miさんの映画レビュー・感想・評価 - 55ページ目

万引き家族(2018年製作の映画)

4.2

前半はわりと退屈だったが、後半の伏線の回収がいままでの是枝作品にない、構成力と魅力を感じた。安藤サクラの泣きのシーンはとんでもない画力。

百円の恋(2014年製作の映画)

4.2

安藤サクラの好演なくして、この作品が成立しないのは確かだが、脚本も演出も素晴らしい。
ボクシングに開花する瞬間は、なかなか出来たものではない。胸が詰まる感覚を覚えた。

A2(2001年製作の映画)

4.8

マスコミが忌避する真実をとことんまで映し出す今作もまた傑作である。
地域住民と信者の交流は驚きである。
オウム信者を一元的に悪と決めつけ、人間扱いしない声は、
黒人差別やユダヤ迫害の「それ」と同じ意味
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ハッピーアワー(2015年製作の映画)

5.0

カメラはFIXでとるもんだ。前提として、カメラを動かすだけの機材もお金もない。だから、乗り物を効果的に使う。
生々しさを重ねていって、リアルがフィクションに昇華し、ファンタジーの域まで到達する。
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寝ても覚めても(2018年製作の映画)

4.8

このレビューはネタバレを含みます

濱口監督商業映画デビュー作。
印象に残るシーンは多く、濱口監督がいう、いい意味での映画ならではのファンタジーは感じられた。
バイク事故でキスするシーンの俯瞰の画なんかは痺れた。
冒頭の花火越しの出会い
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タクシー運転⼿ 〜約束は海を越えて〜(2017年製作の映画)

4.5

ソンガンホが素晴らしい。素晴らしすぎる。
JSAのときの北朝鮮の兵士役を思い出した。
何年経ってもなお、ソンガンホの演技は素晴らしい。

前半の金欲しさに光州行きを決めたり、笑えるポイントがいくつもあ
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春夏秋冬そして春(2003年製作の映画)

4.8

このレビューはネタバレを含みます

キム・ギドクの中では、かなり好きな作品。
人間の業の深さを観念的に、精神世界を映像化したような、かなり高度な内容だったと思う。
春夏秋冬、そして春。のタイトル通り、うまく
起承転結、そして起。みたいな
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わたしは、ダニエル・ブレイク(2016年製作の映画)

4.8

このレビューはネタバレを含みます

素晴らしいジャーナリズムで、現代の貧困を見事に描いてる。
この映画の素晴らしいところは、貧困に喘ぐ人物を描くと、つい荒んだ心模様まで一緒についてくるが、今作の登場人物の心は皆豊かだという点が大きい。
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THE NET 網に囚われた男(2016年製作の映画)

4.8

このレビューはネタバレを含みます

端的に言うと正直者は馬鹿を見る。
だけどそんな簡単な一言では片付けられないほど緻密な脚本で、個を通して朝鮮半島の北も南もひっくるめて批判的に描き切る手腕にただただ圧倒された。
最初は、単純明解に韓国側
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監督失格(2011年製作の映画)

4.8

前半はわりと退屈な展開でしかないが、後半の怒涛さと、あの日あの時「撮れてしまった」あのシーンは、本当に奇跡としか言いようがない。
悲劇ではあるが、本作はセルフドキュメンタリーの最高峰。

セッション(2014年製作の映画)

4.8

ラストの一連のシーンは、永久不滅。カット割り、編集のタイミング、アングル、すべてがこれしかない!といわんばかりの出来。
まさにセッション!

ヤンヤン 夏の想い出(2000年製作の映画)

5.0

一家族の日常を切り取った群像劇。
とにかくロングショットのFIXの画を多用してる上に、ワンカットずつの間が長いのが特徴。
より日常感を描く上で効果的な演出だ。

父親の初恋の行方、姉の恋の行方、ヤンヤ
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シークレット・サンシャイン(2007年製作の映画)

5.0

密陽と書いて、シークレットサンシャイン。
まさに村社会における、秘密の陽の光といったところで、タイトルにも感銘を受ける。
とにかく主人公は絶望しか感じない。
そこはかとない、絶望感。
息子が殺されてか
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オアシス(2002年製作の映画)

5.0

鬼気迫る。この言葉がピタリとはまる。
とにかくヒロインの演技が凄すぎる。全てのカットに痛みを感じる。
世の中は偏見で満ち溢れている。
そんな中脳性麻痺のヒロインを愛するはみ出し者の主人公。
究極の愛の
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共犯者たち(2017年製作の映画)

4.8

韓国における政府の言論統制がテーマのドキュメンタリー。
正直ドキュメンタリーとして事件の当事者、それも被害者側からのメッセージなので、かなり一方的だが、一方的であって当たり前な内容であり、メッセージ性
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アリー/ スター誕生(2018年製作の映画)

1.0

このレビューはネタバレを含みます

iMAXにて鑑賞。
一筋、二抜け、三動作でいうところの、筋が全然面白くなかった。
出会いのシーンのどこに才能をみいだしたのか謎だし、いきなりライブに呼んで歌わせてみんな大好き。って夢見物語にもほどがあ
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ROMA/ローマ(2018年製作の映画)

3.5

自分の人生を映画にすれば、誰しも傑作が撮れる。とはよく言われたもので、そういう意味合いでは少し物足りない。
淡々と昔を振り返っていくので、ストーリーの抑揚が少ない。