冒頭が強い。
水中の使い方もうまい。
土埃、爆発、血肉の塊と化した人間。
本当に死者が出ていなければ成り立たないのではないかと見紛う、それぞれの“飛沫”。
瞬きの間に、人が人形のように死んでいる。>>続きを読む
目に楽しく、心に優しい
王道のロマンスでありながら新しい観賞後感。
主題歌も心地よく、久々に真っ直ぐな気持ちで見れた。割りと客席も埋まっていたし、それも嬉しい材料だ。PIXAR再興を予感させる新鮮さと>>続きを読む
全部見直したいなーと思える
作品群の豊富さに改めて驚きつつ、
強き女性像の発端が垣間見えるような
撮影の裏側も伺えるなかなかマル得な一本。
負の側面については
十分な時間を使って赤裸々説明しているよ>>続きを読む
えげつないくらいレベルの低いギャグで
何回か笑っちゃったなあ。
何個かは相当酷かったが。
でもまあ泣いちゃったし、
同性同士のそれぞれへの性愛には触れず
親愛を描く。
同年代の子から、それを指摘され
何となく適度な距離を保ちたいレオと
今まで通りでいたいレミ。
二人の距離は離れたり戻ったりするが
その間も恋愛感情に>>続きを読む
これはこれは…。
配信で見たこちらも悪いが…。
おおよそ否定的な意見に納得の
徹底的にダルい2時間である。
テレビ画面ゆえ殊更それを感じるのだろうが
これをスクリーンで見たとして、
落ち込まない自信>>続きを読む
分からないことは分からないと言っていいし、
それでも何か魅力ある画風と
メタファーに傾きすぎて
引っ張られる物語のカオスに感動する。
画が先に生まれて物語が後からついてくるという
独自固有の映画作りが>>続きを読む
163分か…。
言われてみれば長いなあ、くらいの印象。
あっという間と言うわけではないけれど
手に汗握るアクションは
ワイスピ界隈のソレとは格が違う。
全世界を巻き込むサスペンスだが
やってることは>>続きを読む
抑圧と自由の攻めぎあい。
最高のオープニングが
最高のエンディングへと橋渡しする
極上の音楽映画。
時代こそ古けれど
確かにあった青春の軌跡を
いつでも奮い起こさせることができる
熱き血潮のメロドラマ>>続きを読む
強い自立的な女性を描いているようで
端々に従属的な印象を抱かせる
ほんの僅かな関係性の歪みがあるように思えてしまう。
時代かな?
サイモンキンバーグは『355』でもウーマンエンパワーメントにクローズ>>続きを読む
ザ群像劇。
主人公は狂言語りの役割にすぎず、
陥れられた苛酷な惨状に躍り踊らされる
学生たちを描く。
主役は子どもたちだが
大人視点を失わさせない
キタノの存在がくっきりと色濃く残り続ける。
老いへの恐怖は
「生」への憧れであり
すなわちそれは
「性」への渇望と遺恨になりうる。
直接描かれている面積は
極めて少ないものの
不快指数が高いのは
偏に我々の想像力が働いてしまうからである。>>続きを読む
ブラムハウスの最新作。
100分程度に収めたテンポ感は圧巻の一言。
ホラー映画あるあるを
すべてAIのせいにし、
逆に違和感を払拭した。
(突如鳴るメロディはAIによる作動、
水でショートすると、電灯>>続きを読む
シンメトリーで鮮やかな世界は
想像よりも苛酷で嗜虐的だ。
単純明快なストーリーだが
唯一、バシットバットのルールには
頭を抱えて目がぐるぐる。
心を落ち着かせるにはヨガがいいだろう。
閉店後のスー>>続きを読む
ヨーロッパ企画発の
ハートフルコメディ。
演劇の枠組みに留まる
誇大な演技や台詞、説明過多な描写に
疲れてしまう人も一定数いるだろうが
とにかく笑えて温まるハートウォーミングな世界観。
“このまま、>>続きを読む
マイクミルズでしか獲られない
日常の栄養素がある。
大人と子どもを描きつつ
親子の型にははまらない
友情に近いような関係性をさらけ出す。
クライムサスペンスであり
バイオレンスアクションでもあり
韓国ノワールでもある
いいとこ取り映画。
ジェームズワンぽいカメラワークが見れるのは貴重。
アクションシーンは決して多くはなく
やや物足りな>>続きを読む
ヒトラーが帰ってきた。
ドキュメンタリーシーンを見る限り
ドイツ国内でも
ヒトラーの物真似に対する意見が様々に分かれている。
笑いのネタとして消費する者もいれば
過去の過ちとして怒りを表明する者もいる>>続きを読む
最近スコセッシが好きになってきた。
60、70年代のマチズモなマフィアの
特殊な人間関係と絆の結び付きは格別な嗜好品として
定期的に摂取したい味わい深さがある。
ジョーペシのおしゃべりクソ野郎役には>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
今年のワクワク映画はもう終わりか…?
散々言及され尽くした
コロナ禍以降のマルチバースブームも
今月の超大作丸被り事変で一段落。
アクションばっちり、
見たいものの要点はすべて押さえつつ、
マルチバー>>続きを読む
赤が印象的なホラー映画の金字塔。
シシースペイセクが
敬虔だがミステリアスな美女を巧みに演じる。
パッと見が陰険で化粧っ気もなく
家柄も怪しく、無知
疎外される要素を多面的に扱いながら
学園ものに不>>続きを読む
1つ1つのシーンがこびりつく
屈指のアトラクションムービー。
当時の特撮とはいえ、
こんなことが果たして本当に出来たのか?
と猜疑するハイレベルなアクション。
エンターテイメントを濾過し尽くした結晶>>続きを読む
これくらいのアニメーションではもう驚かないが
格段に見易い整然とした画とテンポがよい。
子供だましではあるが騙されてみるのも悪くない。
このレビューはネタバレを含みます
CGアニメーションが限界突破。
前作のカオスクオリティを
誰も越えられていないのに
本作がそれを凌駕してくるとんでもない寡占状態。
140分ギチギチにテクニックを詰め込んだ挙げ句
遂には実写を飲み込>>続きを読む
韓国アクションお得意の
科学考察ぶち抜き全無視映画。
これを面白くできるのがすごい。
骨を切らせて肉を断つ。
悪役はまさかの数分でフェードアウト。
主人公以外のストーリーを描かず
枝分かれのないスッキ>>続きを読む
ヨルゴスランティモスによる狂喜の演舞。
終末世界を舞台に
豪華絢爛な役者陣がクスリとも笑わず
生真面目に不真面目を踊り通す。
れっきとしたコメディであり
歪なアニマルホラーでもある
外連味たっぷりな>>続きを読む
奇想天外摩訶不思議
ホドロフスキーの無限の夢想世界に
ベットした人々の回顧録。
SF映画の道筋を確実に変えた
幻の作品『ホドロフスキーのDUNE』。
たとえその夢が叶わなくとも
培われた財産が
後世>>続きを読む
完全版170分
勿体ぶった惹句と独特な語り口で
あれよあれよと引き込まれる回想録。
不可思議だが魅力的な1900とともに
波乱の20世紀を渡航する。
既に世界一の国となった自由の象徴・アメリカを目指>>続きを読む
不穏不快の局地。
スケアジャンプのない
ひたすら地続きの闇に引きずり込まれる。
ご丁寧に脳裏に刻み込まれた
サブリミナル映像が甦るたび
胃液が上がるような不快感に襲われる。
羅生門形式に紡ぐ加害性の物語。
社会において誰もが加害者足り得るという
当たり前のことを
さらに細部まで覗き込んだ先を
私たちは見逃していないだろうか。
見て見ぬふりをしていないだろうか。
突きつけら>>続きを読む
スウェーデンモデルにおけるセックスワーカーの扱いについて勉強。
性風俗が規制される(買い手が犯罪者とされる)ことによって
一般的な客層の減少→リスクを背負ってもよいと考える少数の危険な買い手だけが残>>続きを読む