れいゆさんの映画レビュー・感想・評価

れいゆ

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アルプススタンドのはしの方(2020年製作の映画)

3.8

浅薄な関係の人に自分の思い悩みをぶつけるのってある種快感であるっていうのは共通認識なのかも
演劇部の子が1人でモヤモヤ抱えて1人で解決しちゃうのはどうかなって思ったけど最終的に和解してよかった、
演劇
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マリウポリの20日間/実録 マリウポリの20日間(2023年製作の映画)

4.2

私たちが生きている世界で起こっている現実、悲惨で生々しい映像をありのままに映していてスクリーンから目を背けたくなる

少なくとも私は知識は持っていたい。

関心領域(2023年製作の映画)

3.6

ほとんど動かないカメラで描かれるこの映画は家族の顔を全く映さない、バストショットすらない
「ヘス一家」と「収容所の人たち」の関係は「虐殺に興味ない人」と「死んでいる人たち」の関係に酷似し、奇しくも現代
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キング・オブ・コメディ(1983年製作の映画)

4.0

なんとも皮肉な映画だな〜と思った、デニーロも狂気の女の演技も上手い
映画内での現実とパプキンの妄想を並列に並べているせいでどれが現実でどれが挙行かの区別をしっかりつけることが出来ない、パプキンが皮肉に
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欲しがり奈々ちゃん ひとくち、ちょうだい(2021年製作の映画)

3.5

現実の不自由性と創作の自由性をセックスという不可視のリアルでコーティングしたポルノ映画は映画の中でも真に映画に近い、けどポルノ映画って映画であるからあんまり抜けないんだなと実感した

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

3.7

これがアメリカで評価されているということが嬉しい、そんな映画だった
アメリカ人では作り得ないような映画でアニミズム的感覚を覚える、いやどっちかっていうか儒教的なのか?修己治人の教えは結局あの家族を救っ
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街の上で(2019年製作の映画)

4.1

サブカルの街・下北沢でサブカルそのものみたいに生きている若葉竜也の好演が光る日常映画、笑いどころが多いトリュフォーみたいな感じ
自分を個人にアイデンティティを置かずに小説や映画に尊厳を投影するフワフワ
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胸騒ぎ(2022年製作の映画)

3.5

いろいろ惜しいと思ってしまった、個人的にはそんなに怖くなかったし興味深くもなかった、ヨーロッパ圏の映画を見ていつも思うがキリスト教に対するもう幾分か深い知見がないと全力で楽しめない
随所で描かれる父と
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こどもの形而上学(2007年製作の映画)

3.8

子供が理解できる、知覚しているもので精神という深淵を解き明かそうとしている、なるほどこれは形而上学だ
Eテレで流れてそうな内容、子供に見せたい

マイ・プライベート・アイダホ(1991年製作の映画)

4.3

俺はスコットのことを薄情者だとは思わないし最低だともそこの浅いやつだとも全く思わない。こういうことは現代日本でも、例えば小学校のときは仲良くしていたけど中学になり片方は私立に片方は地元に残り感覚が変わ>>続きを読む

工場の出口(1895年製作の映画)

-

カメラというものを誰も知らないため誰もカメラ目線ではない、面白い
映像は写真の集合であるということを強く意識させられる

レオン 完全版(1994年製作の映画)

3.7

名作ゆえ期待しすぎた感は否めない、映画鑑賞の正しさはいつまでもあまりわからない

アクションは見事、というか今まで見たものの中でも最上級かも
レオンが実は上で待ち伏せしてる、というのはもしかしたらホラ
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(1990年製作の映画)

3.7

バブルの絶頂期〜崩壊後低迷する日本を「夢」というフィルターを通して描いた日本紹介型オムニバス、であるように感じた
正確にはバブルは崩壊していないがその後の陰鬱な日本の様子も6話、7話あたりで描いており
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かもめ食堂(2005年製作の映画)

3.6

夜の描写がほとんどない、朝ぼーっとしながら見るのに最適な映画だった

カリガリ博士(1920年製作の映画)

3.4

映画論を学んでいたら何度も視聴しないといけないものなのだろう
映画と夢の近親性とモンタージュという「虚実」を映すことができる手法を最大限に扱った映画が100年以上前にあったのが驚きである

もののけ姫(1997年製作の映画)

4.0

分子的な、細部にまで宿るアニミズムを感じる
祟り神が人間から生まれそれが人間に仇するっていうの1から100まで人間で描くのはいいのか?アントロポセン的考え方すぎてそれでは人間と自然の完全な調和というイ
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血を吸うカメラ(1960年製作の映画)

3.7

逆サイコみたいな感じ。作られた精神倒錯(エディプスコンプレックス?)の感じは哀れなるものたちの博士に通じるものがある。
サイコが被害者目線で物語を進めたのに対して本作では異常者目線で話が進むため少しだ
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恋する惑星 4Kレストア版(1994年製作の映画)

3.8

水浸しの部屋を見て「部屋も感情を表し始めた」はもうバカやろと思っちゃったけれども、それを含めた男らしさだったのかもしれない
いつまで経っても恋愛映画がそんなに楽しめない、恋愛映画の中では楽しめた方かも
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悪は存在しない(2023年製作の映画)

3.9

もしかしたら期待値が大きすぎたのかもしれない、いまいち乗り切れない部分もあった
序盤のひたすら自然を映すシーン、大自然を背景に人物を映す固定ショットは少し演劇的だとも思ったがそれは違うとわかったとき、
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劇場版イナズマイレブン 最強軍団オーガ襲来(2010年製作の映画)

3.5

自分の映画館での映画鑑賞の原体験を思い出すために観た、成長してから観ると新しい発見が多く意外と面白いものである
90分という映画としては短い時間、何よりもそのうちの60分ほどを雷門イレブンの過去をダイ
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デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章(2024年製作の映画)

3.9

浅野いにおはそんなに嫌いじゃないけど浅野いにお好きな人はなんか受け付けない、もちろん例外はいるんだろうけど

けど面白かったし続編も気になったよ!!!

駅馬車(1939年製作の映画)

3.7

全てがハリウッドって感じの映画。
様々な人が乗ってる駅馬車〜とか言ってるけど一つの人種の様々な職業の人が乗ってるだけで通底にある差別感情のようなものを余計引き出しただけのような気もする
ヘイズコード期
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サタンタンゴ(1994年製作の映画)

4.3

性悪説の提示、究極のリアリズム映画ともいえる
アンドレ・バザンのいう「現実への漸近線」に最も近いと言えるのではないだろうか、圧倒的長回しによって引き起こされる目眩のするような映画体験はむしろ現実よりも
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

3.8

確かに女性という存在は子供が一度生まれると「娘」と「母」という存在のキメラになるのかもしれない
性というタブーを出発点としているがプロットは案外わかりやすかった、しかしこれは女性の方が「わかる!」とい
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あこがれ(1958年製作の映画)

3.6

恋と性愛に目覚めた無垢なガキたちによる初期衝動
ベルナデットは綺麗だし惹かれるよね、彼らが自分たちがしてることが無益だということをなんとなく自覚してるところも可愛らしかった

大人は判ってくれない(1959年製作の映画)

4.8

少年時代を触られた、そうだよな、大人ってわかってくれないよな
両親に大いに責任はあるがアントワーヌ君の大きさはよく感じる、現実を映すヌーヴェルヴァーグの面白さに気づいた
特にこの映画はそれぞれ平等に持
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ターミネーター(1984年製作の映画)

3.6

展開はわかりやすい、第1話って感じ
最近漫画や映画などの視覚効果を用いるエンタメの最重要事項って「構図」だと思うようになってきたのだけれどこれはカッコよくていい感じ、2が最高らしいので期待

菊次郎の夏(1999年製作の映画)

4.3

言葉足らずで演技足らず、その上に満点の音楽、そんな余白を自らで埋め合わせることでノスタルジックな夏に到達する、素晴らしい映画
武映画は初めてだったがとても良かったし感動した、久石譲はずるいって
正男が
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モダン・タイムス(1936年製作の映画)

3.8

笑えるのがすごいけど同時に引くくらい風刺だ
資本主義で生きる人々に対する風刺が効いてるベルトコンベアのシーンや社会主義への憧憬ともとれるボロ屋での生活もいい

ゴールド・ボーイ(2023年製作の映画)

4.1

令和の時代に夜神月が見れるとは思わなかった。
前情報なしで見て欲しい、とてもいいクライムムービーだった。まんまアトラクションの映画。

天気の子(2019年製作の映画)

4.2

セカイ系ボーイミーツガールでコーティングしているがその実は日本の格差社会に対する強い訴え、いわゆる「トー横」が世間に浸透する前から歌舞伎町という街のスラム化を描いていて驚く
新海作品にしては表現が古典
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すずめの戸締まり(2022年製作の映画)

4.1

災害は若者の通過儀礼を拒絶するものであり、未来を否定するものである。新海誠監督が後ろ戸として選んだものは「中学校の入り口」「観覧車の扉」であり、これらは成長過程でマイナスのイメージを漂わせながらも乗り>>続きを読む