AB型の末っ子

未来少年コナンのAB型の末っ子のネタバレレビュー・内容・結末

未来少年コナン(1978年製作のアニメ)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

「そのパジャマ、似合うぜ」
「バカねぇ!」

めちゃくちゃ懐かしい…。
共テ終わって久しぶりに観たくなったので。

幼稚園から小学生の頃に何度も繰り返し観ていたアニメ。
私はコナンと言ったら未来少年コナン。

VHSで録画したやつをデータにして、DVDにダビングしているから、結構画質は荒いけど、相変わらず綺麗で滑らかなアニメーションで、懐かしさと新鮮さを感じる。
特に、海や山などの自然描写が凄い。
そこはやはりジブリの強み。

まず、久しぶりに観て思ったのは、凄い内容だなぁ…とw
冒頭は、戦争で地球が滅びる映像からスタート。
そして、その約二十年後、小さな離れ小島に住んでいる少年コナンが流されてきた女の子と出会い、始まる物語。

やっぱり、「ラピュタ」みたいなプロットで、主人公、ヒロインのデザインもそっくりではあるけど、年齢が違うことで、全体的なトーンの明るさも結構違う。その違いもそれぞれの魅力。

それにしても、コナン、人間じゃないw
あの魚をあの小さな身体で背中に抱えられている時点でもうおかしいw

原作となった小説「残された人々」のあらすじには、「二つの大国が磁力兵器を使った戦争を起こし、世界中のほとんどの人が死ぬ。戦争を引き起こした帳本人は、生き残った人々を支配しようとするが、主人公の少年と科学者たちは超能力を使って立ち向かう。」とあり、コナンの馬鹿力は、超能力と明記されているようです。
ラナやラオ博士のテレパシーもその種でしょう。

超能力を地で行ってもSFっぽくなりますが、このアニメでは深く追求しないことで、コナンの驚異的な身体能力が、どうしてもシリアスになりがちなストーリーに笑いや笑顔をもたらしているのが大きな特徴だと思います。

あとは、子供向けとは思えない、戦争のメッセージを抱えていて、この年で久しぶりに観たからこそ理解できたように感じた。
1話のおじいとモンスリーの会話では、
「おまえたちはまだこんなことをやっているのか。銃などを振り回しおって。おまえたちはあの大変動に何も学ばなかったのだな。
その考え方が、世界を滅ぼしたんだ!
それがわからんのか!」
「何を言うの!戦争を引き起こしたのはあの時大人だったあんたたちじゃないの!私たちはまだ子供だったわ。
子供が生き残るためにどんな苦しい思いをしたかあんたに分かる!?
戦争を引き起こして野蛮人に成り下がった無責任な大人のくせにあんたに偉そうなことを言う資格はどこにもないわ!」
どっちが間違ってるという訳ではないんです…。そしてそれがいちばん苦しくて難しいんです…。


魅力的なキャラクターもポイント!!
コナンは言うまでもなく凄い…。
力だけじゃなくて、心も強い。
ラナを助けるために島を出て、常にラナを助け、支え、喜ばせる為に努力する…。
こんなにいい男(約12歳)になりたい!!

そして、悲劇のヒロイン、ラナ。
ふざけてるんじゃなくて、本当に悲劇的過ぎる。
まだ12歳だっていうのに、ラオ博士の孫娘ってだけで、さらわれ、海に流され、拷問され、またさらわれて、吊るされて、沈められて、高いところに突っ立たせられて、などなど……。
そんな目に合ってたら、コナンに助けられても「まだ夢見てるみたい」なんて言うようになっちゃうのか…。
それでも、ラオ博士の信念を背負って、どんな目にあってもレプカには何も喋らない。
その正義心には胸が痛くなる思いで見守るしか無い…。
そして、コナンとのロマンス…。
最初は偶然の出会いと救出だったけど、いつしか、その友情はより強いものへと変化していく。
【これが愛でないなら、何なんだ?!】

ジムシー、コナンにとって初めての仲間。
初登場から意気投合。
身体能力高いけど、流石にコナンには勝てないw
そして印象的なのは、「それ食えんのかぁ?」という、いつも食べ物のことしか頭にないところw
可愛らしいジムシーだし、嫌がることも多いけど、コナンのためなら(仕方なくw)どこへでも着いていく。
「行きゃあいいんだろぉ。」
「しょうがねえなぁ、俺も行くよ。」
絶えず正直で素直なジムシー。いいヤツだなぁ。

魅力的過ぎる敵キャラたちも大切!!
ラナをさらったバラクーダ号の船長ダイス。
そして、バラクーダ号から逃げたラナをのこされ島で見つけ出し、連れ去ったインダストリアの兵士モンスリー。
この2人は本当に愛さずにはいられないキャラですよね…。

絶えずふざけて、カッコつけて、なんだかんだ協力させられるダイスも、コナンに心動かされて、仲間になったモンスリーも、こちらが驚くほどに深く描かれている。
モンスリーに関しては、もうヒロインだぞ!w
そして、最初はピリピリしていた2人なのに、最後は結婚にまでたどり着いてしまうなんて…w

何年経っても、傑作です…!!

他にも、ラオ博士やコナンのおじい、ハイハーバーの住民やインダストリアの地下住民たちなど、本当に良いキャラが最高すぎる!

逆にめちゃくちゃ最低でクズな敵のボスキャラ、レプカも最高ですよねw
最もクズなレプカが「クズどもめ!」なんて言うんだからww
救いようのないくらい悪い敵キャラというのも、アニメでは大事。
少々、レプカのバカっぷりがひどかった気もしなくは無いけど、これくらいが丁度良いのかなぁw

そう言えば、毎話15分のところでパラパラ動くやつがあるんだけど、そこで写ってる赤いネッシーみたいな生き物って、一度も本編登場してないよね?ww
何だったのかめちゃくちゃ気になるw

のこされ島を出発し、始まった冒険。
のこされ島に帰ってきて「おわり」が出てきた時の感動が本当に半端ない…。

オープニング、エンディングの曲もどちらも夢と希望に満ち溢れていて、頭でこだまし続けてる。

これは、全人類に観て欲しいなぁ…。
でも、本当の危機というのは、こんなに突然現れるようなものでもないんだろうなぁ、と思った。少しずつ、少しずつ環境が悪くなっていって、皆が気づいたときには手遅れ…。
今すでに気づいている人も沢山いるけど、それを聞かない人、信じない人、信じたくない人のほうがよっぽど多い。

常に現状への危機意識と、正義心だけは忘れないように生きていきたい。