れいゆ

サタンタンゴのれいゆのレビュー・感想・評価

サタンタンゴ(1994年製作の映画)
4.3
性悪説の提示、究極のリアリズム映画ともいえる
アンドレ・バザンのいう「現実への漸近線」に最も近いと言えるのではないだろうか、圧倒的長回しによって引き起こされる目眩のするような映画体験はむしろ現実よりも現実である、ハリウッド映画が標榜するようなエンタメ性やわかりやすいカメラワークなどは一切見られず、ひたすらに現実の風景が映し出される、今まで見てきた映画が本当に映画であるならばこれはもはや映画ではないし、実際の生活のほうがよっぽど映画的である

特筆すべきは序中盤にある少女と猫のシークエンス、現代では確実に出来ない手法で純粋という邪悪さを描き出している。(恐らく現代の日本ではアニメというヴァーチャルな手法を用いたとしてもこのような表現は許されない)性悪説をこれでもかと見せつけられた私は隣で一緒に見ている知人にも少し恐怖を抱くようになってしまった
れいゆ

れいゆ