映画における省略、編集と、絶対的な説明の不足。物語への疑義が生まれる。しかしそれが否定判断にはならずに、奇妙な無限判断へと落ち込んでいく。怪物と少女は殺されてなどいない。なぜなら、描かれている死は所詮>>続きを読む
『ゼロの執行人』で安室透が日本と恋人になっていて驚いたが、この映画では、ちょっとだけ出てくる赤井秀一(FBI)が安室との会話のなかで急に「在日米軍の役割」を持ち出しつつ、潜水艦をランチャーで攻撃してい>>続きを読む
映像編集による超常現象の(ものすごくチープな)表現にコクトー『オルフェ』を連想した。束の間のしょうもないマジックショーなのかもしれなくとも私たちはそれでも信じたいのだと言ったら、本作のストーリーに引き>>続きを読む
撮影?っていうんだろうか、光の加減が終始素晴らしかった。背景も描き込むところは描き込んである一方で、樹木などはけっこう粗いタッチで、飽きさせなかった。話は微妙だが……
DVDに付属していたドキュメンタリーの内容が興味深かった。スタッフたちはロケハンにて高知の街並みを写真で保存し、写実的なレイアウトを練っていったが、宮崎駿はそのやり方を批判したらしい。宮崎の並外れた風>>続きを読む
左のウインカーが壊れた車、左手を骨折した女友達。敗北の象徴か。繰り返される水のイメージ。カフェにいたサルトルを指さして、ただの大酒飲みだと笑うアレクサンドルとその友人。パリの青春すなわち五月革命は終わ>>続きを読む
大戦とダイレクトにつながっているごくごく個人的な感情の問題、つまり日本とかアメリカとか関係なくただ「逃げ出した」ことに由来する主人公の自己否定という問題、それを乗り越えるために利用される「ゴジラ」は日>>続きを読む
名無しの侍が拾い上げ、空に放った木の枝は、ある高さまで飛んでいくと、重力に従って落ちていく。静が動に転じ、再び静にもどること。酔狂とは何かという問いに貫かれている。
江ノ電やバスの音響へのこだわり。冒頭の卒業式はちょっと不安だったが、これだけでも映画館に来た価値があったと思わされた。不安を煽るシーンでは雨にかき消されたり、演出的に無音になっていた。
藤沢周辺と対比>>続きを読む
「名作の予感」はつねに漂っているものの、諸々のテーマが回収されることなく、最後には人類への献身と恋愛というとても陳腐なドラマにまとまってしまっている感じだった。