みかんぼうやさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

みかんぼうや

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グラン・ブルー完全版 -デジタル・レストア・バージョン-(1988年製作の映画)

3.4

【なぜか避けてきた超有名作を食らうVo.13】
正確には“避けてきた”わけではなく、海というものにそこまで惹かれない人間なのと、170分の長尺が理由だったのですが、時間に余裕のある年末年始にゆっくり観
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野菊の如き君なりき(1955年製作の映画)

3.7

皆さま、本年もよろしくお願いいたします。今年も変わらず映画&フィルマライフを楽しんでいこうと思います。
(今日アップする4本は、2023年末に観た作品です)

「二十四の瞳」、「永遠の人」の木下恵介監
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ひらいて(2021年製作の映画)

4.1

これは普通の青春映画ではない。ジャケ写や美男美女高校生たち、そして開始5分くらいの雰囲気から、苦手なキラキラ系高校生青春恋愛映画も覚悟しましたが、とんでもない。さすが綿矢りさ原作。びっくりするくらい面>>続きを読む

ピアノ・レッスン(1993年製作の映画)

3.4

カンヌのパルムドールをはじめ、その年の様々な映画祭の賞を総なめした本作。ずっと観たいと思っていてようやくの鑑賞。さすがに見応え十分。主人公エイダの感情をピアノの音で表現した音と映像の融合と現実でありな>>続きを読む

三十四丁目の奇蹟/34丁目の奇蹟(1947年製作の映画)

3.7

「戦場のメリークリスマス」とともに、ずっとクリスマスに観たいと思っていた作品。名作と聞いていたので、思わず観る前から、同じくファンタジーで実はクリスマス映画でもあり私の生涯のベスト5に入る「素晴らしき>>続きを読む

戦場のメリークリスマス(1983年製作の映画)

3.9

【なぜか避けてきた超有名作を食らうVol.12】
正確には“避けてきた”わけではなく、毎年クリスマス付近に観ようと心に決めて、でも結局他の作品を観てしまい、観る機会を逃してきただけ。ですが、坂本龍一が
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ヒトラーの忘れもの(2015年製作の映画)

4.0

第二次大戦後、デンマークで起きていた残酷な史実を描いた作品。あまり前情報を入れず観たので、デンマークとドイツの国を越えた絆の美しい話か何かかと思っていたが、そんな甘いものではない。確かに一つの形として>>続きを読む

マルコムX(1992年製作の映画)

3.7

タイトルの通り、アメリカの黒人解放運動家マルコムXの半生を描いた作品。「ドゥ・ザ・ライト・シング」でブルックリンの黒人たちによる白人社会への怒りと反抗を描いたスパイク・リーが、アメリカ全体の黒人解放運>>続きを読む

ディア・ハンター(1978年製作の映画)

4.3

3時間の作品はどうしても手が伸びにくい。そして、中だるみを感じやすい作品が多いのも否定できない。実際、本作も主人公たちがベトナム戦争に参加するまでの最初の1時間は長く感じた。しかし、終わってみれば絶対>>続きを読む

流れる(1956年製作の映画)

3.5

本作で4本目となる成瀬巳喜男監督作品。昭和女性の毎日を一生懸命に生きる力強さとはかなさを感じる本作。田中絹代、高峰秀子、山田五十鈴、杉村春子という超豪華女優陣の演技を通じて昭和の芸者置屋で行われる人情>>続きを読む

ファンタスティック・プラネット(1973年製作の映画)

4.2

だめだ、これはヤバい。もう物語がどうとか、そういった理屈抜きで、「イレイザー・ヘッド」(デヴィッド・リンチ)と同様、生理的に大好き。皆さんが気持ち悪いと書かれている本作に登場する人間たちの描写(どこか>>続きを読む

逆噴射家族(1984年製作の映画)

3.8

私が最も好きなミュージシャンの一人、向井秀徳(NUMBER GIRL / ZAZEN BOYS)が好きな映画として興味を持ち、制作には私が最も好きな邦画の一つ「太陽を盗んだ男」の長谷川和彦監督が関わっ>>続きを読む

フェイブルマンズ(2022年製作の映画)

4.0

一時期かなりTLを賑わせたスピルバーグ初の自伝的作品。スピルバーグの作品は2000年代前半までの有名どころはそれなりに観ているものの(といっても12~3本?)、特に思い入れのある監督、というわけではな>>続きを読む

離愁(1973年製作の映画)

3.3

第二次大戦の戦火を避難するために妊娠中の妻と娘とともにすし詰めの汽車の貨物車両に乗った男性が同じ車両に居合わせたユダヤ人の美しい女性と恋に落ちるという、いわゆる戦争メロドラマ。

“ラストが全て”と言
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マッチ工場の少女(1990年製作の映画)

3.8

え!アキ・カウリスマキってこんな作品も撮っているんだ。フィルマや世間でのこの監督に対するかなりの高評価に対して、「希望のかなた」も「パラダイスの夕暮れ」もいまいち面白さが分からず、本作が楽しめなかった>>続きを読む

二人で歩いた幾春秋(1962年製作の映画)

3.9

「永遠の人」、「二十四の瞳」に続く、木下恵介監督作品3作目。この方、長きに亘り紡がれていく人と人との絆を描く天才なのでしょうね。

本作、一言で言うならば、「二十四の瞳」の“家族絆”版。「二十四の瞳」
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ダイナマイトどんどん(1978年製作の映画)

2.9

仁義なき“野球”の戦い。大好きな岡本喜八監督の中でも屈指の人気作ということで、満を持して鑑賞した本作!でしたが、喜八監督作品でここまで面白さが分からない作品があるのか、と自分でもビックリするくらい、全>>続きを読む

孤狼の血 LEVEL2(2021年製作の映画)

4.2

これはもう余計な理屈や解釈などいらない。凶悪な悪人たちを描かせたら今の邦画界で右に出る者はいないのでは?と思わずにはいられない白石監督の徹底したヤクザ描写と圧倒的演出力に、豪華個性派派俳優たちの極悪演>>続きを読む

戦場のピアニスト(2002年製作の映画)

4.2

こんな素晴らしい名作を「全然面白くない」と20年以上思っていた自分を問い詰めたい、と思うほど、魅力的なヒューマンドラマでした。ホロコースト物としては、「シンドラーのリスト」に引けを取らないスケール感、>>続きを読む

ロシュフォールの恋人たち(1966年製作の映画)

3.4

「シェルブールの雨傘」と同じ監督ジャック・ドゥミ×音楽ミシェル・ルグランの黄金コンビによるフレンチミュージカル。とにかくオシャレで、劇伴が全般的にジャズ系なのでジャズ好きとしてはたまりません。

先日
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エンドレス・ポエトリー(2016年製作の映画)

4.0

“違和感が魅力的”だと感じるのは人間の本能か。常識的で予測可能なことに人は安心感を覚えるけど、時にそれは面白味の欠如にもなりかねない。一方、少なくとも自分の常識や価値観では計り知れない予測不能なできご>>続きを読む

洲崎パラダイス 赤信号(1956年製作の映画)

3.9

「しとやかな獣」があまりにも面白すぎたので、同じく川島雄三監督の人気作をチョイス。しかもオープニングで気づいたのですが、この作品、助監督が今村昌平。今村昌平は川島雄三の一番弟子ということを初めて知りま>>続きを読む

博士と狂人(2018年製作の映画)

3.7

英語辞書の中でも最も権威ある辞書と言われるオックスフォード英語大辞典を編纂したジェームズ・マレー博士とイギリスの精神病院からその編纂に協力したアメリカ人殺人犯のウィリアム・マイナーの関わり合いと辞書編>>続きを読む

薬の神じゃない!(2018年製作の映画)

3.9

中国国内では1瓶80万円以上する白血病の治療に効く飲み薬と効能が同じ薬を、インドから密輸し違法販売した男の実話をもとにした話。

「ダラス・バイヤーズ・クラブ」にどこか似たような設定で(あちらも実話)
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ウィッカーマン(1973年製作の映画)

3.9

あの「ミッドサマー」の元ネタとも言われる、ある島のカルト宗教を題材にした本作。「ミッドサマー」にはかなり辛口レビューをしたくらい低評価をつけてしまったのですが、本作はかなり面白くて自分好みでした!>>続きを読む

茜色に焼かれる(2021年製作の映画)

3.4

非常に深い母と息子の絆を描いた号泣物の感動作にもなりそうな作品なのですが(予告からもそれを期待したのですが)、さすがにこれはやり過ぎ。リアリティを期待したいテーマと内容だけに、そのやり過ぎな内容がかえ>>続きを読む

息子の部屋(2001年製作の映画)

3.8

2001年のカンヌパルムドール受賞作。1時間半強の作品ですが、突然最愛の家族を失い残された人たちの心境をとても繊細かつ丁寧に描いた良作でした。

死別物としては王道でストレートな内容ですが、キューブラ
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甘い生活(1959年製作の映画)

3.5

久々のフェリーニ作品。そして、カンヌパルムドール受賞作。美しく煌びやかなローマの建物や街並みを背景に、記者である主人公マルチェロとモデルや女優、実業家など様々なセレブとの接点を通して描かれる欲に真っ直>>続きを読む

しとやかな獣(1962年製作の映画)

4.5

うわ~!なんじゃこりゃ~!噂に違わぬ面白さ!理性に訴える巧妙で分かりやすい脚本と感性を刺激する奇天烈でありながら日本的芸術性の強い演出。シュールなようでエンタメ的。非現実的なようで人間の底なしの欲望を>>続きを読む

シカゴ(2002年製作の映画)

3.2

【なぜか避けてきた超有名作を食らうVol.11】
もともとミュージカルが大の苦手だった私も、気づけばミュージカル克服どころか、最近はむしろ好きになり始めているのではないか!?と思えるようになり、ここの
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今度は愛妻家(2009年製作の映画)

3.5

前半、トヨエツ史上屈指のクズ男を演じてるな~、と思いましたがなるほどそういうことでしたか。正直、このテーマとしてはかなりベタベタな内容です。が、そもそもこのテーマに弱いので、やはり反射的に泣かされる場>>続きを読む

ハートストーン(2016年製作の映画)

3.9

こんなにも青臭く、繊細で、切なく、しかし美しい作品だとは!全く期待せず前情報無しで観始めたので、どんな作品かも分かっていませんでしたが、かなりの良作でした。

アイスランドの農村に住むソールとクリスチ
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二十四の瞳(1954年製作の映画)

4.4

太平洋戦争前から戦後の日本を小学校の先生として生きた一人の女性とその生徒たちとの長きにわたる絆を描いた骨太人間ドラマ。

有名な作品なので名前は聞いたことがありましたが、観るのは初めて。和風フラメンコ
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スモーク(1995年製作の映画)

3.8

20年以上前に観て、オムニバスがあまり得意でない私も「いい映画だ」という印象が強く残っていたオムニバス作品。なのですが、何しろどんな話だったか全く覚えていない(私、オムニバスだと話の内容をかなり忘れが>>続きを読む

ロスト・イン・トランスレーション(2003年製作の映画)

3.7

ソフィア・コッポラの視点から描かれる我らがTOKYOと日本人。新宿パーク・ハイアット・ホテルに泊まったアメリカ人映画俳優と偶然同時期に泊まっていた新婚女性の出会いとTOKYOでの数日間のラブストーリー>>続きを読む

プリズナーズ(2013年製作の映画)

3.7

鬼才ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督による少女失踪サスペンス。サンクスギビングデーのパーティー中に2家族の少女2人が突如いなくなるとこrから事件は始まる。ヴィルヌーヴのサスペンスとなると、あの「灼熱の魂」の想>>続きを読む