澱んだ目と歪んだ表情の石原さとみの演技。確かに新境地かもしれないけれど、石原さとみはこれぐらい予想は超えてくると(なぜか)信頼していたので驚きはありませんでした。愛娘の喪失が、自分を見失う言動を誘い、>>続きを読む
前情報は入れず、表題はどのような意味か考えながら劇場に向かいましたが、覚悟していた以上に開かれたエンディングで、大きな問いかけをされた気分でした。「この映画をどう楽しみますか?」というような。
不穏>>続きを読む
カンヌの「アシッド部門選出」と聞いて、どんなにカラフルでぶっとぶ映像なのかしらと楽しみにしてたら「ACID部門」はそういう意味ではないそうで。失礼しました。
小さな出来事がやがて周囲を巻き込むドタバ>>続きを読む
主題はなんであれ女性同士が喋り倒してるのを傍観するのが好きなので、そのノリで楽しく観ました。数々繰り出されるパンチラインと、10代特有の妄想暴走感と20代の現在の冷静さとのギャップなど、申し訳ないけど>>続きを読む
前作がとてもお気に入りでしたが、NYが凍りつくという既視感強い設定に、ややハードル低めで臨みました。
舞台をNYに移し、事業所としての「ゴーストバスターズ」が家族の物語になり、オリジナルキャストが揃>>続きを読む
少なくとも「原爆投下を正当化している」なんて感じられなかったし、オッピー自身も「想像力がなかった」「悪魔の誘惑に負けた」わけでも無いので、昨年の空騒ぎは全くナンセンスだったと思います。加えて広島・長崎>>続きを読む
「これくらいお手のものですよ」と言わんばかりの岡田将生の低温な怪演。役者として自信溢れているのを感じるし、あのお芝居のトーンが少年キャストたちの熱演を引き立てる助けになっていたと思います。
舞台を沖>>続きを読む
「やさしい世界」という半ばミーム化した表現があるけれど、正直「世界は厳しい。だから優しい人もいる」だと思う。この作品のメッセージもそう。優しい人々には、優しい理由や背景があることを、きちんと描いている>>続きを読む
「女フランケンみたいな話かなー」くらいの予習ゼロで臨みましたが、意外にもさほど難解でなく、グロテスクな悪趣味を凝らしつつ、ユーモラスな場面の連続で短く感じました。鶏イヌ!
抑圧・支配からの解放と自由>>続きを読む
冒頭に結末が示されながらもオープンエンディング。
本当に写真集のような眼福映画、という第一印象。暗い森に点在する黄色いキノコ、ひとりひとりがセルフビルドした小屋のテクスチャー、絵になっているカットが>>続きを読む
漫画の映像化に定評のある野木亜紀子の筆が冴えています。原作に無い「映画を見る部」と巻き戻せないビデオデッキ。
男子の第二次性徴の特徴である変声期。一度きりの短期間で済んでしまうので、フォーカスされる>>続きを読む
主人公がいいルックなので、彼女が恐怖に怯え、立ち向かい、絶望して…どのような物語になるだろうかと期待した分「従来のこっくりさんもの(?)」を突き破るような展開ではなく残念。主役はあくまで「手」なのは分>>続きを読む
大都会を構成するほんの一粒に過ぎないひとりひとり。その中に必ずいるはずの、ルーティンを崩さず清貧を通す暮らしをしている人の存在を肯定する物語。上京中に観て良かった。
主人公が清掃を担当している、デザ>>続きを読む
協力クレジットに、高島屋!伊勢丹!東急!
西村ツチカさん大好きなので、あの原画の味わいどれくらい表現されているのかそれが第一のハードルでしたが、そこは充分満足でした。ディズニーみたいにニュルニュル動い>>続きを読む
予告編やビジュアル、そしてタイトルさえもミスディレクションで、シンプルな家族ドラマ。その割には随分遠回りな脚本だったので、コロナ禍において脚本執筆や撮影態勢が影響を受けた結果かもしれません。かもしれま>>続きを読む
収入面では充分余裕を感じさせる夫婦。そんな田村健太郎さんの自分を棚に上げた静かなモラハラも実在感があって良かったのだけれど、やはり門脇麦さんの演技の巧みさが印象深いです。
私たちは普通、思っているこ>>続きを読む
くるりとは同世代。並走して聴いていてそれなりに思い出はあるけれど、『ワルツを踊れ』くらいで止まっていて、そしてかつ「ロックバンド」全般とも暫く距離ができているので、今回のオリジナルメンバー・もっくん復>>続きを読む
念願の本編5時間17分。ほぼ日中すべてを費やした特別な映画体験。「あんまり行きたくない打ち上げ」には安易に行かないぞ!
演技未経験者ばかりの長尺作品という、作品の出自から敬遠する人がいても仕方ないけ>>続きを読む
実にスリリングで、とにかくクライマックスが最高。「そろりそろり」と「ぶっとばせ!」が混在する「逃げるカーチェイス」最高。
第一印象として感服したのが、ソマリアの現地の人々同士の衝突や暴力、遺体や少年>>続きを読む
まず映像美!何度もため息が出ました。フランス映画はセリフとその意味を追うことにいっぱいになりがちなのですが、繊細な表情の演技、特に視線の運びが饒舌でとてもスムーズに入り込めました。
仕事、結婚、出産>>続きを読む
劇中「秘密基地みたいな場所」が出てくるけれど、ちひろさんは「秘密基地みたいな人」だな、と思いました。
今泉力哉監督大好きなので、ようやく。「元風俗嬢が町のミューズ」というのはややベタな気がしなくもな>>続きを読む
きゅーと気持ちが絞られる物語でした。同じクラスにいても不思議ではない近所の不幸。
世代的に「帰国子女」というと、ついハイソなニュアンスを抱いてしまうけれど、周りが推し量れない様々な事情で帰国せざるを>>続きを読む
これは今年1番感想を書くのが難しい、どこから手を付けてもこんがらがりそうな作品です。乱暴に書きますが、グレタ・ガーウィグが「Barbie」という題材を借りて「今言いたいことを全部言っとく。釘刺しとく!>>続きを読む
『どうする家康』見ている立場だと、岡田准一×酒向芳のツーショットはニヤついてしまいます。
予告編の印象と随分違ったなーという感想。坂口健太郎はもっと「みんなが手を焼くサイコパス」かと思ってたし、MI>>続きを読む
「お持ち帰り」や「バチェラーパーティ」に無縁の人生で良かった。高学歴で将来を約束された知的な女性であろうとも、「若く」「酒に任せたノリ」の男たちに罠にかけられたら、全てが崩壊させされるという、醜悪な事>>続きを読む
カッコイイとはこういうことさ。
これは生のステージこそ至高のはずだし、最低限音響のいいスクリーンで観るべき作品でしたが、いかんせん地方でやってくれないから自宅のテレビで仕方ない。
「ライブビデオじゃ>>続きを読む
やっと見れた。評判通りのビリビリくる映画でした。日本映画にて「貴族」のリアルな生活描写は最近めっきりお目にかかれないので、何となく伊丹十三監督作品の手触りなどが想起された前半でした。「憧憬」にちょっと>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
事前の情報を殊更避けて臨みました。
意外なほどに言葉に頼らない静かな作品でした。読み解きや鋭い問いかけを突きつけるでもなく、宮崎駿という作家のエピローグを見守るような時間でした。
お約束たっぷり娯楽>>続きを読む
超高速で走れても、ちゃんと道路を走るんですね!冒頭の自己紹介的救出シーンが大変楽しく、軽口ヒーローはウキウキするねえとなりました。
小難しい世界観は食傷気味ではありますが、マイケル・キートンによる、>>続きを読む
ザ・スポットを見てて、キン肉マンの最強超人は「ブラックホール」なのでは?と思いました。
今回は存分に画面を堪能するために、スクリーンが大きいうちに吹替で。過剰な書き込み、過剰な色の洪水でお腹いっぱい>>続きを読む
坂元裕二脚本に是枝監督のメガホンは相性がいいと思いました。坂元脚本は意図はどうあれ、あえて煙に撒こうとしていると感じることが多いと評価しているのですが、今作は精錬された脚本だったと思います。とはいえ上>>続きを読む
思いがけず自分の経験と重なる設定で、懐かしい痛みでした。シビアな肉親の介護と、新しい恋愛の並走。生命力が減じる場面と、生命力が膨らむ場面。マイナスとプラス。青と赤。自己のバランスを取るためにこそ、ふた>>続きを読む
そうだ!クルマは惜しみなく潰せ!
完全にハードボイルドでノワールの構えで臨んだので、岡田准一の狼狽演技が過剰過ぎるように感じ、前半はややそれをノイズに抱えながらの鑑賞でしたが、綾野剛サイドの物語の、>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
アライグマかわいいけど、念力わんちゃんがかわいかったぜ!
シリーズひと区切りに際して、強大なヴィランではなくいわば小物マットサイエンティストだし、それとの対決よりも「救出」が背骨であり(またそれが「>>続きを読む
『100カメ』好きにたまらん観察映画。デビュー間もないスチャダラパーの自室での制作風景(サンプリングやライミング風景)を撮ったNHKの番組があったけど、あれを連想しました。BIMもONGRもかわいいほ>>続きを読む
いささか難物であったけれど、途中で投げ出されるタイプでなく、むしろ釘付けになりました。
記憶の混濁なのか長い夢なのか、何がどう現実なのか。話はシンプルなのか、過去の話はバチが当たるのか?震災はこの筋立>>続きを読む