映画ケーン

ワンダーエッグ・プライオリティの映画ケーンのレビュー・感想・評価

3.7
観返したから書き直し。

深夜、死んだ虫を見つけるところから始まる。虫を見ていると、車にクラクションを鳴らされてムッとする主人公アイ。親友が死んでも尚世界が、あたかも親友の死など存在しなかったかの様に、「見て見ぬふり」をして”日常”を送っている事にイラついている。
繊細な青年期の少女達の物語。「青年は死に最も近い存在である」ってどっかの詩人が言ってたっけな。

動きが良いからとにかく見てて面白い。

ただ、テーマがイマイチ分からない上に、かと言ってテーマが全面に出たりで感情的に楽しめる作品とは言い切れない。

問題なのは、最初から「生と死」がテーマとしてあったのに、後半の10話辺りのからいきなり「エロスとタナトス」と台詞で説明しちゃうところ。
中盤までの「生と死」の時点では傷付きやすい青年の心、イジメ、自殺問題という身近な物語だったはずなのに、後半でいきなり抽象的な概念としての「生と死」、つまり「エロスとタナトス」の話に置き換わってしまった。
テーマの掘り下げにも見えるけど、単純に訳が分からなくなってる。

あの世界が何だったのかの説明は要らないんじゃないか。

最初観た時は「面白い!」って思ったけど、2度目、冷静に観ると、物語の型をそのままやってたりして、そうでもない。
映画ケーン

映画ケーン