蛸さんの映画レビュー・感想・評価 - 15ページ目

シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ(2016年製作の映画)

4.2

個人的に、仲間割れが展開上のクライマックスに据えられている物語が好きだ。何かがキッカケで今までは仲間だったそれぞれのキャラクターの信念とその違いが浮き彫りになり、衝突する。『シビルウォー』では両陣営の>>続きを読む

アイアムアヒーロー(2015年製作の映画)

4.4

邦画特有の嫌な部分(臭い演技、説明台詞など)は置いといてめちゃくちゃに面白い映画。
まず日常が徐々にゾンビによって浸食されていく冒頭部の完成度が凄まじい。街中でのロケに大規模なエキストラや大胆な長回し
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バルカン超特急(1938年製作の映画)

4.4

登場人物が列車に搭乗する前の冒頭20分の時点までは物語はホテル内で進行する。この時点では映画はいわゆる「グランドホテル方式」のような群像劇の様相を呈している。主要な登場人物のキャラクターを紹介し、後に>>続きを読む

バック・トゥ・ザ・フューチャーPART3(1990年製作の映画)

4.1

3作目で尚且つシリーズ最終作ということでこれまでのシリーズの展開と絡めたシーンが多くサービス精神旺盛な印象が強い。
マーティは3作目にしてやっと自分の欠点を克服する。そして自己の欠点の克服がそのまま映
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殺しが静かにやって来る(1968年製作の映画)

4.2

マカロニ特有の(というかイタリア映画の特徴なのかもしれない)過剰な生のエネルギーを感じさせる泥臭い演出も、即物的な殺し合いも、舞台である雪原やモリコーネのスコアの前では全てが美しい営みとして帰結してし>>続きを読む

群盗(2014年製作の映画)

4.2

『怒りの荒野』のメインテーマに乗せて主人公が『続荒野の用心棒』よろしくガトリングガンをぶっ放す映画。当然素晴らしい出来栄え。
現代韓国映画に蘇るマカロニの血統。アクションシーンの切れ味は流石。チームも
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怒りの荒野(1967年製作の映画)

4.7

『スターウォーズ』で例えるならば、これはオビワンではなくダースベイダーに師事してしまったルークの物語だ。青年は一度は間違った道を歩むことになるが、己の間違いに気付いた時ヒーローと化す。この映画の展開は>>続きを読む

キング・コング(1933年製作の映画)

4.3

冒頭でデナム監督は映画には美女が必要だと述べている。作中でコングに追い求められるヒロインもまたコングと同じく見世物性を有した存在なのだ。ヒロインは女優であるので当然、カメラの前で演技を行うわけだが、コ>>続きを読む

Kids Return キッズ・リターン(1996年製作の映画)

4.6

個人的に北野武の最高傑作。
青春のやるせなさをここまで上手く表現した映画が他にあるのか。十代のまだ何者でもない不安感と、若さ故の疾走感が高いレベルで同居している。自転車の二人乗りのシーンは淀川長治も言
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バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生(2016年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

とても大味な映画。
意味があるのかわからない回想や夢のシークエンス、「これアメコミマニア以外喜ぶのか?」って感じの目配せ、初心者に全然優しくない構成etc…難点は多い。『マンオブスティール』で犠牲者が
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バック・トゥ・ザ・フューチャー(1985年製作の映画)

4.3

今となっては映画の研究書とかにもフツーに取り上げられるくらいの作品、を今更見た。
オープニングからとにかく無駄がない。テンポが良い。エンタメ映画として必要なものを全て内包している。
過去で皿洗いをして
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トレインスポッティング(1996年製作の映画)

4.3

久しぶりに見ても面白かった。中高生の時分に見るべし。
サントラ買って原作読んでTシャツ着て…というハマり方を誰もがしたであろう作品だ。
青春期特有の足元のおぼつかなさがドラッグによって加速されている。
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天才スピヴェット(2013年製作の映画)

4.1

ティム・バートンやウェス・アンダーソンの映画のように宝石箱のようなワクワクするヴィジュアル&サウンドデザイン。良い意味で「作り物」的雰囲気の世界観は手にとって細部まで愛でたくなるような魅力に満ちている>>続きを読む

ぐるりのこと。(2008年製作の映画)

4.0

所謂「ありふれた日常の中の幸せ」系の映画かと思いきや、それだけでは終わらない点も多々あり。各章?の冒頭での裁判のシーンとその時々の主人公たちの状況とは何か関わりがあるのかとか、食べ物が随所で象徴的に使>>続きを読む

エスケープ・フロム・L.A.(1996年製作の映画)

4.4

基本的には前作『ニューヨーク1997』とやってることは同じだが正直前作よりも脚本は粗めで、良い意味でこちらのほうがB級感が強い。
閉鎖され無法地帯と化したLAにタイムリミット付きで単独潜入、道中スネー
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ヘイトフル・エイト(2015年製作の映画)

4.3

まずオープニング、モリコーネのメインテーマとタイトルロゴでアがる。「他人の音楽で自分の映画を台無しにされたくない」と言って、既存曲しか使わない、いつまで経ってもアマチュアリズムを捨てない流石のタランテ>>続きを読む

トロン:レガシー(2010年製作の映画)

3.4

前半の主人公が電脳世界に連れてこられてわけも分からずゲームに参加させられて〜ってとこはめちゃくちゃ面白い。けど後半はありきたりな展開で失速気味。
前半部分は前作のなぞり直しのような展開なので、正直過去
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トロン(1982年製作の映画)

4.0

後の視覚媒体に与えた影響を鑑みれば『メトロポリス』や『ブレードランナー』などに比類する作品…のはずなのだがどうもこれらの作品に比べて評判が芳しくない…もしかして単純に面白くないのか?と思って見てみると>>続きを読む

大魔神(1966年製作の映画)

4.0

時代劇×特撮って斬新な組み合わせのように思えるけど、当時からそうだったのかな?1966年制作だけど映像は古びてない。
「悪いことしたら大魔神がやってくるよー」っていうくらいの話なんだけど安心して見られ
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サボタージュ(2014年製作の映画)

4.1

安心と信頼のデヴィッド・エアー監督作品。元が3時間近かったのを会社の意向とかで無理して短くカットしちゃったから、まあー全体的に脇が甘い感じはある(実際に起きてもないことを普通に何の説明もなしに映像で見>>続きを読む

ソイレント・グリーン(1973年製作の映画)

3.9

よくある「刑事が殺人事件を追っていたら、その裏にある大きな陰謀に巻き込まれた」型映画のディストピア版。
それを知ってしまったら自ら死を選ぶレベルの、ある衝撃的な事実がラストに明かされるのだが、その事実
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マン・オブ・スティール(2013年製作の映画)

3.3

この映画からは、普通の映画一本分で得られるはずの満足感の6割ほどしか得ることが出来ない。もっともザック・スナイダーの映画はいつもそうだが…
ヒーローの相対化という試みはよっぽど徹底的にやらないと陳腐な
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オデッセイ(2015年製作の映画)

4.0

とにかく出てくる奴らがスターウォーズのポー・ダメロンのように気持ちが良い人たちばかりの映画だった。エモい要素なんて皆無なところが素晴らしい。

最初はこの映画を『ロビンソンクルーソー』に始まる無人島モ
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フリークス(怪物團/神の子ら)(1932年製作の映画)

3.9

映画史を紐解けば奇形映画の歴史というものを描き出すことができるかもしれない。そこにはリンチやホドロフスキーが名前を連ねるだろう。最近の映画では『マッドマックス 怒りのデスロード』もこの枠組みに入れて考>>続きを読む

飛びだす 悪魔のいけにえ レザーフェイス一家の逆襲(2013年製作の映画)

4.1

シリーズは1作目と2作目のみ鑑賞。1作目の直後から始まるストーリーだったのでスムーズに見られた。
スラッシャー映画の悪役は、その性格を突き詰めていくと超越的な存在になってしまってヒーローと大差なくなっ
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リオ・ブラボー(1959年製作の映画)

4.2

初ホークス。
タイムリミットまでの悪党との攻防が主な筋としてあって、その途中途中に補助的なストーリーが展開されるという構成。
カーペンターの『要塞警察』に影響を与えたそうだが、こっちは割とのんびりして
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