sasaさんの映画レビュー・感想・評価 - 28ページ目

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人生タクシー(2015年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

まず、観る前に『運転手に扮したジャファル・パナヒ監督は、反体制活動を理由にイラン政府から20年間の映画撮影を禁止されている』という事実を知っておく必要がある。そのあたりの経緯については同監督の作品『こ>>続きを読む

ナイト・オン・ザ・プラネット(1991年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

深夜のタクシーを舞台として、世界のあちこちで起こる物語のオムニバス。寓話めいているようで、何の意味もないようにも見える、ジャームッシュらしい日常のトリミング。
5つの時計が並んでいるカットがおしゃれ。
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窮鼠はチーズの夢を見る(2020年製作の映画)

2.0

このレビューはネタバレを含みます

同性愛を扱った映画はいくつも見ているので、男性同士のベッドシーンに抵抗があるわけではない。が、それにしても必要以上に多いように感じてしまった。
とにかく主人公のキャラクターに深みと説得力がなく、魅力を
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空気人形(2009年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

人形が次第に人間に近づいていく、細かい描写がとてもよかった。心を持ってすぐの、ぎこちない関節の動きや言葉の反復。人形になっているときは瞬きをしない。途中からはすっかり人間のように振る舞っていて、純粋に>>続きを読む

ドロステのはてで僕ら(2019年製作の映画)

4.7

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未来を知った登場人物の誰もが『未来に従わなければならない』と引っ張られてしまう。未来が見えているのだから都合よく改変していけばよさそうなものだが……その暗黙のルールを壊すのが、"部外者です!"と何度も>>続きを読む

ペパーミント・キャンディー(1999年製作の映画)

2.0

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脚本も、主人公の偽悪的な思考回路も、根本的に合わなかった。

最初のパートで、特に説明もされないまま『なぜだ!』『帰りたい!』とひたすら喚く男の映像が冗長で、さっそく心が折れそうになる。
そのあとも少
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グランド・ブダペスト・ホテル(2014年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

話のテンポが良い。コミカルな演出と美しい映像が楽しめた。グスタヴをはじめ登場人物が個性的だし、皮肉の効いたセリフ回しなどもあって、端々でクスッとくる。定期的に少し悪趣味でショッキングなカットがあるが、>>続きを読む

ビール・ストリートの恋人たち(2018年製作の映画)

2.9

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感銘を受けた『ムーンライト』のバリー・ジェンキンス監督の作品。『ムーンライト』と同様に、社会的立場の低い人々の人生や恋愛を描いている。

感想としては、やや中途半端だなあという印象。黒人差別を描いたも
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プレステージ(2006年製作の映画)

2.5

このレビューはネタバレを含みます

因縁の天才マジシャン同士の人生を賭けた騙し合い。最後に驚愕のトリックが明かされる!

とのことだが、個人的には全く楽しめなかった。
まず、登場人物の見分けがつかない。顔が似ているわけでもないのだが、元
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ハッピー・オールド・イヤー(2019年製作の映画)

4.3

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実家を事務所に改装するのを機に、自身のめざすミニマリズムに基づき、溜まりに溜まった物たちを捨てていく主人公ジーン。「使わないものはいらないものだ」と、思い出の品も次々と捨てていくが、改装を依頼していた>>続きを読む

アイム・ソー・エキサイテッド!(2013年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

オカマCAたちが飛行機で繰り広げるドタバタコメディ、というアホみたいな謳い文句につられて視聴。良くも悪くも予想通りの作品だった。

下ネタ満載、というか、なかなか下品な映画。エコノミー客に薬を盛ったり
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さよなら、ぼくのモンスター(2015年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

主人公の抱える、同性愛であることへの恐怖、同性愛であることを知られることへの恐怖をあらわす比喩や示唆があちこちに散りばめられていて、そのほぼ全部が解釈しやすい形だったのでしっかり映画を味わうことができ>>続きを読む

68キル(2017年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

マシュー・グレイ・ギュブラー目当てで視聴。マシュー演じる頼りないチップが、ネジの飛んだ美女たちのなすがままにされていくストーリー。はっきり言ってB級のそれ。

クリミナル・マインドでスペンサー・リード
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パリのどこかで、あなたと(2019年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

すぐ隣の部屋に住み、同じ電車で通勤し、同じ店で買い物をするのに、互いの人生が交わることのない二人。人生を恋人に捧げてしまうメラニーは"持たないこと"への恐怖感、自分だけが幸せになってしまったと感じてい>>続きを読む

パーマネント・バケーション(1980年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

くどいほどのパーカーの死生観と人生哲学。ピアノの不協和音。つぎはぎのような粗い映像。手のひらを紙ヤスリでこすられているような、絶妙な不快感と薄い絶望感がずっと漂っている。
そんな哲学を語りながらカッコ
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ハートストーン(2016年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

アイスランドの美しい自然と、思春期を迎えた少年少女たちの心の動きを描いた映画。異性との関係、同性愛、閉塞的コミュニティが抱える問題など、大自然の雄大さとは裏腹に、重く暗い雰囲気をまとっている。
同性愛
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この世界に残されて(2019年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

ホロコーストで両親を失ったクララと、自分を父親のように慕ってくるクララを受け入れるアルド。
賢くて大人ぶっているのに、子供っぽさが見え隠れするクララがとてもかわいい。ケーキを食べたがったり、アルドのベ
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コーヒーをめぐる冒険(2012年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

寝坊はするし、署員は陰湿で不愉快だし、カフェの店員は意地悪だし、お金は降ろせないし、望まない訪問者は居座ろうとするし……なぜか世界に拒絶されているように感じる不運な1日。自分のせいじゃないのに怒鳴られ>>続きを読む

パターソン(2016年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

バスの運転手として働く主人公。街の音や人々の声、乗客の(ときに下世話な)会話が流れていく。パターソン自身は寡黙な男性なのだが、そのぶん表情や仕草での表現が繊細で素敵。アダム・ドライバーが演じているとい>>続きを読む

シャッター アイランド(2009年製作の映画)

2.5

このレビューはネタバレを含みます

評判がいい映画というのは知っていたので期待して観たのだが、あまり好みではなかった。

いわゆる「信頼できない語り手」モノに分類されるのだが、辻褄が合わないところを幻覚だったことにしてしまうのは、かなり
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ピエロがお前を嘲笑う(2014年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

なんとなく『ユージュアル・サスペクツ』っぽいな、と思いながら観ていた。ユージュアル~でいうところのカイザー・ソゼのような存在がいて、クライマックスはこいつとの戦いかな、と思っていたらあっさり逮捕された>>続きを読む

クレイマー、クレイマー(1979年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

何度観ても名作。慣れない育児に奔走するテッドや、幼いビリーのいじらしさに胸を打たれる。フレンチトーストをつくるシーンでの二人の表情が本当に素晴らしい。

今の言葉で言うところの"ジェンダーロール"がテ
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マルコヴィッチの穴(1999年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

分かりやすく言えば、海外版『世にも奇妙な物語 2時間スペシャル』。ひとつの突飛なアイデアを映画サイズに仕上げた、シュールな作品。

怪しいオフィスで見つけた怪しい穴に入ってみたら、有名俳優ジョン・マル
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ムーンライト(2016年製作の映画)

4.6

このレビューはネタバレを含みます

雑音のない映画だと感じた。BGMの話だけではなく、たとえば恩人が亡くなったり、家族が施設に入ったりという人生におけるドラマティックであっただろうシーンをあえて描かず、主人公シャロンが抱える孤独と愛にだ>>続きを読む