なつかし二番館さんの映画レビュー・感想・評価

なつかし二番館

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ベン・ハー(1959年製作の映画)

3.1

この映画の意義
横長になった映画の画面を,遠景を広く写すことにでなく,上下のキレた窮屈なクローズアップとして使うことを実証した。
ガレー船の船内,馬車レースの迫力。
働き次第でローマ市民になれたローマ
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奇跡の丘(1964年製作の映画)

3.9

ピエル・パオロ・パゾリーニがマタイ伝を忠実に映像化したというのが無難な評だが,唯物論者のパゾリーニが忠実にということ自体が,当然の前提にある。この作品に出てくる人物は偶像ではなく,ある時代を本当に生き>>続きを読む

ハッピーニューイヤー(2021年製作の映画)

3.1

「ニューイヤー・ブルース」とほぼ同時期,同じテーマ。こちらは豪華出演者が多すぎて,話の筋がうまく入ってこない。映画向きの作りではない気がする。

そして、バトンは渡された(2021年製作の映画)

3.9

優しくてさみしがり屋の「みいちゃん」。義理の父親とのふたり暮らしで,いじめられっ子高校生の「優子さん」はいつも笑顔でごまかす。「水戸さん」は夢を持つサラリーマン。「森宮さん」は競争が嫌いなサラリーマン>>続きを読む

ラブ・レター(1998年製作の映画)

3.9

松竹が「鉄道員」の映画化権をとれなかったので,慌てて作った割によくできた,いかにも松竹的で浅田次郎そのものの浪花節。手紙の朗読と中井貴一の演技に依存しているので余りできは良くないが,25年前の状況を考>>続きを読む

オマージュ(2021年製作の映画)

3.6

ちょっとだけ玄人ねらいの映画か。少しツッコミどころはあるけど,そこを無視すると,こういうのは,私はいいですよ。
ただ,具体的行動のつながりが断片的関係にとどまる。復刻に取り組む昔の映画,音声がないのを
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いつかの君にもわかること(2020年製作の映画)

4.0

余命わずかなジョンが小さな息子マイケルのために養親を探す物語。彼自身親の記憶はあまりなく,ただいい養親を見つけることが大事だと思っていたが,実は一番大事なことはマイケルを理解し,彼が何を考えているかだ>>続きを読む

ロシアン・スナイパー(2015年製作の映画)

4.0

ウクライナ人でソ連軍に志願した女性兵士の物語。
アメリカで記者に詰問されて彼女が言う「私の体には数え切れない傷跡があります。女を前に立たせてあなたたち男は何をしているのですか」の台詞は,女性兵士達のお
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英雄の証明(2021年製作の映画)

3.7

現代のイラン。どこの国でも近代的な社会にありがちな話と,イスラム法,家父長制が絡み合って,ややこしいことになる物語。借金が払えなくて,刑務所に入っている主人公(公法と民法が未分離のイスラム法)。模範囚>>続きを読む

彼女が消えた浜辺(2009年製作の映画)

3.8

近代化された社会でありながら,不思議なところもあるイラン。これはカスピ海沿岸のリゾート地に来た複数の家族の物語。溺れる子供を助けようと,一緒に来た女性が遭難してしまう。警察の調査を受けて,実は彼女のこ>>続きを読む

声/姿なき犯罪者(2021年製作の映画)

3.7

ピョン・ヨハン目当て。韓国の特殊詐欺,やり口がすごい。

メイズ・ランナー(2013年製作の映画)

3.6

WOWOWで視聴。他でしてなさそうだったから見たけど,見終わったら,よくあるストーリーだったような。

ヒトラーのための虐殺会議(2022年製作の映画)

3.9

ナチが主な記録を燃やした中でほとんど唯一記録が残っているヴァンぜー会議。ドイツ人の手でドイツ語で,なるべく忠実に再現しようという意図が伝わる映画である。参加者間の微妙な対立と,その中でハイドリヒが主導>>続きを読む

あの頃、君を追いかけた(2018年製作の映画)

3.9

オリジナル(台湾映画)の野卑さがなくなり,青春への哀愁漂う作品になった。日本映画はまだまだ底力がある。主演の2人もいい。
ただ,数年間にわたり四季のある物語を夏のおそらく1週間あまりで撮影したのであろ
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ベネデッタ(2021年製作の映画)

3.7

まず中世カトリックの世俗化と腐敗。修道女希望者に持参金を要求する。
お金持ちだけが入れるところに,DVから逃れてきた羊飼いの娘が入り込んで話がややこしくなる。信仰がないから,欲求を制御する覚悟はない。
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オットーという男(2022年製作の映画)

4.0

題名を最初見たときは「オットーと呼ばれた男」の映画化かと思ったら,全然違って昨年できたばかりの新作。

最近近所の人同士が知らないていうのが,自分もその中になかなかはいていけないんだが,いけないなと思
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王の願い ハングルの始まり(2019年製作の映画)

3.8

昭憲王妃役で出演のチョン・ミソン氏の遺作。
世宗役が「王の運命」の英宗役の人と同じというのはわかったが,なんと,「タクシードライバー」のタクシードライバーもこの人だったのか。(演者の実際の俳優さんはま
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美しい都市(2004年製作の映画)

4.0

wowowでイラン映画を放送しているが,質の高いものが多いのに驚く。と思ったら,全部ファルハディ作品で,特集だった。

夕なぎ(1972年製作の映画)

3.3

配信が終わりそうなところで,当時ありがちなよく似た名前のフランス映画から一番評価が高かったのを選んで最後の最後でみた。
時代が変わったからなんだろうか。監督も斬新と言われ,俳優もいい人を使っているが,
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あと1センチの恋(2014年製作の映画)

3.5

この話って,イギリスが舞台というので成立してる面があるんじゃないかな。アメリカだと人種と格差固定化が絡み合って事情は複雑。
二人は田舎に住んでいて,近所で昔から知り合いで,奨学金を取って,ハーバードの
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夏物語(2006年製作の映画)

4.1

イ・ビョンホンが若い女の子といちゃつく映画と思いきや,予想外に深みのある良い映画だった。
よく低予算映画では時代を考えない今風衣装が使われるが,ちゃんと昔のシーンは昔らしさが出ていた。
半分くらいのと
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上意討ち 拝領妻始末(1967年製作の映画)

-

原作は読んでいたが,映画は見ないうちに見えなくなった。
ただ映像化はこのあと何度かされている。
Abemaで2013年にリメイクされたのをしていたのを見た。見直すとほとんど忘れていた。
脚本は橋爪氏の
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光と影のバラード(1974年製作の映画)

3.8

ニキータ・ミハルコフの長編デビュー作。で,私的にはミハルコフはこれが最高でこの後はだめだな,という感じ。
この映画は背景を知っているとわかりやすいと思う。
制作当時のソ連の若者に,スターリン時代を青年
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林檎とポラロイド(2020年製作の映画)

3.0

記憶喪失者のための病院外でミッションをこなしながら,新しい人生をはじめさせようというプログラム。ずいぶん社会的コストがかかるはずで,いくら潜在的にはまだまだ働けるかもしれない人のためとはいえ,こういう>>続きを読む

親愛なる同志たちへ(2020年製作の映画)

4.2

「アンドレイ・ルブリョフ」「暴走機関車」のコンチャロフスキー。老いてもなお死せず,を見せた作。
最初に見た紹介からは,戦時にはもてはやされた従軍女性が戦後は白い眼で見られ,という話かと思いきや,その経
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ハッピーエンドが書けるまで(2012年製作の映画)

3.4

カバー画から,結構軽薄なお姉さんがいろいろあってめでたしめでたしのコメディーを予想していたが,意外に良い映画だった。ハッピーエンドというのは比喩でなく,作家家族と関係する人たちが主人公集団を作っている>>続きを読む

ある愛の詩(1970年製作の映画)

3.3

やっと古典を見たという感じ。
love means never having to say you're sorry.
ていってるのを
愛とは決して後悔しないこと
て,映画公開当時も今も言ってるけど,
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こんにちは、私のお母さん(2021年製作の映画)

4.1

こういう良い映画をたまに中国は作る。
wowowオンデマンドのカバー写真が良い感じだったので,新規配信の時から見たかったけど,時間に追われ,期限まで残り1週間で最優先で見た。
途中から泣くのを我慢しき
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見えない目撃者(2015年製作の映画)

3.8

本作->日本版->韓国版「ブラインド」->本作2回目の順で視聴。最初見たときはド迫力だったが,他のが刺激強すぎて,見直してみるとまともだったと気づく。

オリジナル韓国版の監督が中国で作ったということ
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未完の対局(1982年製作の映画)

3.5

大学生の時映画館で見た懐かしの作品がWOWOWオンデマンドで見れた。
当時は噂の(名前しか知らなかった)紺野美沙子,伊藤つかさ,てこんな感じか,とか,阿明役の若い人はいまいちだけど,中国のベテラン俳優
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U・ボート オペレーション・シーウルフ(2022年製作の映画)

1.5

最初で放棄。
潜行発射時は商船にラミングされない深度まで潜っている。
(あんなにメインタンク破損したらそのままおだぶつぽいが)大西洋で潜行時に潜水艦が沈むときは全員死亡。艦長はとにかく乗組員総動員して
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ミス・マルクス(2020年製作の映画)

3.5

内容は他のレビュー通りで,マルクスの末娘エリノアに,社会主義者の理解者・後継者の面と,フェミニズムの活動家の両面があったことを伝えるもので,またより個人的な面を描いている。

タイトル写真は,このサイ
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パンとバスと2度目のハツコイ(2017年製作の映画)

3.5

その魅力の本質を知ってしまっても,憧れ続けるのができるのであれば。

日本映画は今も,映像もいいし,演出,俳優さんの演技も文句ない。しかし全体になると,(例外的秀作でない限り)この物足りない感じはなん
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星空(2011年製作の映画)

3.7

中学生の家出は大林宣彦の「転校生」ぽい。
母子家庭で暴力夫が追いかけてきたから引っ越すて,韓国ものにあったシチュエーションだが題名思い出せない。