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蜘蛛女のキスのTのレビュー・感想・評価

蜘蛛女のキス(1985年製作の映画)
4.1
原作はラテンアメリカ文学の名作「蜘蛛女のキス」。マヌエルプイグの作品だ。
ゲイを演じた俳優が歴史上で初めてアカデミー賞を獲得した映画でもある。

牢屋の中で昔見た映画のロマンスを語る者。それを聞くのは体制に冷たい眼差しを向ける政治犯だ。

相手が漏らした排泄物の処理を進んで引き受けること、量が多い方の配膳皿を差し出すこと、どちらも愛である。

他に類を見ない独特の作風であり、なんと言ってもウィリアムハートの演技に惹かれた。
映画の登場人物というより、目の前で本当にその人が語っているような自然さがあった。

幸せを感じることで最高なのは、もう2度と不幸にならないと思えること。
天井を見ながら呟くように言ったあのセリフにずっと取り憑かれていたし、壁に囲まれた牢屋の中のシーンに不思議な美しさを感じた。

この作品ずっと見たくて、Blu-rayディスクをいただいてやっと見れた。ありがとう。
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