<概説>
あてどなく宇宙を放浪する無頼の男達。決して順風満帆な関係性ではないが、そこには彼等なりの確かなものがあった。無明の世界の果てで男の見つけた到達点は安息地か、はたまた己の墓穴か。世界的人気を誇るハードボイルドアニメーション。
<感想>
100万回生きても、100万回疲れ果ててしまう。
生きている証明はすぐそばにあるのに。生きていると証明してほしい者がそばにいるのに。未来を見つめる瞳が存在しない。
そんな生き方はあまりにも辛く、主人公スパイクの姿に涙腺が刺激されます。
物語が加速するラストの2話。
それまではスパイクは幸せじゃなかったのか。
幸せが五人の間に一片たりともなかったなんて、そんな風には私は思えません。テレビを蹴り壊し、腐敗食品に追い回され、賞金首を勝手に逃したり。
あのドタバタがあったから。フェイの慟哭が辛い。
しかし結に至ったその後。ぼんやりと動かしている掌の内、そこになにか残っている気がするのだから、不思議なものです。