おとさんの映画レビュー・感想・評価

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マッドマックス:フュリオサ(2024年製作の映画)

4.2

映像作品として素晴らしかった。
前作のどんちゃん騒ぎとは違い、フュリオサの執念や生きている荒廃した世界を描くことに注力されているように感じ、こちらの方が好きだった。
ストーリーや描くものの違いもあれど
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マッドマックス 怒りのデス・ロード(2015年製作の映画)

4.0

バッグボーンも特に分からず、登場人物に感情移入させる気もなく、とにかく終始アクションを見せたく、そのために脚本を書いて映画を作っているような作品だった。

心に残るものも考察することもあまりないように
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碁盤斬り(2024年製作の映画)

4.2

かなり攻めてて面白かった。
時代劇はあまり見ないけれど、今とは違う文化ながらも各人物の演技は自然だったのではないかと思う。

温厚草彅剛は少し気持ち悪かったけれど、スイッチが入ってからはハマり役だった
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まともじゃないのは君も一緒(2020年製作の映画)

4.2

想像より面白くて驚いた。

主役二人の人間性が魅力に溢れていて、ずっと見ていたいと思った。
その魅力の源泉となるのが言葉遣いや立ち振る舞いだったりで、とにかく面白いという事に尽きる。

大野先生と秋本
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恋は雨上がりのように(2018年製作の映画)

4.8

このレビューはネタバレを含みます

本当に好きすぎて何度も見てしまう。

青春時代を過ごすあきら達の活力、情熱、不器用さ
年を重ねた店長の諦観、理想とかけ離れた自分、嫉妬
そして両者に共通する、「雨」の時期と雨上がり。
この映画には、実
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未来のミライ(2018年製作の映画)

4.0

後半に巻き返してくるけれど、それまでの内容が中弛みしすぎていて締まりのない映画になっているように思った。
飾り気のない、ありのままの家族の姿を映す事ことに意義があるという捉え方もあるとは思うし、ここは
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ボブ・マーリー:ONE LOVE(2024年製作の映画)

3.8

響かなかった…
この映画の始まりとして、もう既に売れているボブマーリーから始まったのが良くなかったのではないかと思う。

こういった映画は「目的」に対してどのような道をたどりどんな思いが込められている
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ミッシング(2024年製作の映画)

4.2

俳優の攻めた演技が「迫真の演技!」となりがちな風潮は正直好きではないのだけど、今作の石原さとみの演技はとても良かった。
演技力とはまた違うベクトルの、作品・役にどれだけ時間と身を費やしたかという非常に
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猫の恩返し(2002年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

そうだなあ、押し付けがましくなく、軽やかな作品。
その分重みとしては物足りないけれど、老若男女楽しめる娯楽アニメ映画として良作。

ハルが何に悩んでいるのか、そこは定かではない。
思春期に訪れる漠然と
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青春18×2 君へと続く道(2024年製作の映画)

4.5

ずっと待ち望んでいた本作。
しっかりと期待に応えてくれ、見終わった後に充足感に包まれた。

想像していたよりは、かなりシンプルな作品だった。
過去と現代の交差と、それぞれの時代の人物の顔つきの対比がと
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⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)

3.8

いたって普通で、特に感想も思い浮かばない…

作画が優れているわけでもなく、テーマとしては良いが、ただテーマと設定してそれに基づいてストーリーを練っていっているだけの印象で、全く強度を感じない。
世に
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悪は存在しない(2023年製作の映画)

4.0

あまり乗れなかったのが正直なところ。
単純に好みでは無かった。

ただ良いところはあって、濱口監督の作品に共通する押し付けのなさ、じりじりと忍び寄ってくる暗い何かの存在はやはり濱口作品だと思う。
意図
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辰巳(2023年製作の映画)

4.2

かなり良い。
役者陣の演技がとても良い。
辰巳を演じた遠藤雄弥が目のみで感情を表現してしまっているのが素晴らしかったし、その力強さや優しさ、悲しさの表現力の高さに驚いた。
劇中の序盤で「お前は優しい」
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ゆとりですがなにか インターナショナル(2023年製作の映画)

4.0

個人的に日本のコメディ代表作だと思っているゆとりで、懐かしくなって鑑賞。
ドラマを見ていたのは何年前かわからないほど昔に感じるけれど、この劇場版を見て数分で思い出し、ゆとりワールドに誘われていくそのス
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エルヴィス(2022年製作の映画)

5.0

どうしてもこういう映画はボヘミアンと比べてしまって、さすがに超えないだろうなーとわざと期待せずに見たけど、素晴らしかった。

劇的衝撃な展開とかは無いと言えば無い。
しかし良い意味でエルヴィスの心情に
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ティファニーで朝食を 4K(1961年製作の映画)

4.0

思ってた以上にゴリゴリのコメディだった。
映画に対しての感想っていうのは特別思いつかなくて、映画を見て感じたことを書いていこう。

まずは、オードリーヘップバーンの主役としての華がやはりすごい。
サブ
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E.T.(1982年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

記憶にないぐらい昔に見たのだけど、改めて見直してみた。

冒頭のシーンで、セリフを一切使わずに映像だけでこの映画の世界を説明しきっている点がまず素晴らしい。
未知の生命体である事、人間に追われる側の存
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プリシラ(2023年製作の映画)

4.0

ストーリーとしては特別面白くはなかったけれど、演出力、役者の演技力、構図や美術品のクオリティが高く、楽しめた。

ソフィアコッポラ監督の作品は構図や美術品の整理が上手く、それと時間の使い方が良くて邦画
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バットマン ビギンズ(2005年製作の映画)

4.0

先にダークナイトを見てしまったので鑑賞。
学んでおくかという心持ちで見始めたけれど、予想以上に面白くてあっという間に終わった。

ダークナイトを見た時にも思ったけれど、脚本の構成のまとまりが素晴らしい
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ダークナイト(2008年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

良作だった。
何も知らずに本作から見始めてしまったけれど、まさか2作目…

正義を信じるバットマンと、正義を捨てたジョーカー、そして正義を折られたデントの3人の関係性の構造が美しかった。
バットマンと
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マイ・ニューヨーク・ダイアリー(2020年製作の映画)

4.0

正直なところ特に変わったところもなく、普通に物語が進んで普通に終わっていき心に残るようなものもなかったけれど、不思議な魅力を感じた。
一言で言ってしまえばセンスが良かった。

美術面では、おしゃれすぎ
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オー!ファーザー(2013年製作の映画)

4.0

コメディだった。
昔のテレビドラマがこんな感じだった気がして、懐かしささえ覚えながら楽しく見てました。

特別面白くはなかったし見せ場というものもなかったけれど、気楽に見れる娯楽としては良かったと思う
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パンとバスと2度目のハツコイ(2017年製作の映画)

3.8

今泉監督の作品は好きなものが多いけれど、この映画は好きになれなかった。

空気感や表に出さないでいる感情を見ている側に感じさせる力が強い作品を作る監督だと思っているのだけど、セリフで全てを語り尽くして
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すばらしき世界(2021年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

描きたい事は分かりつつも、強度としては物足りなさを感じた。

三上を描く上で、序盤の導入で他者の説明によって三上の人物像を作り上げようとしている点があまり好きではなかったし、その説明によって三上が家庭
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パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

4.2

一般的な恋愛とは違ったノラとヘソンの関係を特別なものとし、二人だけの唯一の関係性を描こうとしている事が伝わってきたし、真新しさを感じた。

ノラ、ヘソン、アーサーは地に足のついた一般的な考え方をする人
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永い言い訳(2016年製作の映画)

4.5

ノンフィクションのようでありながら、かといってドキュメンタリーでもない。
フィクションの演技の心地よさと、ドキュメンタリーのリアリズムのぎりぎりの狭間が映し出されていた。
普通の日常とやり取り、ただ居
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.0

恥ずかしながら政治に疎い僕には頭を使う映画で、3時間というのもありなかなか疲れた。
その分濃かったと言える。

主演のキリアン・マーフィ演じるオッペンハイマーの存在感がとても印象的。
目での表現がとて
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グランド・ブダペスト・ホテル(2014年製作の映画)

4.0

ウェスアンダーソン監督は独特の作家性を持っているとずっと感じでいたけれど、今この映画を見て何が独特なのか、分かった気がした。

彼の作品は、リズム・テンポをとても大事にしている。
演技や喋り方、編集の
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四月になれば彼女は(2024年製作の映画)

4.2

あまり評判が良くなかったので躊躇したけれど劇場で見れてよかった。

物語の構成としては、うまくまとまって進んでいるように見えて実は相関性が薄く、雰囲気重視になっていたと思う。
3人の視点を行き来しなが
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青の帰り道(2018年製作の映画)

4.5

とてつもなく密度の濃い、完璧だったあの頃と現在進行形の自分を抱える7人の群像劇。

群像劇という名ばかりの主演数人のお話が多い中、誰が主演なのか分からないほどの人間性の濃さと厚みに圧倒された。
それは
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恋する惑星 4Kレストア版(1994年製作の映画)

3.8

何がしたい映画だったのかあまりよく分からなかった。

後半からの主人公となってくる女性の自分の意思を貫き続ける考え方と行動は面白くはあったけれど、それで何を表したいのかあまり理解できず…
よく分からな
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電車男(2005年製作の映画)

4.5

こんなまっすぐな映画が大好き。

自分に自信が持てなくて、勇気を持って行動してみてもやっぱり自信は持てなくて、でもなんとかやっていけるような気がするような。
電車男の人物像が全てにおいて好きすぎて、何
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あしたのジョー(2010年製作の映画)

4.2

やたらと評価が低いけれど、面白かった。

原作に忠実で、尺に合うように必要最低限に抑えて大幅にカットしたような印象。
重要なところはケチらずに時間を使っていたし、実写化として成功している部類に入ると思
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デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

5.0

映像作品のクオリティとして間違いなく世界トップだと思う。
映像の上質な色味や撮影はもちろん、特に音響面で衝撃を受けた。
音楽も音声も、とにかく厚い。
音の作り込みが半端ないです。
音質というより圧倒的
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川の底からこんにちは(2009年製作の映画)

4.2

直接的で映画的表現としては下品ではあったけれど、その分芯の強さを感じた。
垢抜けていないことを自覚しつつも、それを見れるものにしようとするのではなく、それはそれとして恥じることなく描ききるという信念の
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恋におちたシェイクスピア(1998年製作の映画)

4.2

良いストーリーでした。

「芝居が恋の真実を描けるか否か」という話があったが、この映画はまさにその命題に答えるべく作られたものであることが伝わってくる。

シェイクスピア、ヴァイオラを演じた主演二人の
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