ブラウンソースハンバーグ師匠さんの映画レビュー・感想・評価

ブラウンソースハンバーグ師匠

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天国の日々(1978年製作の映画)

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この監督を引き合いに出して「昔はよかった……」という知り合いが多かったので、過去作を鑑賞。有名俳優を起用するくせに、そのネームバリューを歯牙にも掛けず、むしろネイチャーにばかり目を向けている。それは最>>続きを読む

地獄の逃避行(1973年製作の映画)

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邦題を「地獄みたいな逃避行」という意味だと受け取っていたので、主人公が手汗まみれでハンドル握りしめながら「逮捕嫌ァァァァァ!!」と叫ぶカーチェイスが見られるのかと思っていたけど、「地獄の中での逃避行」>>続きを読む

うたうひと(2013年製作の映画)

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この映画は以前、日本映画専門チャンネルの「濱口竜介のはらわた」という特集放映でみた。そのときはテレビの日本語字幕機能をつけていた為、物語の内容を楽しんだ。今回の早稲田上映では、企画側の意図もあり字幕な>>続きを読む

なみのこえ 気仙沼(2013年製作の映画)

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最後の夫婦間で語る身体によって生まれる、自分の既知ではない領域から言葉が出てしまった感じ。ああいう瞬間を捕らえたい野心はもちろんあったと思う。撮る/撮られるの磁場によって、悪い言い方をすれば、その磁場>>続きを読む

なみのこえ 新地町(2013年製作の映画)

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別に身構えて聴く必要はないと思った。被害者の声を聴くことの責任を追って、われわらの被害性の箱に何かしらをインプットさせるようなことを、この映画は要請していない。
漁師のとっつぁんとぼっちゃんのいがみ合
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なみのおと(2011年製作の映画)

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ありがとう早稲田上映。もちろん東北三部作を上映してくれたこともそうだし、わたしのような無学歴に早稲田の地を踏む口実を作らせてくれてありがとう。目的地の道のりまで本当に緊張しなかった。だって、わたしのバ>>続きを読む

ナイト・オン・ザ・プラネット(1991年製作の映画)

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ジーナローランズもベアトリスダルもヴィムヴェンダースもアキカウリスマキも知った今!おれは過去のおれよりこの映画を楽しんだ!
母ちゃん!
おれ、強くなってるよ!

アバウト・タイム 愛おしい時間について(2013年製作の映画)

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別にタイムリープを使いまくってくれて構わないし、いちいちそこに責任感を問わない。カタログ的な綺麗さであっても、楽しめるものは楽しめる。
ただ、赤ちゃんの性別が変わったときに迷いもなく「あ!戻さなきゃ!
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SHAME シェイム(2011年製作の映画)

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もう下の話なんて、友達と笑い飛ばすくらいでしか機能してないけど、独りのときはシリアスに想いたいもんだ。でも、それを友達と共有するには、もう下を「ネタ」として酷使し過ぎたんだ。
この映画はそんな俺に「俺
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ワイルドライフ(2018年製作の映画)

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チャチャチャを息子に踊らせようとする母の姿は、個人的な体験と結びつくところがあり、いくらキャリーマリガンと言えど、こしょばい気持ちになった。

他人の家族写真を見たとき、勝手な自分の想像で、その家族の
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雨の日は会えない、晴れた日は君を想う(2015年製作の映画)

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もしこの邦題の小説が平積みされていたら、とりあえず手にとって、書き出しだけ見て、ポンと静かに戻すくらい格好いい。

「貴方の再生まで導きましょう……」という聖母みたいな空気感で映画は進んでいくが、その
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アンダーグラウンド 完全版(1995年製作の映画)

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完全版と言えど長すぎない?
と思っていたら、まさかの「キングダム」方式のドラマシリーズ一気見せでした。

作中で鳴り響くジプシーブラスと同期するようなインパクトがあるのは、劇場公開版の短い方だ。
ただ
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6才のボクが、大人になるまで。(2014年製作の映画)

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長尺寄りの映画でも、ここまで流動的に観られる会話ってすごいな……。こんな才能が欲しかった。
あと、流れる音楽にいちいち「なつ……」と反応してしまう。

家族との不和で引っ張れそうな展開を、パッと分断し
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ビフォア・ミッドナイト(2013年製作の映画)

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いや結婚したんか~い!!

と公開当時、どれだけの人々にツッコまれたのだろう。いや、俺がおかしいのか?

「もう結婚してしまったからには、前作までの静謐な時間は期待できないぞ!」と自分も結婚したかのよ
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ビフォア・サンセット(2004年製作の映画)

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冒頭の主人公へのインタビューは、蓮實重彦だったら「それにはお答えしません」みたいな質問ばかりだ。でも主人公は親切に、それも饒舌に答える。

劇的な再会ではなく、さらっと。前作のラストのようなベロチュー
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ビフォア・サンライズ 恋人までの距離(1995年製作の映画)

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昔観たときは開始5分くらいで「なんか違う」と観るのを止めてしまったのに、今観るとすごい面白かった。今の方が人間不信を募らせているのに何故。

一日中会話が尽きない「奇跡的」な男女。
こんなに仲睦まじい
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落下の解剖学(2023年製作の映画)

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考察班に仕事をさせない映画であり、「それってあなたの感想ですよね?」のアンサーソングでもある。

面白いか面白くないかの評価が定まらない。ある点を思い出して面白かったと思うし、またある点を思い出して面
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グラン・ブルー完全版 -デジタル・レストア・バージョン-(1988年製作の映画)

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すごくベタな展開で、長尺な完全版でもスイスイ時間が過ぎていく。ある程度「ノリ」が必要な映画ではある。ガヤを入れずにはいられないシーン多数有り。潜水大会の規模感よ……それと日本代表……笑

「海とわたし
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悪は存在しない(2023年製作の映画)

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タイトル見たとき「じゃあ何で俺はここにいんだよ!?」と憤慨したけど、鑑賞後はしっかり安心しました。善も悪もないことを心得よ。

「衣食住」を成立させるには人間は自然から奪わなきゃいけない。人間は「いた
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ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)

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主人公がボクシングを続けている動機や、拳を酷使しながらもネイルが丁寧に塗られていることの「曖昧さ」が、ボクシング映画特有のスポ根の呪縛から解放されるように機能しており、ボクシングのある「日常」へ焦点が>>続きを読む

あの頃ペニー・レインと(2000年製作の映画)

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この映画には、「彼女が出来ないならカルチャーにどっぷり浸かりなさいよ!」と己に呪いをかけた高二の俺がいるはずであった世界が広がっている。

あの頃渋谷TSUTAYAと猿みたいにデートを重ね、あの頃神保
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バニラ・スカイ(2001年製作の映画)

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キャメロンディアスにはキャピキャピしててほしいし、ペネロペクルスには綺麗なオカンをやっててほしいし、シガーロスにはアイスランド語ないしはホープランド語で歌っててほしいものですね。
とりあえず私も、この
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ヘンリー・フール(1997年製作の映画)

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メフィスト作家の小説を読んでいるかのような暴力性を感じて、めちゃ好きだ。暴走とも言える、続編のコントロール不可な展開も好き。ジャララ~ンと流れるキザなギターも好き。好き好き大好き超愛してる。

世界にひとつのプレイブック(2012年製作の映画)

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このラブコメ好きなんすよ。
設定だけなら結構シリアスだけど、出てくる登場人物をどんどん家に招き、当事者の問題に強引に巻き込んでいくもんだから、基本的に絵がうるさい。
孤独に浸る時間がないというのは大変
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ツリー・オブ・ライフ(2011年製作の映画)

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断片的なカットと散文的なモノローグとで、ずっと良さげなCMを観せられているような感覚である。良くも悪くも。カメラワークも個人的な体調によっては、めっちゃ格好よく見えたり、「狙いすぎだろ」と悪手のように>>続きを読む

ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール(2014年製作の映画)

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年中汗かきで、一枚で着られるだぼだぼTシャツを敬愛していて、サマソニの入場待機列で涼しげで気品あるジャニオタご令嬢に混じり農作業みたいな汗をひとり垂れ流していた私には当然、ベルセバは青春ではない。そも>>続きを読む

愛、アムール(2012年製作の映画)

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ケアワーカーを甘噛みした者として、劇中で「くそじじい」と吐き捨てた女性をプロだと認めるわけにはいかない。

フォロウィング 25周年/HDレストア版(1998年製作の映画)

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プラモデルをろくに組み立てられない奴に時系列を組み立てられるわけないだろ!

とキレ気味で鑑賞していたら映画が終わってしまった。

場内が明るくなったとき、あとには地頭の悪さだけが残った。

ベルリン・天使の詩(1987年製作の映画)

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ーー例えば、トランプに加わりうなずくだけの挨拶をされてみたい

ーー勇壮な戦士や王が主人公の物語ではなく、平和なもののみが主人公の物語。乾燥玉ねぎでもいいし、沼地の渡り木でもいい

↑いやあこんなこと
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アンダーグラウンド(1995年製作の映画)

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冒頭から空襲に対して、登場人物が日常茶飯事とでも言わんばかりに肝が座りすぎていて笑う。

終盤は喜劇ですら受容できない凄惨な状況となりつつも、空元気とも言えるような喜劇への愚直性が監督作の中でも特段ガ
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Saltburn(2023年製作の映画)

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「聖なる鹿殺し」と比べ、バリーコーガンの手口が味を占めていて笑ってしまった。もう職人芸だな。

冒頭のフェリックスの断片的なカットの連続は既視感があり、ボーイズラブのド真ん中をやりすぎていて、逆に絶対
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セッション(2014年製作の映画)

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この監督の作品は、というよりこの監督自体が、グザヴィエドラン監督に次いでことごとく子ども扱いのような評価ばかり受けており、不憫だなあと思うことが多々ある。そんなに若いってのは駄目でございますか?

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ドニー・ダーコ(2001年製作の映画)

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映画内で、この映画の構造における説明的描写がほぼない為、外部サイトの解説を手放すことは出来ない。ただ、説明描写を省いたことで、「ループもの」特有のトライ&エラーを孤独に繰り返す主人公のヒロイズムを終始>>続きを読む

メイキング・オブ・ドッグヴィル 〜告白〜/ドッグヴィルの告白(2003年製作の映画)

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ドッグヴィルと同じ、ラースフォントリアー画質のせいもあって、たとえメイキングであっても虚構と現実の境界はどこか曖昧に感じる。
だから「これ、本編と全く同じ展開で、ぶちギレたニコールキッドマンがニコール
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悪い子バビー/アブノーマル(1994年製作の映画)

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「RRR」も凄いけど、本作「BBB」も凄い。

コンクリート打ちっぱなしの部屋で「ジー」と安定器?の音が鳴り続けている。
外に出てから出くわす音のうるささはバビーの「初めて」を追体験しているのだろうけ
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春の画 SHUNGA(2023年製作の映画)

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在学時、歴史の授業で春画に触れたとき
「この絵で抜いてた当時の人に現代のAV見せたら死ぬど」
と蔑みの目で見ていた。
だが、この映画は冒頭から、私が人生何周してもたどり着けなそうな大人達が、陰毛の書き
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