ShojiTaniguchiさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

CODE 8/コード・エイト Part II(2024年製作の映画)

3.2

シリーズ1作目に掘り出し物的な面白さがあったのでこの続篇も期待しつつ観たが、1作目の方が良かったかなあと感じてしまった。

X-MENの設定にも通ずる、超能力者が不当に虐げられている世界というSF的設
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バッドランド・ハンターズ(2024年製作の映画)

3.6

冒頭から終劇まで安定感のある面白さで、茶目っ気のある笑いどころも含めて楽しみながら鑑賞した。
序盤で何箇所か微妙に演出が軽いかなと感じるところがあり、ハードな世界観とこの軽妙さのギャップでコント的にな
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LEGO(R) ムービー(2014年製作の映画)

4.2

世界中の家庭にけっこうな確率で存在している、もしくはしていたであろうLEGOブロックの意匠を全面的に用いた演出の完成度の高さに驚かされた。

LEGOで遊んだことがある人ならよく分かるLEGOあるある
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アクアマン/失われた王国(2023年製作の映画)

3.8

シリーズ1作目で爆発的なまでに発揮されていたジェームズ・ワン監督の外連味あるカメラワークの演出センスはやや抑えめに感じられたものの、この2作目も単品映画として観ればとても完成度の高い映画だった。
大ス
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ミッチェル家とマシンの反乱(2020年製作の映画)

3.9

冒頭から終幕まで飽きたり中だるみするところなく、楽しい気持ちで鑑賞した。
かといって終始ハチャメチャなアクションやドタバタが続くわけではなく、物語全体を通しての緩急の演出設計のレベルがとても高い。
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ガタカ(1997年製作の映画)

5.0

90年代末に公開された寓話的なSF映画だが、21世紀に入ってからの遺伝子工学の加速度的進化と、そのスピードに追いつけない人類の文化的・生物学的なモラルの進化の問題が予見的に描かれている。
そのテーマは
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ソウルフル・ワールド(2020年製作の映画)

4.2

主人公のジャズピアニストが持つ葛藤や願望にとても共感でき、また主人公が別世界で出会う自分の人生の指針が見いだせないキャラクターにも同じぐらい共感できた。
ピクサー作品は全般的に、一目で分かるハイレベル
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ヴァチカンのエクソシスト(2023年製作の映画)

3.4

登場人物や舞台が物語の成立に必要な最小限で構成されていながら、どのキャラクターにも個性と役割がきちんとあり、シーンごとの画の見せ方もオーソドックスではあるが丁寧に決まっていて、終劇までしっかり面白い作>>続きを読む

THE WITCH/魔女 —増殖—(2022年製作の映画)

1.5

3部作構想だと知り、1作目を観ていたこともあってこの2作目も鑑賞した。
アクションシーンの斬新さや過激さを作品の見どころにしたいのだろうと分かり、いくつかへえと感じたシーンもあったが、そういった部分以
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CODE8/コード・エイト(2019年製作の映画)

3.6

あまり観たことがなかったカナダのSF映画なので、期待と不安半分ずつで鑑賞した。ハリウッド映画のような景気のいい爆発やスペクタクルはほとんどなかったが、世界観や脚本、登場人物達の背景がしっかり実直に作ら>>続きを読む

ザ・キッチン(2023年製作の映画)

2.3

俳優として注目しているダニエル・カルーヤの脚本・監督作品ということで、どんな物語が描かれるのか期待して鑑賞した。
個人的には面白いなと感じるシーンや演出がいくつかあったけれど、映画作品としてはやや完成
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ミュータント・タートルズ ミュータント・パニック!(2023年製作の映画)

4.8

近年のアニメーション表現の革新的な進化の例としてあげられるスパイダーマン: スパイダーバースシリーズの輝きの影響でこの作品が損をしているように思うけれど、これもまたアニメーション史に残るレベルの革命的>>続きを読む

彼方に(2023年製作の映画)

3.4

主演のデヴィッド・オイェロウォの迫真の演技がこの短篇作品の成立を明らかに下支えしていると感じた。ほぼ表情だけで主人公の様々な感情の移ろいを描き切っているラストシーンは特にそれが顕著。
ただ、良くも悪く
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ラ・ジュテ(1962年製作の映画)

4.6

伝説的SF映画とも言われるこの作品の、ほぼ全篇をモノクロスチル (静止画) の連続性とナレーションだけで構成するという演出に唯一無二ともいえる芸術性の高さを感じた。
あえて何もかもは見せない、聞かせな
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うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー(1984年製作の映画)

4.4

名作と言われながら鑑賞できていなかった作品をやっとしっかり鑑賞できた。
80〜90年代の押井守氏のアニメーション作品にはどれも神がかり的な凄みがあると思っているけれど、この作品も間違いなくそのひとつだ
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マイ・エレメント(2023年製作の映画)

3.7

ピクサー作品の多くは、表面上のモチーフや空想的な舞台設定の中に現実社会の私たちが抱える課題についての問いと解を巧みに組み込んで描出する物語が多いけれど、この物語のメタファーは明らかに異人種間の相互理解>>続きを読む

X エックス(2022年製作の映画)

3.5

ホラー映画としての安定した面白さはありつつ、楽曲の使い方や編集のカッティングの入れ方、画面の割り方に独特なセンスがあって、わーかっこいいなと感じる部分がいくつかあった。
誰にでも勧められる傑作かという
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アンテベラム(2020年製作の映画)

3.9

アメリカという国家が未だ完全には乗り越え解決できていない人種差別問題について、その様々な種類の痛みも含めて描き出されていた作品だった。
物理的・肉体的な迫害のシーンは当然辛かったが、表面上はハッキリ見
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バクラウ 地図から消された村(2019年製作の映画)

2.9

事前に入れていた情報で期待し過ぎてしまっていたのか、想像を遥かに越えるような展開はなく、少し残念だった。
ブラジルという国家の歴史的な背景があっての風刺的・寓話的な脚本なのだろうと感じ、その演出意図も
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ニュー・シネマ・パラダイス(1989年製作の映画)

5.0

名作と知りながらきちんと鑑賞できていなかったが、やっと観ることができた。
私達にとって映画とは何なのか、人生とは何なのか、故郷とは、心の在り処とは…
自身のこれまでの年月と、決して幸せなことだけではな
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ザ・メニュー(2022年製作の映画)

3.5

かなり独特な舞台設定と脚本で、観る人によって賛否の評価が分かれそうだけれど、個人的には次の展開がどうなるのか惹きつけられて、終劇までとても面白く観ることができた。
人間にとっての創作とは何か、それと向
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ハロウィン・キラー!(2023年製作の映画)

2.8

「バック・トゥ・ザ・フューチャー」に「スクリーム」を掛け算したら面白くなるに決まっていますよね、と企画書類に書いてあったんじゃないかと思ってしまう映画だった。
2020年代から見た1980年代の、良く
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タイラー・レイク 命の奪還2(2022年製作の映画)

3.6

前作で顕著だった長回し(的な)演出と、クリス・ヘムズワースの屈強な肉体による説得力のあるアクションは今作でも健在で、徹底的に準備されたであろう演出の設計に驚かされた。
ストーリーはあってなきようなもの
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タイラー・レイク -命の奪還-(2020年製作の映画)

3.6

アクション演出の設計にもの凄く力が入った作品で、主演のクリス・ヘムズワースの身体演技がしっかりとそれに応えており、見応えのある映画だった。
緊張感が途切れない長回し(的な)演出も見事だけれど、画と同じ
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ダイ・ハード/ラスト・デイ(2012年製作の映画)

3.2

単品として鑑賞すれば面白い映画だったとは思うけれど、シリーズの前4作と比較すると、やはり見劣りしてしまう。
主演のブルース・ウィリスには年齢的に激しいアクションが難しいながら、スタントマンの使い方や演
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マイセルフ(2024年製作の映画)

4.0

木製のずんぐり体型の主人公が、金属製のスマート体型でベルのような音色によって対話する人々と親しくなりたくて… という寓話的な短篇。
テーマはとてもストレートに、コンプレックスとアイデンティティ、そして
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ダイ・ハード4.0(2007年製作の映画)

3.3

遠い昔に観て記憶が曖昧になっていた過去3作を復習してからこの4作目を観た。
ダイ・ハードというシリーズのアイデンティティは何なのか? という哲学的な問いを抜きにすれば、アクション演出やそのアングルはダ
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ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密(2019年製作の映画)

3.9

会話劇中心で派手なアクションや演出はほぼないクラシックスタイルな探偵ものであると事前に把握していたので、途中で退屈してしまうかもと少し懸念していたが、実力ある俳優達の魅力的な演技と巧みな脚本で、終幕ま>>続きを読む

嵐の中で(2018年製作の映画)

3.4

物語の規模や予算が大きいわけではないけれど、SF的設定の核をもとに、終幕まで着実に観せてくれる作品で、好感がもてた。
VFXや火薬の爆発とかにお金を使わなくとも、面白いSFを作ることはできるものだなあ
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ジョン・ウィック:コンセクエンス(2023年製作の映画)

3.7

ガンアクションの演出を革命的に進化させたシリーズながら、4作目ともなるとさすがにネタ切れになるのではと少し気になっていたが、何をどうやったらこんな描き方が発想できるんだろうと思ってしまうような斬新な画>>続きを読む