■金髪の美少年の秘鳥は、子供のいない老夫婦のもとに養子として迎えられ、園山秘鳥となった。夫妻は新たな息子、秘鳥との幸せな暮らしに舞い上がるが、実は秘鳥には大きな秘密と恐るべき目的があった。

■1990年、神戸市北区にあるオリゴン村を舞台に、母親の死の真相を追いながら徹底的に一人の人間を装う双子の少年を描く。笑いと驚きが入り乱れるギャグ・サスペンス。

当初は不気味な雰囲気漂う推理サスペンスかと…シュールなギャグセンスが至る所で光る名作。シリアスな内容には違いないのに、シリアスになり過ぎない良い塩梅。笑いの趣味が合わないアニメは2話で中断することが多い中で、今作は最終話までノンストップ!気付けばクセになること間違いなし。

笑あり涙あり恐あり、甘味と酸味と苦味が交互に来る。まさに双子の大好きな老夫婦のチェリーパイ。でも少し焦げてる。作者にしか描けないもの、他では得られない栄養素がある。原作の負けず劣らずのクオリティでした。

舞台が神戸市内とはいえ、架空の村オリゴン。オレゴン州?アメリカンのニュータウン的な雰囲気ではあるが、兵庫県三田市のワシントン村がモデルではないかとの噂がある。この独特な世界観は『The World of GOLDEN EGGS』に近い。

原作『ミギとダリ』の作者である佐野菜見先生がアニメ放送2ヶ月前にご逝去されました。代表作である『坂本ですが?』も大好きでした。ご冥福をお祈りします。
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