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リーンの翼のkirioのレビュー・感想・評価

リーンの翼(2005年製作のアニメ)
3.3
富野由悠季、壊れる?!
それを良しとするか否や
「Gのレコンギスタ」まで問われる

本作は「聖戦士ダンバイン」と世界観を共有しつつ、「太平洋戦争」を裏テーマにした異なる世界線の物語である
一方で、1986年まで「野生時代」に連載された富野氏の同名小説をもとにした続編的な作品でもある

この原作との差異がアニメ版を視聴するにあたって大きな壁なる

(原作)
太平洋戦争末期、日本兵の迫水真次郎は沖縄海域で米軍のB-29への特攻をはかる最中、異世界バイストン・ウェルへ召喚される。
迫水はその地での戦いを通してかつての自分、旧日本軍の思想に疑問を抱くようになる。だが「リーンの翼」の奇跡を顕現し、「聖戦士」なる英雄へ上り詰めていく中で、次第に血と肉欲の世界に溺れていく。
その戦いの果てには同胞の裏切り、そして日本への第三の原爆へと繋がっていく。

(アニメ)
戦争から70年余り、現代の日本に生きるエイサップ・鈴木は、友人が起こしたテロ行為に始まり、バイストン・ウェルへの道を開いてしまう。やがてその地に君臨するサコミズ王は現代の日本に絶望し、核による東京の崩壊を行おうと目論む。エイサップはサコミズの娘と共に、王の侵略を制止しようとする。


「イデオン」「Vガンダム」などを生み出した「黒」富野としての究極地点に位置する原作、
対してアニメ版を作りあげたのは「ブレンパワード」「キングゲイナー」と新たな花を咲かせる「白」富野
そして、「Gのレコンギスタ」で痛いほど味わった
ゲル結界の精神攻撃のような会話劇
独特な会話の勢いが取り柄であった富野節も、一周回って意味不明な珍回答に

どちらも捨てがたいが言えないが、ここ十数年の富野節にはさすがに辛いものも感じる(個人的には「キングゲイナー」がギリライン)
80過ぎて現役なアニメ監督は尊敬するが
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