にゃーめんさんの映画レビュー・感想・評価

にゃーめん

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ミッシング(2024年製作の映画)

3.8

人間のもつ"悪意"を露悪的にこれでもかと描かせたら右に出る監督はいないのでは?と個人的に思っている吉田恵輔監督の最新作は、またもや胸糞な人間の悪意全開フルスロットルな作品で大変見応えがあった。

主演
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べイビーわるきゅーれ(2021年製作の映画)

3.7

劇場公開時に話題になりつつもスルーしていたため、今回テレ東でのドラマ化決定の一報を受け急遽鑑賞。

Z世代のどこにでもいそうなゆる〜いギャル2組が実は殺し屋という設定のギャップが面白い。

殺し屋をや
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猿の惑星/キングダム(2024年製作の映画)

3.5

「見えないモノを見ようとして
望遠鏡を覗き込んだ〜」

日本のロックバンド、バンプオブチキンの『天体観測』の歌詞をふと思い出したシーンがあり、とても印象的だった。

望遠鏡のシーンは2回出てくるが、こ
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悪は存在しない(2023年製作の映画)

3.8

「自然のサイクルのなかに”悪”は存在しない」
という濱口監督の考えに基づいて命名された本作は、元々『ドライブ・マイ・カー』(2021)の音楽を担当した石橋英子さんのライブパフォーマンス用のサイレント映
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異人たち(2023年製作の映画)

3.5

故山田太一原作の『異人たちとの夏』に脚色を加え、再映画化した本作は、社会生活で生きた人間と多少関わりがあっても「孤独」を感じた事がある人は、もれなくブッ刺さる内容に仕上がっていた。

40代ともなると
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異人たちとの夏(1988年製作の映画)

3.5

アンドリュー・ヘイ監督の「異人たち」が公開したので、予習として大林宣彦監督版「異人たちとの夏」(1988)を鑑賞。

主人公の原田(風間杜夫、若い!)は、40歳で結婚・離婚を経て中年に差し掛かり、人生
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ブルックリンでオペラを(2023年製作の映画)

3.0

アン・ハサウェイ×ピーター・ディンクレイジという異色の組み合わせに惹かれて鑑賞。

「ブルックリン」と名のつく映画では、推し俳優のシアーシャ・ローナン「ブルックリン」(2016)が好きな映画の1つで、
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女王陛下のお気に入り(2018年製作の映画)

3.8

「哀れなるものたち」でエマ・ストーンがアカデミー主演女優賞を受賞できたのも、本作「女王陛下のお気に入り」での活躍があってこそと改めて思い知った本作。

女性3人の愛憎入り乱れる関係性は、北野武監督の「
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パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

3.0

シネフィルの男性からの評価が妙に高い本作。

結論から言うと、私的にはコレじゃない感を抱えたままエンドロールを迎えた。

A24製作の大人のラブストーリーということと、アカデミー賞作品賞・脚本賞ノミネ
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.2

「我は死なり、世界の破壊者なり」

原爆の父、物理学者のオッペンハイマー博士の半生を描くことを、これまで数々の作品でキャリアを積んできたクリストファー・ノーラン監督が「今、このタイミングで」選んだとい
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デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章(2024年製作の映画)

3.6

この作品を観て思い出したのは、9.11の同時多発テロが起きた時の事だ。
当時私は門出やおんたんと同じ、リアルJKで、当時の担任が9.11の翌日に「世界のどこかで何か大きな事件や事故が起きても、あなた達
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デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

4.5

映画を映画館で観ることそのものの幸せを噛み締めるような1本。
全編IMAX撮影されたと言う事で、IMAXレーザー・先行上映で鑑賞。

鑑賞後、体中の穴という穴が砂まみれでジャリジャリになったかのような
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ARGYLLE/アーガイル(2024年製作の映画)

3.8

完全にポスター詐欺案件映画で、鑑賞後ポスターを見返して、こんなにも「全然違うじゃん!」となる映画は久しぶり。

実際は、角刈りのヘンリー・カヴィルが画面に映る度に笑ってしまうヘンテコスパイ映画(相棒は
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落下の解剖学(2023年製作の映画)

3.0

「倦怠期夫婦もの」×法廷ミステリーという取り合わせは新鮮だったものの、仲違いをしている夫婦に挟まれる子供と犬が不憫すぎて、そっちに気持ちが引きずられてしまい、イマイチこの作品という船からの景色に魅力を>>続きを読む

ボーはおそれている(2023年製作の映画)

3.5

「実家に帰省する」この言葉に、ワクワクする側と、ゲンナリする側、どちらによるのかでこの作品への理解度が変わると思う。

私はゲンナリする側。

ボウほど酷くはないけれど、毒母に人生を抑圧された幼少期〜
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夜明けのすべて(2024年製作の映画)

4.0

「夜明け前が一番暗い」

コロナ禍明けのタイミングで公開される映画の特徴として、「優しさ」「癒し」「心あたたまる」というキーワードを連想させるような作品が目立つ印象だが、本作もそのキーワードに合致する
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カラーパープル(2023年製作の映画)

3.9

「女性で、黒人で、貧しくて、下働きの私でも、生きている!」

スピルバーグ版は未見。
1900年代初頭に黒人として生まれた女性の一代記。

父親から虐待を受け、望まない妊娠で産んだ子供は取り上げられ、
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ダム・マネー ウォール街を狙え!(2023年製作の映画)

3.5

原題:Dumb Money=愚かな投資

コロナ禍真っ只中の2020年、ネット掲示板で、ゲームソフト小売り大手ゲームストップ株($GME)の買い煽りをした、"ローリング・キティ"こと、キース・ギル氏の
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コット、はじまりの夏(2022年製作の映画)

3.8

「女性が全速力で走る映画にハズレなし」

1男5女の大家族の中で"変な子"扱いされている、はぐれもののコットが、母方の親戚の家に夏休みの間だけ預けられる話。

大家族ものを扱ったTVのバラエティ番組を
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ゴールデンカムイ(2024年製作の映画)

3.8

漫画の実写化の成功例と胸を張って言っていいクオリティ。

原作の漫画がすでに完成していて話の筋に関しては、面白さが保証されている場合、実写化に求められるものは、「リアリティ」これに尽きるが、本作の場合
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.0

「私は自分の新しい人生とクリトリスを守る」

主演のエマ・ストーンが製作に入り、文字通り"丸裸"になり、作品に献身したからこそ産まれた傑作。

主人公のベラが5人の男達との関わりを経て、精神的に成熟し
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アクアマン/失われた王国(2023年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

今の時代、スーパーヒーローは地球を救うのはもちろんで、その上育児・子育てもしっかりしないと評価されない時代になってきたのだと「アクアマン」で実感することになろうとは。

MCUでは「ソー ラブ&サンダ
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ファースト・カウ(2019年製作の映画)

3.8

西部開拓時代のアメリカで、タピオカ屋ならぬ「揚げドーナツ屋」で一旗あげようとしたデコボコ男性コンビ2人の悲喜劇。

現実世界で人が理不尽に死にすぎていると、暴力的な映画より牧歌的で、ゆったりと進行して
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もっと遠くへ行こう。(2023年製作の映画)

3.3

星新一のショートショートとか、「世にも奇妙な物語」方面のヘンな話が好きな人におすすめの近未来SF。

「aftersun」でポール・メスカルに心射抜かれ、シアーシャ・ローナンの名前があればどんな駄作で
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枯れ葉(2023年製作の映画)

3.5

アキ・カウリスマキ監督作は初見。シネフィルの方々が2023年の映画ベスト10に入れていたので、気になり年初1本目の作品として鑑賞。

フィンランドの労働者階級の男女2人の出会いを描いた、とにかくシンプ
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窓ぎわのトットちゃん(2023年製作の映画)

4.1

「トットちゃんは、ほんとうは、良い子なんだよ」

劇場予告では何度も目にしていたのに、小学生の女の子が成人女性のようなアイメイクやチークをしているようなキャラクターデザインが受け付けなく、完全にスルー
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Saltburn(2023年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

全編に渡ってバリー・コーガン100%を味わい尽くすような作品。

全世界のバリー・コーガンファンはスタオベするような作品(だよね?)

キャンパスライフを謳歌する甘酸っぱい学生同士のブロマンスを感じさ
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

変わり映えのしないルーティーンを毎日健康に過ごせること、仕事の合間に"木漏れ日"を見上げて微笑むことができる心の余裕を持つこと、それすらできなくなった側からみたら、今作はとてもとても贅沢で豊かで、恵ま>>続きを読む

⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)

4.0

「全部を見ようとするより世界は半分隠して見る程度がちょうどいい」

Xで話題になっていたので、鑑賞。

「ゲゲゲの鬼太郎」自体には特に思い入れがないが、学生の頃、京極夏彦の妖怪シリーズにどっぷり浸かっ
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ナポレオン(2023年製作の映画)

3.8

「新解釈・ナポレオン」

ナポレオンというと、世界史を専攻していなくても、"勇敢"、"英雄"などの言葉がイメージとして思い浮かぶが、リドリー・スコット監督の描いたナポレオンは、どうもそういったメジャー
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(2023年製作の映画)

3.7

北野武の新作、戦国コント「首」

日本を代表する映画監督としての北野武のというより、芸人のビートたけしとしてのなじみの方がある世代のため、今作は、大層金のかかった贅沢なコント作品を観ているのだと、鑑賞
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パディントン 2(2017年製作の映画)

3.7

日本では殺人グマが大暴れする中、イギリス・ロンドンでは、礼儀正しく誰にでも心優しいクマのパディントンが市井の人々を笑顔にしていた。

ポール・キング監督の新作「ウォンカとチョコレート工場の始まり」公開
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ゴーストワールド(2001年製作の映画)

3.8

「勤労感謝の日」に、「労働はクソ」と吐き捨て、大人と子供の狭間で葛藤するプータロー女子が主人公の映画を観るなど。

観ている間、公開当時(2001年)主人公達と同年代で、映画好きの友達が、スティーブ・
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ザ・クリエイター/創造者(2023年製作の映画)

3.4

「AIロボットと人間は共存できるのか」

SF映画で散々擦られたテーマが、いよいよ現実になってきた昨今、より切実な気持ちになって鑑賞している自分に気付いた。

ベトナム戦争を彷彿とさせる舞台設定なので
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正欲(2023年製作の映画)

4.0

「食欲、性欲、睡眠欲」は、人間の3大欲求で、生きていく上で重要な3つの欲求の総称。

これらは人間なら当たり前に感じる欲求で、誰もこれらの欲求を求める事を否定しないし、あって当然の欲求=正欲である。
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