matsuomidnightさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

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イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密(2014年製作の映画)

4.0

第二次世界大戦の裏側で何があっていたか。暗号解読に関する歴史は公になっている事が多くないが、想像以上に興味深いストーリーだった。

なんと言って人物設定が相当練られており、とにかく素晴らしい脚本。原作
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42〜世界を変えた男〜(2013年製作の映画)

3.7

いかにしてメジャーリーグの全球団の永久欠番が42になったのか。黒人初のメジャーリーガー、ジャッキー・ウィルソンの伝記映画。

しかし「マ・レイニーのブラック・ボトム」を観た時も思ったが、チャドウィック
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ラストエンペラー(1987年製作の映画)

3.9

公開当時に観た時より随分と面白かった。こだわり抜いた美術と儀式の再現。そして何より紫禁城を使っているのが素晴らしいし、ベルトリッチの粘り強さに舌を巻く。しかしそんな監督にハラキリを思いとどまらせたサカ>>続きを読む

炎のランナー(1981年製作の映画)

3.6

ファッションや美術など、ヒュー・ハドソン監督が徹底的にこだわり抜いた作品。ランニングを趣味とする村上春樹が、「よくあんな昔のランニングフォームを再現したもんだ」と感心していた。

走るシーンではスロー
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ドラゴン怒りの鉄拳(1972年製作の映画)

3.5

「燃えよドラゴン」の大ヒットにより当時続々とブルース・リー主演の映画が日本でも公開されたが、中でも一番評価が高かったのがこの作品。キレのあるアクションは勿論、ブルース・リーのコスプレシーンが見もの。着>>続きを読む

ドラゴン危機一発(1971年製作の映画)

3.4

それにしても日本の任侠映画と同じパターンですねー。不当に虐げられて、我慢して我慢して、我慢の臨界点に達して怒りを爆発させる…。
当時の技術的な限界なのか、パンチの効果音が全部同じで少し興醒めしてしまう
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幸福の黄色いハンカチ(1977年製作の映画)

3.8

高倉健はほんとうに別格のカッコ良さだなぁ。そしてところどころインサートされる、健さんの回想と妄想がいじらしく、可愛い過ぎる!

オースティン・パワーズ(1997年製作の映画)

3.3

くだらないにも程がある。そのくだらなさがクセになる。
シリーズ化されてるのでそれなりにヒットしたという事ですね。
バカラックがいじられたりして、選曲のセンスはさすが。

天国から来たチャンピオン(1978年製作の映画)

3.7

コメディは脚本が良くないと笑えないが、これは良く出来た本である。特にラストのまとめ方など素晴らしいと思う。現代の視点で見てもまったく色褪せておらず、今や古典と言ってもいい作品だ。シナリオライター講座の>>続きを読む

キネマの神様(2021年製作の映画)

3.4

撮影所周りの様々なエピソードを集めて作られた、山田洋次にしか撮れない映画愛溢れる作品。

いくら久しぶりとはいえ、履歴書を見た段階でなぜ叔子と気付かないのかとか、しばらく疎遠になっていたにも関わらず、
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デヴィッド・ボウイ ムーンエイジ・デイドリーム(2022年製作の映画)

3.9

膨大な量の映像とインタビュー音源を駆使して描かれるオフィシャル・ドキュメンタリー。全編を通して一つのミュージックビデオの様になっているので、出来ればIMAXで観たい作品。

時代も行ったり来たりするが
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ワイルド・アット・ハート(1990年製作の映画)

3.6

デビッド・リンチのことを一言でいうと過剰なサービス精神を持ち合わせた映像作家だと思う。殺害シーンもベッドシーンも、あまりにも行き過ぎており、笑うしか無いシーンがたくさん詰め込まれている。悲劇なのか喜劇>>続きを読む

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

3.8

ダニエルズの才能がビシバシ感じられるオスカー独占の話題作。確かにマルチバースは発明だなぁ。果たして映画史のエポックとなり得るか。早いカット割と小ネタのオンパレードだが、意外とストーリーは普遍的かも。観>>続きを読む

そして父になる(2013年製作の映画)

3.8

家族になる要件は、血なのか時間なのか。家族の在り方をいつも問いかける是枝作品。そしていつもそこには回答が用意されていない。答えは観た者それぞれの中にあるのだろう。

ブラック・イナフ?!?-アメリカ黒人映画史-(2022年製作の映画)

3.9

黒人が映画の中でどう描かれてきたか、或いは黒人映画が映画史の中でどの様な役割を果たしてきたか。そういった視点でまとめられたドキュメンタリーは、米社会でのその役者のポジショニングに気付かされたり、知らな>>続きを読む

真夜中のカーボーイ(1969年製作の映画)

4.0

「傷だらけ天使」など、世界中の映像作品に影響を与えた、アメリカン・ニューシネマの傑作。 X指定で初めてオスカーを受賞した映画。個人的にはダスティ・ホフマンの全キャリアを通じて最高の演技だと思う。

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がめつい奴(1960年製作の映画)

3.7

東宝オールスターズによる貧民窟映画。菊田一夫の舞台の映画化。子どもの使い方など、どこか黒澤の「どですかでん」と通じる作品。しかし昔の役者はひとりひとり個性的ですね。素晴らしいすぎます。

バニシング・ポイント 4Kデジタルリマスター版(1971年製作の映画)

3.8

なぜだとか、理由を求めてはいけない。いやー想像以上にぶっ飛んだ映画でした。こんなカルト映画は二度と作れないでしょう。まさに時代が産んだ、アメリカン・ニューシネマの異端作。
サントラが豪華で、楽曲をフル
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ミスタームーンライト~1966 ザ・ビートルズ武道館公演 みんなで見た夢~(2023年製作の映画)

3.9

Youtube上で世界各国で聴かれているクラシックロックのアーティストが発表されていて、クィーン、AC/DC、ガンズなどが席巻する中、我が日本だけがビートルズだった。五輪、万博、そしてビートルズ来日が>>続きを読む

マジック・クリスチャン(1969年製作の映画)

3.2

「カジノロワイヤル」の監督だったので、想像通りのくだらなさでしてが、まあまあ英国コメディはこんなものかなぁという作品。
バッドフィンガーの曲は良いけどね。

御法度(1999年製作の映画)

3.8

ものすごく乱暴に言えば、戦メリを日本の幕末に置き換えたシナリオか。
新人や芸人などを配役しているため、役者のレベルが違いすぎて気になる点が多々あったのだが、敢えて大島渚がそうした理由を知りたくなった。
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バートン・フィンク(1991年製作の映画)

3.8

再鑑賞だがストーリーをほとんど憶えていなかった。
映画が半分あたりを過ぎ、事件が起きてからはまるで別の映画になったかのように物語が進み出す。
そして最後まで謎を残したまま、ラストシーンを迎える。分から
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荒野の用心棒(1964年製作の映画)

3.8

公開中の映画「エンニオ・モリコーネ映画が愛した音楽家」を観て、改めて本作を鑑賞。再発見がたくさんあった。

巨匠エンニオ・モリコーネの音楽家としての世界的出世作であり、映画音楽の歴史を変えた傑作。
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モリコーネ 映画が恋した音楽家(2021年製作の映画)

4.0

映画音楽家の最高峰の一人として、その作品群が映画史に燦然と輝くマエストロ、エンニオ・モリコーネの一代記。それにしても知らなかった事だらけ、映画ファンや音楽ファンにとってすごく興味深いドキュメンタリーで>>続きを読む

影武者(1980年製作の映画)

4.0

たぶん公開時以来か、久しぶりに観た。思っていたよりも面白かったと率直に思ったのだが、脚本に選んだ話が小ぶり過ぎて、ややもったいない気がする。

この作品で特筆すべきは馬だ。日本特有の植生や雲や風などの
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天国はまだ遠い(2015年製作の映画)

3.8

濱口竜介監督の作品の中でもタイプとしては最新作「偶然と想像」に近い作品か。冒頭、なんかお姉ちゃんの方が幼いなぁと思ってたら、なかなかよく練られたシチュエーションでほんとうに感心した。長さもちょうどいい>>続きを読む

さらば愛しき女よ(1975年製作の映画)

3.9

ロバート・アルトマン版「ロング・グッドバイ」とこの作品を続けて観たのだが、こちらの方はレイモンド・チャンドラーの原作の世界観に比較的忠実に描かれたハードボイルド・ムービーで安心して観られた。

75年
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ロング・グッドバイ(1973年製作の映画)

3.3

レイモンド・チャンドラーの原作を70年代に置き換えたかの様なある意味カルトな作品。登場人物全員がラリっていると言われても不思議じゃないくらい、どこか緩いストーリー展開。いや、寧ろそう説明してもらった方>>続きを読む

黒いジャガー/シャフト旋風(1972年製作の映画)

3.3

前作の大ヒットを受けて制作されたブラックプロイテーション映画を代表する人気シリーズ。

プロイテーション(搾取)とは言うものの、前作でだいぶ儲けたのか、カーチェイスやボートチェイスだけでなく、ヘリチェ
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うたうひと(2013年製作の映画)

3.3

残念ながらほとんど言葉がわからなくて、もったいない。

ただそれだけ。

字幕を敢えて付けなかった理由を監督に聞きたいところだ。

ボディガード(1992年製作の映画)

3.3

ホイットニーの映画を観たのでこのたび初見。映画もサントラも当時大ヒットしたのだが、クライアントと寝るわ、関係無い奴にもところ構わず殴りかかるわ、フランクがプロフェッショナルなのに自分の感情をコントロー>>続きを読む

シー・オブ・ラブ(1989年製作の映画)

3.6

フィル・フィリップスの1959年のヒット曲「シー・オブ・ラブ」が挿入歌になってはいるが、そこに手がかりがあると匂わせているものの特に事件とは関係ない。また前半は連続殺人事件を追うストーリーかと思いきや>>続きを読む

ホイットニー・ヒューストン I WANNA DANCE WITH SOMEBODY(2022年製作の映画)

3.7

ホイットニーについて、晩年のゴシップばかりが語られることに、クライヴ・デイヴィスとしては我慢できなかったのだろう。自分がこの世を去る前に、ホイットニーの評価をきちんと確立したかった事は推してしるべしで>>続きを読む

フォレスト・ガンプ/一期一会(1994年製作の映画)

4.0

確かにイワンの馬鹿的な、「ホーリー・フール」な物語の裏で、かなり保守的なメッセージが込められた映画なんでしょう。
それにしてもゼメキスの巧さで面白く観せてしまう作品であることは否めない。
しかし「この
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アラバマ物語(1962年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

当初、よくある人種差別に敢然と闘う弁護士のヒューマンドラマかと思ったのだが、非常に変わった構成の映画だった。

先ず隣に正体不明の者や頑固な老人が住んでいたり、ある種独特のコミュニティがある点。また妻
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