Tさんの映画レビュー・感想・評価

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太陽がいっぱい(1960年製作の映画)

4.4

彼に芽生えた殺意は静かに膨れ上がる。
太陽は降り注ぎ、激しい波を立てる海は本物の青色をしていた。

鋭い眼差しで状況を把握し、作戦を実行していく。全てを奪い取ったとき、彼はついに満たされるが…

テロ
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Ryuichi Sakamoto | Opus(2023年製作の映画)

4.7

亡くなる半年前にNHKホールで収録された坂本龍一最後の演奏。体力的に通しでの収録は難しく、何日にも分けて行ったという。その様子が全編美しいモノクロの映像で繋ぎ合わさり1つの作品となっている。

これま
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パリの恋人(1957年製作の映画)

4.2

パリの街を舞台に繰り広げられる愉快なドタバタミュージカル!

すごい面白かったな、オードリーヘップバーンは綺麗だし、美術がとてもおしゃれだった。オープニングから冒頭の扉の色使いでグッと引き込まれる。
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

3.8

暗い水たまりに雨が降りしきる。男はそれを虚な目で見つめている。

人並外れた才能を持ち、祖国に貢献しようと奮闘した男の物語。
彼は依頼された仕事を成功させたが、その後周りの歓声は彼に届かず自分の呼吸だ
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バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2(1989年製作の映画)

4.5

1の物語が絡まっていくのが素晴らしくて、どんどん引き込まれる。このワクワク感、バックトゥーザ・フューチャーにしか作り出せない。文句なしの名作!本作もjohnny b goodeで高まる。あとBeat >>続きを読む

落下の解剖学(2023年製作の映画)

3.9

我々が裁判を傍聴しているような感覚になる。映画館で見てよかった。
緻密に組み立てられた物語で、それは真実に対する衝撃を増強するためではなく、家族の万感の思いを想像し、考えるためにあった。
私たちは考え
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マイ・ブルーベリー・ナイツ(2007年製作の映画)

4.8

夜の街、ネオンを撮ることにおいて、ウォンカーウァイの右に出る者はいないと思っている。
彼がいつも捉えてきたのは香港の街。90年代の雑多で雨が降る、ジメジメとして黄味がかった、魅力的な場所だった。
この
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フォロウィング 25周年/HDレストア版(1998年製作の映画)

4.1

綿密に組み合わせられたシーンのピース。
これがノーラン流のフィルムノワールか。
アンダーグラウンドを匂わせつつ、クオリティはめちゃめちゃ高い。
映像もめっちゃかっこよかった。

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

4.3

45年前にジョージルーカスが侍たちの宇宙戦争を描いたのだとすると、これは砂漠を舞台にした忍者の物語に思える。

ポールたちの復讐譚としての本作は、秘められた感情や明かされてこなかった過去が絡み合い、厚
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ガンジー(1982年製作の映画)

3.9

“この世の悪魔たちは我々の心の中にいる”

スクリーンでこの映画を見れたことが嬉しい。
たくさんの民が登場する。画面を埋め尽くすたくさんの人々。その1つ1つの魂を動かしたガンジーという偉大な男の物語。
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気狂いピエロ(1965年製作の映画)

4.1

2人の男女の刹那的な逃避行を描く。

ポルクロル島の美しい自然に、鮮やかな赤や青、黄色がワンピースや車、窓、スピーカー、様々なところに散りばめられていて、見ていてとても楽しい。

目を背けたくなるほど
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セブン・イヤーズ・イン・チベット(1997年製作の映画)

4.2

ある世界的な登山家が、ヒマラヤ登山中に第二次世界大戦に翻弄されチベットへ。
そこで過ごした7年間、若きダライラマとの交流を描く実話。

美しいチベットの風景、ラサ市街や荘厳な宮殿…
山に魅せられた男は
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アレックス(2002年製作の映画)

4.0

ギャスパーノエの怪作。

16mmを使った機動的なカメラワークは他に類を見ない。自由に動き回りながら回転も多く、普通に酔いそうになる。そして極限までカットを減らし、それぞれのシークエンスでは長回しを行
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Shall we ダンス?(1996年製作の映画)

3.8

窓に貼られたshall we danceと、カツラが取れて一皮剥けた竹中直人。


漠然とした虚無や孤独感を漂わせる男が、踊ることで自分自身や家族への眼差しを変えていく様が良い。
普通の男の演じ方は最
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パリタクシー(2022年製作の映画)

4.4

パリの街で働くタクシー運転手が、自宅から老人ホームに向かおうとしている1人のおばあさんを乗せて車を走らせるお話。

おばあさんは静かに語り始める。ファーストキスの味、息子への想い、煩悶。
無口だった運
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イコライザー THE FINAL(2023年製作の映画)

3.8

自分が良い人間か悪い人間か。彼の答えに歩んできた人生が投影されていたな。

相手が小物すぎたなという感じで張り合いがなかったなぁ。
このシリーズのデンゼルワシントンは本当に好きよ。かっこいい。

隣で
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

3.1

衣装、美術はとても良かったけど…

すまん!全くわからん!笑

ミッドサマー(2019年製作の映画)

4.7

阿鼻叫喚の光景の中にある美が、ざわめきを生み出し心を掴んだ。

叫び、狂い、黄色い三角が燃え上がる。
全てが崩れ落ちた時、花を全身に纏った女王の魂が救われた。
完全に壊れたものを修復したのは、太陽の沈
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幸せへのまわり道(2019年製作の映画)

3.8

1分間の沈黙。

“許すことは決断すること。怒りを解くと決めることだ。不思議なことに、愛してるいる相手ほど許すのが難しい。”

“時々人は善良な心でやるべきことをする。でもその時々善良な人が、時々悪い
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ドライビング Miss デイジー(1989年製作の映画)

3.7

“You are my best friend.”

車の中で少しずつ近づいていった2人の距離。流れるアラバマの景色。


とてもとても静かで、深甚なる信頼がそこにあった。

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.6

シャッシャッ。箒で掃く音。また1日が始まる。

トイレの清掃員平山の日常を切り取っていく。セリフは最小限だ。無言の時間が支配する。しかし彼の生活から目が離せない。表情、動作、彼が毎日見ているいつも同じ
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キカ(1993年製作の映画)

4.0

“殺人は足の爪切りに似てる
考えると面倒くさい
いざ切ってみると思ったより簡単だった
これで当分切らずに済むと思う
だが知らぬ間に爪は伸びる”

スペインの鬼才、ペドロアルモドバル作品。
トークトゥハ
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チャーリーズ・エンジェル(2000年製作の映画)

3.9

ずーっとキラッキラしてる。
いいところでBlur流れる。

“ロスではいい男は貴重品なのよ”

エルフ 〜サンタの国からやってきた〜(2003年製作の映画)

3.9

クリスマスの心がなきゃね!!!
可愛い世界観。
🛷飛ぶところ感動的。
サンタクロースが街にやってくる!

“クリスマスの心とは目で見ることでなく、心で信じることだ”

悪い子リストに載らないようにしな
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アザーズ(2001年製作の映画)

4.0

五里霧中疑心暗鬼ッドマン。
だいぶ終盤までわからなくて引き込まれた。
美人。

天国の日々(1978年製作の映画)

3.3

イナゴ、麦、広がるのは雄大な自然。そしてそれは激しく燃え上がる。地獄の業火のように。
写実的な描写にモリコーネの音楽が重なる。
もうこの世にいないかのような日々を過ごしていた者達の、罪。
テレンスマリ
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ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE(2023年製作の映画)

4.0

安定です。
カーアクションが黄色のチンクエチェントってのがいいね。

久しぶりに映画館でポップコーン食べた。

インソムニア(2002年製作の映画)

4.0

反転したフィルムノワールとも言える、アラスカを舞台にしたサスペンス。
クリストファーノーラン監督作品3作目。

太陽が沈まない白夜の街で、刑事は不眠症に悩まされる。
脳は本来のように働かず、自分の行い
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aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

3.6

波が静かに揺れるだけの落ち着いた海。美しいブルーだ。だがあまりにそのカットが長いと死を連想する。
夜の海は波が激しくて、沖は漆黒である。さらに死を感じる。

お、まだいくか、っていうくらい長めのショッ
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アメリ デジタルリマスター版(2001年製作の映画)

4.7

アメリの奇想天外な日常。
小さい頃の特殊な境遇から、彼女は自分の殻に閉じこもる。

少し大きくなって、赤い壁紙のアンティークで素敵な家に住むアメリ。本当に素敵な部屋。
水切りをするための石を拾う。ポケ
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ヒート(1995年製作の映画)

4.4

デニーロとアルパチーノ。
時代を築いた2人の共演。
追う者と追われる者の因縁、交流が描かれる。

市街地の銃撃戦をはじめ、リアリズムに重心を置いた演出、映像が素晴らしい。空砲ではあるものの実際の発砲音
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雨に唄えば(1952年製作の映画)

4.5

サイレントからトーキーに移り変わるハリウッドを舞台に繰り広げられる愉快な物語!

主題歌を歌いながら雨降る街を歌い踊るシーンは本当に素晴らしい。
子供が長靴を履いて水たまりでバシャバシャ遊んでいるかの
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蜘蛛女のキス(1985年製作の映画)

4.1

原作はラテンアメリカ文学の名作「蜘蛛女のキス」。マヌエルプイグの作品だ。
ゲイを演じた俳優が歴史上で初めてアカデミー賞を獲得した映画でもある。

牢屋の中で昔見た映画のロマンスを語る者。それを聞くのは
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