NORAさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

NORA

NORA

映画(894)
ドラマ(0)
アニメ(0)

Winny(2023年製作の映画)

4.5

「良い包丁を作ったらそれが殺人に使われ、包丁を作った人間が逮捕される」という、理不尽きわまりない事件の映画化。7年にわたる一連の騒動により、日本のIT技術は決定的な打撃を被ったとも言われている。
吉岡
>>続きを読む

FALL/フォール(2022年製作の映画)

4.5

地上600メートルの百合。観ている間ずっと手汗ビショビショの足ガックガクで、良い意味でキツかったです(どちらかというと、序盤の2人ともイキってたパートのほうが恐怖感は上だったなぁ)。ガチ高所恐怖症の人>>続きを読む

ヒトラーのための虐殺会議(2022年製作の映画)

3.6

ヴァンゼー会議を描いた映画。いわゆる会議映画だが、なにせ議事録も残ってる史実なので、『12人の怒れる男』みたいな波乱の展開はなく、BGMも一切挿入されない実に淡々とした作品。ユダヤ人大虐殺という恐ろし>>続きを読む

BLUE GIANT(2023年製作の映画)

4.3

内容的には正直今年ベスト級なんですが、演奏シーンで頻繁に挿入されるモーションキャプチャーCGの出来があまりにアレなので大減点。とはいえ逆に言えば、アニメとして致命傷レベルの瑕疵を負いつつの世間の高評価>>続きを読む

さよならの朝に約束の花をかざろう(2018年製作の映画)

4.9

死と生をめぐるクロニクル。何百年も生きる種族と普通の人間との交流という、それ自体はありふれた設定を採用しながら、きわめて巧みな脚本、繊細で叙情性あふれる演出により、心揺さぶる物語を紡ぎ上げることに成功>>続きを読む

バビロン(2021年製作の映画)

3.9

きったねぇララランド。でもこっちのほうが好き。ていうか、ゲロシーンに力が入ってる映画って基本的に良い映画ですよね。3時間かける意味が果たしてあったのかはさておき、古き良きハリウッドの混沌、もとい”異形>>続きを読む

RRR(2022年製作の映画)

4.8

すた丼の上にすた丼を重ねたところ、すた丼以上の何かが生まれたという実例。話自体は古典的な勧善懲悪ものであり、全編にわたって王道ベッタベタな展開の連続なわけですが、それで3時間まったく退屈しないってのが>>続きを読む

戦場のメリークリスマス 4K 修復版(1983年製作の映画)

4.7

楽曲も相まって名作の誉れ高いが、実のところ結構ヘンな映画でもある。戦争映画なのに戦闘シーンが一切ないとか、主要登場人物にプロパーな役者がほとんど配置されていないとか、デヴィッド・ボウイの高校生コスプレ>>続きを読む

非常宣言(2020年製作の映画)

4.2

芯までしっかり味が染みてて面白い韓国産航空サスペンス。中盤の急降下パニックシーン(怖い!!!)、地上でのワンカットのカーチェイスなど、視覚的にフレッシュな場面も多く、見ごたえがある。この手の韓国映画に>>続きを読む

ソーシャル・ネットワーク(2010年製作の映画)

5.0

facebook(現Meta)創業者マーク・ザッカーバーグの伝記映画、という紹介は必ずしも適切ではない。というのも、制作サイドもザッカーバーグ本人も証言しているとおり、本作は史実をベースにしつつも、創>>続きを読む

アメリカン・ハッスル(2013年製作の映画)

2.0

実録犯罪もの。感想は『アムステルダム』と同じ。豪華俳優を贅沢に使った起伏のない物語がグダグダ続く。観終えて特に残るものも、語ることもない。えー、今後この監督の作品を観るのはやめようと思いました_(:3>>続きを読む

ジャックは一体何をした?(2017年製作の映画)

2.6

新年一発目がデヴィッド・リンチの短編ってお前。いやまぁ中身はいつものリンチなので相変わらずわけわかんないんですが、居酒屋リンチにしてみたら本作はお通しみたいなものなので、このシュールさ、噛み合わなさを>>続きを読む

ゆるキャン△(2022年製作の映画)

3.9

みんなちゃんと社会人やっててえらい。TV版同様、特にシリアスな展開があるわけではないほのぼの映画だが、誰も悪くないけどままならねえこともあるとか、それでも方法は見つかるもんだよとか、みんな誰かに助けら>>続きを読む

この子は邪悪(2022年製作の映画)

3.3

序盤から不穏な雰囲気全開で導入は上々。精神科が舞台かつ登場人物の何人かが明らかに精神を病んでいるってことで「ははーん、これはそういうタイプの映画っすね」と身構えるも、そんな予想をよそに物語はあれよあれ>>続きを読む

スクリーム(2022年製作の映画)

4.4

めちゃくちゃ手間暇かけて練られたであろう、12年ぶりのシリーズ5作目。定型の美徳を守りつつそれをいかに壊すか、観客の予想をいかに裏切るかに苦心してきた『スクリーム』シリーズ。名匠ウェス・クレイヴンの死>>続きを読む

ナイブズ・アウト:グラス・オニオン(2022年製作の映画)

4.5

前作に引き続き、リッチでゴージャスなミステリではあるんだが、なんだろうこのゆる〜い心地良さ。それでいて明快な謎解き、俳優陣の贅沢な使い方、ケレン味あふれるクライマックスなど、映画としての見所はちゃんと>>続きを読む

母性(2022年製作の映画)

4.0

同じく湊かなえ原作の『告白』を思わせる、いわゆる羅生門スタイルのダークサスペンスかと思いきや、少し変わった視点のホームドラマでした。悪意たっぷりの演出がなかなか冴えており、序盤の母親パートの会話シーン>>続きを読む

THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)

4.9

快感に満ち溢れた映画。その心地良さの源は、たとえばスポーツを観戦するときのあの興奮に近い。そういう意味では、本作は映画でもアニメでもないとすら言えるかもしれない。本作の魅力は、それらを超越した場所にあ>>続きを読む

ムーンフォール(2021年製作の映画)

1.9

なんかアマプラに雑な映画が転がってるなぁと思ったらまたお前かエメリッヒ。どエラいことが起きて人も死にまくるのに何一つ心に響かせない、キャラに感情移入させない、もはや眠気すら誘発させる作風は職人芸の域。>>続きを読む

truth 〜姦しき弔いの果て〜(2021年製作の映画)

2.5

『2LDK』の脚本家と監督がふたたびタッグを組んだミニマムな舞台劇。やりたいことは分かるけど、なんだこの大学生みたいな内容の無い会話は。テレビ的な演出もノイズでしかなく映画の格を落としている。もっとも>>続きを読む

ある男(2022年製作の映画)

4.1

石川監督らしいシャープな画作りと丁寧な人間観察が光る一作。日本映画離れした技巧は相変わらず見事の一言。決してドキュメンタリータッチではないにもかかわらず実在感のある演者の発話や呼吸は素晴らしいし、オー>>続きを読む

きさらぎ駅(2022年製作の映画)

3.7

ホラーに見せかけた異世界チート。ジャンクな客に向けたジャンクな映画であることは確かなのだが、濃い味付けで腹いっぱい食わせてやろうみたいな、東京チカラめし的潔さを感じる。低予算なりに堅実に作られた前半と>>続きを読む

ザ・メニュー(2022年製作の映画)

4.8

超高級レストランに行ったら酷い目に遭う話。マジでまったく先の読めない脚本で、サイコスリラーとしてクッソ面白かったです。終盤、もう面倒臭くなったのかツッコミ不在になったまま謎倫理による謎料理対決が始まる>>続きを読む

犯罪都市 THE ROUNDUP(2022年製作の映画)

4.6

マ・ドンソクが大暴れしてればとりあえず80点はカタいという一種困ったタイプのジャンル映画。とはいえ、とりわけ今回は総集編にして白眉といえる一作で、前作を軽く凌ぐ面白さ。あれこれ手を変え品を変えて観客を>>続きを読む

ペルシャン・レッスン 戦場の教室(2020年製作の映画)

4.8

自分はペルシャ人と嘘をついて虐殺を免れたユダヤ人の主人公は、勉強熱心なナチ将校を相手にデタラメなペルシャ語講義をする羽目に。シチュエーションは『笑の大学』を思い起こさせるが、コメディではなく重い雰囲気>>続きを読む

マイ・ブロークン・マリコ(2022年製作の映画)

3.8

死んだ親友の遺骨と旅するロードムービー。岡崎京子の『チワワちゃん』を思わせる設定だが、こちらは登場人物が絞られており、筋もシンプル。かなり原作に忠実な作りで、エモーショナルかつパンクな語り口が好ましい>>続きを読む

奈落のマイホーム(2020年製作の映画)

4.1

マンションごと地下500mの穴に落っこちちゃってさあ大変!シチュエーション、ギャグ、登場人物の顔芸含めやたら浦安鉄筋家族みがあり、実際意外なほどコメディ寄り。クライマックスにアレがデーン!!って登場す>>続きを読む

グラートベック人質事件:メディアが越えた一線(2022年製作の映画)

3.5

ドイツで起きた人質事件の顛末を時系列順に追うドキュメンタリー。ナレーションや関係者インタビューなどはなく、当時の映像のみで構成された淡白な作りだが、実際の事件現場の熱狂ぶりから距離を置くという意味では>>続きを読む

ドント・ウォーリー・ダーリン(2022年製作の映画)

3.4

完全に予想通り、しょーもないというか工夫の無いオチで逆にびっくりしましたが、役者の演技やセンスを感じさせる演出、ユニークな音響効果で映画としての品格は保たれているという感じ。単にそれらしいものを羅列し>>続きを読む

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)

4.3

ひと言で総括するなら「綺麗な白石晃士」。いや、ふざけてんじゃなくてマジで設定とかデザインとか世界観が完全に白石晃士。実写化するなら男のほうは宇野祥平でいいくらい(おい)。
それはともかく、『君の名は。
>>続きを読む

アムステルダム(2022年製作の映画)

1.8

いくら史実ベースつっても話の盛り上げ方下手すぎんか?超豪華キャスト使って平板なサスペンスと手垢のついたお説教して何がしたいん?こんだけ面白くなりそうな素材が揃ってんのに面白くならないのisなぜ?黒人差>>続きを読む

ヴィーガンズ・ハム(2021年製作の映画)

4.4

ヴィーガン殺して肉にして売ったらお店が大繁盛!という各方面から怒られが発生しそうなフランス産不謹慎映画。筒井康隆的な毒とスラップスティックな笑いが楽しい(「神戸ヴィーガン」というパワーワードをサラッと>>続きを読む

NOPE/ノープ(2022年製作の映画)

4.3

ギャハハハなんじゃこりゃ。面白いけど変な映画。怖がっていいんだか笑っていいんだかなシュールな絵面はシャマラン作品を髣髴とさせる。ジョーダン・ピールはちょっとアートっぽいアプローチを装いつつ下世話なブラ>>続きを読む

MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない(2022年製作の映画)

4.2

タイトルが出オチ。でもバカバカしくて良し。とあるオフィスの一室を舞台にしたタイムループもので、舞台劇のようなミニマムかつテンポの良い笑いが小気味良く繰り出される。全体を通じてコミカルな味付けではあるが>>続きを読む

ぼくらのよあけ(2022年製作の映画)

3.8

E.T.へのオマージュあふれるジュブナイルSF。2049年という時代設定が絶妙で、「ちょっと先の未来」ならではの各種ガジェットなど、なかなかワクワクさせてくれる世界観。AIという題材へのアプローチも興>>続きを読む

四畳半タイムマシンブルース(2022年製作の映画)

3.9

四畳半神話大系+サマータイムマシンブルースという組み合わせの企画勝ち。脚本の骨格は『サマー〜』をほぼ踏襲しつつ、『四畳半』の世界観とキャラクターをそのままぶち込み、最終的に「私」と明石さんの物語へとま>>続きを読む