mhさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

ヴェラ・ドレイク(2004年製作の映画)

5.0

1950年当時のイギリスにおける人工妊娠中絶まわりのシリアスドラマ。
・富裕層には逃げ道(精神疾患を騙って「生むくらいなら死ぬ」→母体保護で)があるけど貧困層には違法な中絶しか選択肢がない。
・無報酬
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諦めるな:新しいギャラクシー・クエスト・ドキュメンタリー(2019年製作の映画)

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みんな大好き「ギャラクシークエスト(1999)」の制作ドキュメンタリー。
みんな大好き「サボテンブラザーズ(1986)」のアイデアをSF映画に転用したのが、ギャラクエの本質だと思ってたので、「作り手と
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アメリカンレガシー(1992年製作の映画)

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独特の世界観が魅力の西部劇。
妻を失った男を、これが遺作となるリバーフェニックスが演じてる。
・小規模のサーカス。
・悲しみのあまり、妻が成仏できない。
・ついに動き出す遺体。
男の父親は、妻の妹を連
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ハート・オブ・ダークネス/コッポラの黙示録(1991年製作の映画)

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困難を極めた「地獄の黙示録(1979)」の制作過程のドキュメンタリー。
タイトルかっこよすぎ。
ゆうこと聞かないマーロン・ブランドを根気よく説得したのがすごいと思った。
人生を全ベットしたコッポラ監督
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Merry Christmas!~ロンドンに奇跡を起こした男~(2017年製作の映画)

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落ち目の小説家チャールズ・ディケンズが代表作「クリスマス・キャロル」をものにするまでが題材のファンタジー映画。
息が通ったキャラクターを生み出すと、その人物は可視化するというアイデアが素晴らしい。どう
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ローマで夜だった(1960年製作の映画)

5.0

ローマ解放(1944年6月5日)の前夜を背景としたイタリアのレジスタンスもの。
連合国とイタリア王国が休戦(1943年9月8日)すると、捕虜になっていた連合国軍の兵士は逃げ出したが、ドイツの占領支配は
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戦慄の七日間(1950年製作の映画)

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科学者が警鐘を鳴らすべくロンドンで核爆発を起こさんとするテロを未然に防ごうと奔走する関係各所のクライムサスペンス。
七日後の正午に向かってカウントアップしていく方式で、あきらかに「セブン(1995)」
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上海特急(1932年製作の映画)

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匪賊が外国の要人を人質に取った臨城事件(1923年5月5日)から膨らませたエンタメサスペンス。北京発上海行き豪華列車「ブルーエクスプレス」を舞台にしたロマンスがメインになってる。
臨城事件は、義和団の
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ロシアン・ソルジャー 戦場に消えた18歳の少女兵士/ゾーヤ 戦場に消えた18歳の少女兵士(2021年製作の映画)

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ソ連初の女性の英雄ゾーヤ・コスモデミャンスカヤの伝記映画。
まさかのスターリン登場で隔世の感に浸ったりしてたら中盤までは割と凡庸。ソ連とその周辺国ではかなり有名なひととのことで、その事前情報があれば興
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クランスマン(1974年製作の映画)

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KKKを扱って社会派を匂わせてるけど実際は公開当時に流行していたブラックスプロイテーションのひとつ。
・撮影時に泥酔してるリチャード・バートン(立てないので寝てる)とリー・マーヴィン。
・OJシンプソ
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それでも夜は明ける(2013年製作の映画)

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その年の賞レースを無双した、黒人監督によるアメリカの奴隷問題がテーマの映画。
南北戦争の二十年前が舞台。
北部ではすでに奴隷制度廃止運動が起こっているなか、黒人の主人公は罠にはめられアメリカ南部へと売
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レッド・スコルピオン(1988年製作の映画)

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若かりし日のドルフラングレンを愛でる映画。
敵はソ連とキューバ。ドルフ・ラングレンは最初、スペツナズの一員なんだけど、作戦行動中にアフリカの部族に対して化学兵器も平気で使用するソ連軍の悪行を目にして改
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ムーンライト(2016年製作の映画)

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スラムで育ったゲイの男性を、幼少期・青年期・おとなと連作短編で描く。
劣悪な環境というスラム街のリアルから、後半は繊細なゲイの恋愛へとシフトしていく。
恋人との会話がリリカルでいいね!
このご時世、繊
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地獄のヒーロー2(1985年製作の映画)

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チャック・ノリスが無双する「地獄のヒーロー(1984)」の前日譚。
普通チャック・ノリスは怪我ひとつしないので、これもチャック・ノリス・ファクトでハイワロとたかを括った観客を置いてけぼりにする内容。ネ
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ドラゴン・オブ・ナチス(2014年製作の映画)

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ストーリーは悪くないけどなにもかもがB級すぎてつまらなく感じたエンタメ戦争もの。
・WW2題材ではレアな北アフリカ戦線。
・ロンメル将軍を登場させる節操のなさが素晴らしい。
・砂漠に黒装束の魔女四人と
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JUNK HEAD(2017年製作の映画)

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一時期、話題になってた映画。
とにかく世界観がすばらしくって画面に釘付けになった。
ときおり顔をのぞかせる、監督が好きなものの断片が気持ちいいですね。ギレルモ・デル・トロとか、押井守とか、絶対に好きで
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私、君、彼、彼女(1974年製作の映画)

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ミニマリストを扱った世界初の映画であり、同性愛のセックス(監督が当時付き合っていた女優さんとラスト15分!)を撮影して(これも世界初クラスとのこと)いたりと、いろいろ攻めすぎだし、砂糖食うのかっこよす>>続きを読む

ノー・ホーム・ムーヴィー(2015年製作の映画)

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おかあさんドキュメンタリー。
ユダヤ系であること、親子関係が良好なこと、帰省のたびに撮影していたことなどが察せられる内容。
終盤でホロコーストサバイバーであることが明らかになるんだけど、それ以外は普通
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東から(1993年製作の映画)

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開始三十分で音を上げてググってから再生したらよくわかるようになって面白くなって安心する。
そーだよね。ベルギーの風景じゃないもんね。
ペレストロイカ、グラスノスチで崩壊していく東側陣営の混乱と日常をと
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ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地、ジャンヌ・ディエルマン/ブリュッセル1080、コルメス3番街のジャンヌ・ディエルマン(1975年製作の映画)

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オールタイム・ベストワンに突然躍り出たのも納得のカルト名作。
自分の知らない家人のルーティンワークという点でも興味深い。お風呂掃除とかめんどくさいことは最短手順を見つけてやってるもんね。そういうのを垣
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ラム・ダイアリー(2011年製作の映画)

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ゴンゾー・ジャーナリズムの第一人者ハンター・S・トンプソン自身が埋もれさせていた自伝の映画化。
・ハンター・S・トンプソンを知っている。
・=ゴンゾー・ジャーナリズムを把握している。
・テリー・ギリア
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新少林寺/SHAOLIN(2011年製作の映画)

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大ヒットカンフーアクション映画の公式リメイク作。
辛亥革命直後で敵は西洋列強諸国という設定が話とはあまり関係ないのが残念。
序盤はありえないほど悪い主人公が少林寺拳法を通じて改心して、ありえないほど悪
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マリー・アントワネット(2006年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

ポップでキュートなマリー・アントワネット伝。
カンヌでブーイング(があったけど、それはわりと普通とのこと)されたことが誇張された結果、批評家からも厳しい意見が相次いだっぽいけど、なかなかどうして攻めて
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ある女の愛(1953年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

愛を取るのか、それとも自分の人生を取るのか。
当時としては先進的な二者択一を迫ってくる異色のフランス製恋愛もの。
中盤までは既視感ある恋愛ドラマ。
ミッドポイントからは、結婚したら家にこもるべきという
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JFK/新証言 知られざる陰謀【劇場版】(2021年製作の映画)

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オリバー・ストーンの代表作「JFK」の続編的な位置づけのドキュメンタリー映画。
ケネディ大統領暗殺事件は、あまたある陰謀論のなかでいちばん大きなもの。ということはこの事件がアメリカという国を端的に物語
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ザ・コントラクター(2022年製作の映画)

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ジャック・リーチャーとかジェイソン・ボーンとかの主人公無双を楽しむ系のアクション映画。簡単にひと殺して何発か弾が当たっても平気な系ね。
ドーピング検査に引っかかって軍のエリート部隊をクビになった主人公
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ザ・クロッシング(2021年製作の映画)

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ポグロム(帝政ロシアで発生したユダヤ人虐殺)とホロコーストというヨーロッパにおけるユダヤ人の受難をモチーフにしたアーティスティックなアニメーション作品。
シオニズムとも密接に絡んでいるのでポグロムにつ
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悪党に粛清を(2014年製作の映画)

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復讐系の西部劇。
デンマークからの移民という設定で当時のアメリカをリアルに再現している。
マッツミケルセン演じる主人公(退役軍人!)のかっこよさとか、いっさいしゃべらないヒロインとか、ベタベタのエンタ
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危険なメソッド(2011年製作の映画)

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ロシアの女性精神科医ザビーナ・シュピールラインの半生を通して、フロイトとユングの友情と決裂を描いた映画。
・きれいなセットで1900年代ヨーロッパ上流階級。
・キーラ・ナイトレイの体当たり演技。
・も
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プライベート・ベンジャミン(1980年製作の映画)

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ユダヤ系アメリカ人のお嬢様が訓練兵→配属となるコメディ映画。
世間知らずのお嬢様がブートキャンプと兵役で人間的に成長していくというテーマがあるので、話は面白くなくてもしっかり感動できた。
テーマに沿っ
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薔薇の名前(1986年製作の映画)

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14世紀の北イタリアにあるカトリック修道院が舞台のミステリー映画。
原作はウンベルト・エーコの代表作で、小説の分野でマスターピースになっているような有名なタイトル。
歴史ものであるのに、ガワは探偵もの
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幸せはシャンソニア劇場から(2008年製作の映画)

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1936年のパリを背景に、経営の傾く劇場をやりくりするサクセスドラマ。
ひとのよさそうなおっさんがどうして人殺しを?というフックでスタート。
既視感のあるプロットの集合体なんだけど、展開に工夫が凝らし
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テス(1979年製作の映画)

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19世紀末イギリスの貧困女子の残酷物語。
「貴族の出であることを知らされる」ことで人生が狂ったという展開なんだけど、それを演じてるのがナスターシャキンスキーなので、いやいやそのえげつない美貌が元凶でし
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The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ(2017年製作の映画)

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「白い肌の異常な夜(1971)」のリメイクというので手を伸ばしたけど、リメイクと言うより、原作が同じなだけで別の映画でした。
というわけで、めちゃエロサイコサスペンスと思って臨んでたのに、全然エロくな
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フィラデルフィア・エクスペリメント2(1993年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

カルトSF映画の続編だけど、この映画はカルトじゃない。
前作カップルの間に子どもができてる。視界がぐにゃる体調不良に襲われる主人公。気がつけばWW2でアメリカが負けた世界線に遷移しているのだった。
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砂の器(1974年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

日本映画マスターピース。
昭和のみんなが大好きだった松本清張の社会派サスペンスの代表作に大胆なアレンジを加えて映画化したもの。
中盤まではふたつ別々のストーリーで、終盤の四十分はオーケストラの最中にす
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