自己評価の低さ故に同じように陰っぽい人を「私と一緒で陽の人より下」という形でナチュラルに見下してしまったり、自虐しすぎて周囲に気を遣わせすぎてしまったり、人にとっては何でもない経験にとっても当人にとっては「大きな前進」で終わった後には浮かれたりという、所々には解像度の高いそれっぽさがしみこまれていた。
周囲のキャラクター達に毒気がなくコミカルで、リアリティラインが低めかと思いきや、ひとりの都合のよい妄想や人との交流経験が薄い故にウケ狙いで大滑りしたりするのは妙に説得力があった。宮下草薙のネタのような過剰なネガティブの誇張はこの作品のリアリティラインの表れでもあると思う。
ひとりが「そうか…初めから敵なんかいない…私が勝手に…」と気づくのが良かった。
一度他人を「脅威」と認識してしまうと、他者に対する劣等感と引け目で過剰に回避してしまうのはあるある。ひとりも過去に自信をなくしてしまうような経験があったのではないかと思う。
12話後も、当たり前のように日常生活が続くことをひとりの言動で表現していて、よくあるアニメの締め方ではないのが珍しかった。