しゅうへい

世界最高の暗殺者、異世界貴族に転生するのしゅうへいのネタバレレビュー・内容・結末

3.0

このレビューはネタバレを含みます

かつて、地球に世界最高の暗殺者と称された初老の男性がいた。男性は高齢を理由に引退する前の最後の暗殺を終え、これからの生活に思いを馳せながら日本へ帰国する最中、所属していた組織によって口封じのために飛行機事故に見せかけて暗殺されてしまう。しかし、男性は死後に出会った女神から異世界の勇者を殺してほしいとの依頼を受ける。

月夜涙による同名ライトノベルが原作。暗殺貴族の長男に転生した暗殺者・ルーグが、史上並び立つものがいない暗殺者へと成長していく姿を描いた限界突破のアサシンズ・ファンタジー。

前世の知恵と技術を引き継ぎ、女神のスキルとトゥワハーデの暗殺術を備えた伸び代無限大な少年。有能なモブを探し出し、余計な感情を持たず言葉巧みに信用させ服従させる。利用する全ては任務遂行までのコマに過ぎない。前世で培ったノウハウを存分に披露し、民からの信頼をも勝ち取った。あまりに爽快な無双っぷりにルルーシュかと思える程。

前世で道具として使い捨てられたことで転生後は、ひとりの人間として自分の意思で物事を判断するようになった。その彼の意志で命を救われた少女達。主人は自分達に対して愛や情はなく、「利用価値のある道具」としての認識と理解した上で彼の手となり足となる。そんな彼女達の成長や想いにも焦点が当てられていてウルっとさせられた。

転生先が暗殺貴族、白髪の天才美少年。前世のようなガンアクションかと思えば、キルア=ゾルディックにベンズナイフを持たせたような戦闘スタイル。スキルは「念」に近い。勢力拡大の為の偽装恋愛、形式上の任務である国益に繋がる暗殺と今後の地位に繋がる商業。それらを華麗にこなすものだからコードネーム「黄昏」みたい。そして、絶大な力を誇る勇者らしき戦士との最終決戦。最終兵器は宇宙兵器「グングニル」木っ端微塵に消し飛ぶベルセルク。暗殺とは入念な準備と一瞬の結果。これは流石に呆気なかった。

『無職転生』ルーデウスの完全上位互換。前世も転生後も完璧な主人公。父親役の声優は同じく森川智之。作品の力の入れ具合は劣るが、異世界アニメとして大満足の出来栄え。6話だけが異質、生々しく胸糞悪い内容だけど、それ以外の回はノンストレス。各回たまに挟んでくる歴代転生者(世界最高の〇〇)のエピソードが良い箸休めになった。原作未読の為、意味深なラストが気になりつつ2期を待ちます。
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