seriFilさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

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世界で一番ゴッホを描いた男(2016年製作の映画)

5.0

お土産用のゴッホを量産する職人さんの話。似て非なるキッチュでチープな味が面白いあの手のお土産。しかし彼らは本気だった。少しでもオリジナルに近づくことを目指し職人の徒弟的修行のごとく描きまくる。絵葉書を>>続きを読む

エスパイ(1974年製作の映画)

5.0

皆さんのレビューに散見される「ポロリ」を広辞苑で引きましたら、「女性の乳房がうっかりこぼれ落ちるさま」とありましたが、さすが広辞苑、この“うっかり”こそがポロリの本質であることを教えています。さて、こ>>続きを読む

ガッジョ・ディーロ(1997年製作の映画)

4.0

陽気で自分勝手でちゃんとずるくて歌ったり踊ったり奏でたり、外からやってくる者の幻想をバカだなあと笑う。そういう映画。たぶん違います。

虚栄の果て(2022年製作の映画)

4.1

その寓話の教訓めいたものはよくわからないまま、こんな女性がいたんだよと、お婆さんにお話を聞かされたような鑑賞後感でした。確かな射撃スキル、そしてひたすら寡黙、仕えている白人ファミリーには従順だが、彼ら>>続きを読む

ブレス あの波の向こうへ(2017年製作の映画)

3.6

親よりひとまわり若く、歳の離れた従兄弟や、親戚中からやや浮いたり疎まれている若い叔父や叔母とか。地元の人とはまるで違う空気をまとった移住者とか。十代の頃のそうした人の存在や出会いはとても大きい。リスペ>>続きを読む

ザ・ダンサー(2016年製作の映画)

3.3

モダンダンスの歴史と言えばまず名前が上がるのはイサドラダンカンという認識で、本作のフラーについてはまったく存じ上げませんでしたが、なるほど彼女の成したことは近代と現代の隙間にふいに生まれたどこかサーカ>>続きを読む

レッド プラネット(2000年製作の映画)

3.6

昔のイラスト多めの児童文学のような鑑賞後感でした。いい意味で。

ベルファスト(2021年製作の映画)

4.3

現時点、ざっくり言って「リベラル」であることが世界が目指すべき正解と信じていますが、この超シンプルでベタなメッセージを一気に駆け抜けるような全く新しい文法で伝えた映画。ベタとはいえ、メルケル退場の現在>>続きを読む

アド・アストラ(2019年製作の映画)

4.0

宇宙の遥か彼方へ向かいながら、自分の内面の深奥へ向かっていく、それは古典的SF映画の重要な系譜のひとつと思いますが、その地球から遥か遠い地点で気づかされたのは、まずは目の前のひとを。ということでしょう>>続きを読む

The Hand of God(2021年製作の映画)

3.8

イタリアはやっぱり“家族”でしょうか。それを喪失した者には誰もが格別な共感を寄せますよね。木々の緑が延々と流れる車窓にファビエットくんのおだやかな顔が映り込んでいる。その映像が素敵でした。

灼熱の魂(2010年製作の映画)

4.4

現代に再現させたギリシャ神話。オイディプス王なら真実を知って自分の両目を潰してしまうんですが。このとんでもない物語を、謎解きを軸にまるでレポーターが訪ねていくようなライトなドキュメンタリートーンと、ヒ>>続きを読む

ほの蒼き瞳(2022年製作の映画)

2.9

映像や演出もフラットでストーリー以上の魅力に欠けました。例えばこの物語を文字で読んだ方が面白いと感じるんじゃないかとか。それもひどいか。でもせっかくのEAPを絡めたアイデアも、どうなんでしょう。ただハ>>続きを読む

アルゼンチン1985 ~歴史を変えた裁判~(2022年製作の映画)

3.3

教養としてとても観る価値ありです。ただ映画映像としてはだいぶ物足りない。

キング・オブ・スタテンアイランド(2020年製作の映画)

3.9

嫌味な悪態をついてるスコットを見ながら「俺は嫌いじゃないね」というスティーブ・ブシェミがとっても好き。殉職し伝説化した父ちゃんの別の一面を知ってスコットの心が柔らかくなっていく。良かったね。

グッド・ナース(2022年製作の映画)

3.5

一番怖いのは、彼を告発できない社会的なというより世間的事情でしょうか。退職していただいてほっとしてるだけみたいな。いかにも日本にもありそうな事情ですが、かくしてサイコパスは野に放たれたまま。そうしたえ>>続きを読む

ヘルムート・ニュートンと12人の女たち(2020年製作の映画)

3.5

例えばVOGUEのようなハイファッション誌を飾る写真、女性モデルたちのその表情は、基本的に男性の存在を無視している。だからかっこいいとも言えるし魅力がないとも言える。ヘルムートニュートンは、ハイブラン>>続きを読む

ラスト・フル・メジャー 知られざる英雄の真実(2019年製作の映画)

3.8

あの人も当然顕彰されるべき的な問題、日本で言えば靖国な話になるわけですけど、安心してください、愛国心を煽るような話ではありません。多くの人の命を救ったひとりの兵士に関わった戦友や年老いた両親の心情を救>>続きを読む

荒野にて(2017年製作の映画)

4.0

少年は無垢で純粋だとは言いませんが、無力というのはそうなんでしょうね。そして大人はほぼ汚い。馬のピートへのチャーリーの思いは子どものときならではの心当たりのある感情です。ネタバレですけど、本当によかっ>>続きを読む

ロード・オブ・カオス(2018年製作の映画)

4.0

このサムネイル画像に惹かれてつい視聴。勝手にコミカル風味を期待していたので予想外のシリアスなスプラッタにヒきました。が、しっかりつくられた映画でした。
悪いほど仲間の評価が上がるという若者あるあるだけ
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聖なる証(2022年製作の映画)

5.0

一旦、「宗教はカルトである」と言ったら見晴らしがよくなりますかね。的なレビューは皆さんに譲りまして、映像がすごかった。セリーヌシアマの『燃ゆる女の肖像』のような透明感とは違いますが、まさに絵画。衣装や>>続きを読む

ラ・ヘファ:支配する者(2022年製作の映画)

3.2

富裕な中高年女性と野心満々な若い女性の戦い。どちらにも感情移入できずいろんな意味でイタいんですけど、突然スパークするような暴力は思い切りが良くキレがありました。

ローズメイカー 奇跡のバラ(2020年製作の映画)

3.9

タイトルバックやエンドロールのバラの映像がとてもきれいで、このかわいい作品の素敵な額縁になってました。

ザ・シューター/極大射程(2007年製作の映画)

3.9

超絶スナイパームービーはなぜか惹かれます。人里離れた山の中で静かに暮らすかつてのワケありレジェンド。のっぴきならない国の危機に「彼しかいない」と声がかかる。山奥に不似合いな黒い高級車がやってくる。吠え>>続きを読む

プライベート・ウォー(2018年製作の映画)

3.5

「プライベート・ウォー」。誠実なタイトルと言うべきか。しかしあまりに魅力的なこの素材に、演者も監督もやや酔ってる感でした。

テイクオーバー(2022年製作の映画)

2.0

ひどい。1点台の評価でしたが、天才ホワイトハッカーが世界を救うかもっていう希望を垣間みせたっぽい雰囲気をうっすら醸したので、2点に。

インバトル/因縁のファイター(2020年製作の映画)

3.2

MMAチャンピオンのいろいろアウトな父ちゃんキャッシュと良き息子ジェットが試合をする物語、そのシンプルさだけで十分成立しそうですが、興味深かったのは、いわゆる知的障がい者である弟クインの描かれ方。ジェ>>続きを読む

幻土(2018年製作の映画)

5.0

いろいろ考えてたら評価5になりました。夜の埋立地、波打ち際、搾取され続ける彼らの小さな妄想が赤紫に発光するシャボン玉となって空に上る。すぐに見えなくなるのは暗さのせいなのかはじけてしまったからなのかは>>続きを読む

トップガン マーヴェリック(2022年製作の映画)

5.0

マーヴェリックの花道劇場。需要なきかつてのレジェンドに偶然与えられた最高の花道。ロートルな車輪の取れたF14も一緒に。良かったね。
始まりの10分で、観たことのない映像クォリティにのけぞりました。深く
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ヘイター(2020年製作の映画)

3.7

冷蔵庫の中みたいなひんやり映像で、カメラは涙目のトマシュを見つめ続ける。これは冷凍の『時計仕掛けのオレンジ』ですね。

Togo/トーゴー(2022年製作の映画)

4.0

強くて優しいホームレス。僕の理想像を見つけました。

ウルグアイと言えばムカヒ元大統領。貧困や格差とか社会的諸問題が滲み出てはいましたが、親に叱られているかのようなヘタレ過ぎる半グレくんたち含め、全体
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アンキャニー・不気味の谷(2019年製作の映画)

3.2

張り詰めた映像を楽しみました。が例えば「ブラックミラー」のエピソードの一つかのような小粒感がややざんねん。
エクスマキナにも感じたことですが、不気味の谷次元のテクノロジーにおいては、観察者のその対象へ
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カムイ外伝(2009年製作の映画)

3.7

2009年公開。リアルタイムで観たらどう思ったかわかりませんが、ワイヤーアクション含めCGなど技術的な足りなさに、むしろ実現したい映像への思いみたいなものを感じました。不自然とは言え結果不思議な浮遊感>>続きを読む

新宿タイガー(2019年製作の映画)

2.9

職場がこの辺なので何度となくお見かけしていますけど、マスクを外した彼を見れると思いませんでした。と同僚に話したら、某カフェのテラス席で普通にマスクを外してよくお茶してるとのことでした笑。本作、タイガー>>続きを読む

ハリガン氏の電話(2022年製作の映画)

2.9

所有しているのではなく、むしろスマホに所有されていませんかという現代社会への警鐘ムービー。セリフに引用されていたマタイの福音書、第5章の30「もし右の手があなたをつまずかせるなら、切り取って捨ててしま>>続きを読む