きくらげさんの映画レビュー・感想・評価

きくらげ

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マッドマックス:フュリオサ(2024年製作の映画)

3.9

母を殺されて復讐の鬼と化すフュリオサは、マッドマックス1を感じました。

ファッション面ではボロボロのレザージャケットが多く登場したこともあり2の雰囲気を味わうことができました。

怒りのデスロードの
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関心領域(2023年製作の映画)

4.0

一見、ただの日常生活を描いていると思いきや、隠しきれないホロコーストでの惨状が垣間見える。

この映画の評価が賛否分かれるのは、映像でしか出来ない表現を試みていて、セリフでの説明がほとんどなく注意深く
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ありふれた教室(2023年製作の映画)

4.0

正義感の強い中学校の若手教師カーラが相次ぐ窃盗に悩まされる学校のため隠しカメラを仕掛ける。
カメラには星柄のブラウスを着た腕がカーラの財布の入った上着をまさぐっている様子が映し出されていた。同じ星柄の
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胸騒ぎ(2022年製作の映画)

4.1

デンマークの夫婦とその娘が、知り合ったばかりのオランダ人夫婦の家に招待される。
田舎の自然に夫婦は癒されるもオランダ人夫婦の「悪意のない行動」に次第に居心地が悪くなる。
しかし夫婦は波風を立てたくない
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悪は存在しない(2023年製作の映画)

3.9

冒頭の自然環境の長回しは、眠気を誘われましたが(笑)感情を揺さぶられるシーンが多く、のめり込んでしまいました。
現代の金儲け(資本主義)と自然との共存のバランスを問いただした作品だと勝手に考えてみまし
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異人たち(2023年製作の映画)

3.9

主人公のアダムはふと自分の住むマンションを見上げると、マンションには自分ともう1部屋しか人が住んでいないことに気づく。

その夜、男がアダムの部屋を訪ねてくる。

このマンションはオレたち二人しか住ん
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アイアンクロー(2023年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

呪われたプロレスファミリー「フォン・エリック一家」の4兄弟の物語を事実と合わせて、その過酷さが描かれている。

「呪い」と言うのを「父親からの間違った教育の呪縛」というものに置き換え、物語としても完璧
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パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

12歳で恋に落ちたヘソンとノラだったが両親の都合でノラは海外に移住。

12年後にSNSで再会するもノラは夢をつかむためにヘソンと距離を選ぶことを選ぶ。

さらに12年後、ノラとヘソンはニューヨークで
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.1

難解でおもしろくなかったという感想がチラホラありますが、それで観るのを躊躇してる人は非常にもったいないです。

確かに時系列はバラバラで、人物紹介もスピーディーに進むのでついていくのは難しいかもしれま
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デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

3.8

アトレイディス家の滅亡からあと一歩のところで生存したポールとジェシカは、砂漠の民フレメンと協力し、ハルコンネン家の支配から逃れるため戦いを繰り広げていく。

ちょっと長いな……と感じていたところで、ポ
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アメリカン・フィクション(2023年製作の映画)

4.2

黒人はかつて奴隷として扱われ、今でも貧乏な人が多いから親切にしましょう。という時代はすでにかつての話し。

現代ではアメリカの黒人の貧困層は思っているほど多くない、というか少ない。

そんな中でも人々
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DOGMAN ドッグマン(2023年製作の映画)

3.7

冷静に考えれば「そうはならんだろ」
というツッコミ満載の展開ながら、世界観とケイレブ・ランドリー・ジョーンズの魅力、さらにリュック・ベッソンならではの“愛”で素晴らしく仕上がっている。

人間としての
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ネクスト・ゴール・ウィンズ(2023年製作の映画)

3.8

31対0という歴史的大敗をした米領サモアのサッカー代表が1勝を挙げるまでという実話をベースに、タイカ・ワイティティ監督らしい、コメディがふんだんに散りばめられている笑って泣ける作品でした。

31対0
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ボーはおそれている(2023年製作の映画)

3.9

日本人には馴染みのないユダヤ人の物語なので、ただでさえ分かりにくい物語がさらにカオスと化していました。
支離滅裂で悪夢のようなシーンの連続は意味不明ながらも見入ってしまい3時間はあっという間ですし、笑
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落下の解剖学(2023年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

GAGAさんの試写会にて。
雪山の山荘で男が転落死する。
男の妻に容疑がかかり、証人は視覚障害のある11歳の息子。

最後の最後まで、他殺なのか自殺なのか?
というサスペンス要素で楽しませてくれつつも
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瞳をとじて(2023年製作の映画)

4.0

映画の撮影中に失踪した親友を探すというミステリーとしてかなり興味をひかれながらも、淡々とした登場人物の会話の中から「何かを感じ取ってほしい」という想いがかなり感じられる作品でした。

何よりも映画の力
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カラーパープル(2023年製作の映画)

3.8

スピルバーグ版をミュージカルにして、これでもかというくらい分かりやすく取っ付きやすい内容になっていました。ミュージカルとの相性がかなり良い。

登場人物それぞれに歌があり、歌で分かりやすく人物紹介が出
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

5.0

過去作から一貫して「愛とは何か」「人間とは何か」というテーマを描いてきているのだと思いますが本作もそのテーマはブレいないと感じました。

『女王陛下のお気に入り』がその作家性(アート性)と商業のバラン
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僕らの世界が交わるまで(2022年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

ジギーはライブ配信をするときに赤いランプを点滅させるが、自慰行為をする時も赤いランプを付けてる。自分のため(金のため)の活動というものは自慰行為と同じであるということを表している。

この映画のテーマ
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ミツバチと私(2023年製作の映画)

3.5

自分の性自任に戸惑う子供の葛藤と、親としてどうあるべきかという苦悩が繊細に描かれている。
主役のソフィア・オテロはベルリン国際映画祭で最年少で最優秀主演俳優賞(銀熊賞)を受賞したということもあり、とて
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

影は重なると濃くなるのか?という問いに、平山は濃くならないなんてそんなバカな話はないと答える。

人との関わりが薄いように見える平山だけど、人との関わりは少なからず自分に変化をもたらしてくれると信じて
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TALK TO ME/トーク・トゥ・ミー(2022年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

SNS世代版コックリさんこと「90秒憑依チャレンジ」。

言葉を唱えると近くにいる霊を自分に憑依させることが出来るが、90秒以上憑依させるとヤバい。

序盤で瀕死のカンガルーを一思いに殺してやれないの
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VORTEX ヴォルテックス(2021年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

妻はアルツハイマーになり、夫は心臓がやばくていつ倒れてもおかしくない。

夫婦の仲が良いかと思えば、夫は浮気してるし、よくわからない本の執筆に夢中になってる。妻も記憶が混乱し、ガス栓を開きっぱなしにし
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ナポレオン(2023年製作の映画)

3.8

自分の知っているナポレオンの史実に加えて、ジョセフィーヌへの愛や家庭の内面が描かれていたのがよかった。
軍人としての愛国心と女性への愛情を天秤にかけなければならず揺らぐ姿というのはこれまでの自分が持っ
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(2023年製作の映画)

3.8

現場で笑いを創り続けてきたビートたけしならではの「間」と言うか、独特な会話劇に笑かせられた。

加瀬亮が演じる織田信長は狂気を演出しなければいけないのでそんなことにはいかないけど、他の出演者たちはいつ
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