ピポサルさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

ピポサル

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FALL/フォール(2022年製作の映画)

3.7

自分でもびっくりするくらい手と足の裏から汁が出た。これは映画館で観るの無理です。
ひとつのシチュエーションでここまで肝が冷える球を出せるのすごい。ただ、一番ヒヤヒヤしたのは頂上に至るまでのハシゴを登っ
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ブルービートル(2023年製作の映画)

3.9

キャストとスタッフがオールラテン系とのことで、家族の団結とか父と息子の関係とか地域住民との協業とかが強めに描かれていた気がする。自身の名前を蔑ろにされること、すなわち差別への反発とか。あの家族構成も特>>続きを読む

アクアマン/失われた王国(2023年製作の映画)

4.2

クライマックスはなんだかあっさりしていたけど海中都市の世界観やバリエーション豊富なクリーチャーなど映像でとても楽しめた。古代技術によって作り上げられたヴィラン側の軍艦とか美術がめちゃ好み。決してスタイ>>続きを読む

レッド・ロケット(2021年製作の映画)

3.8

清々しいほどのダメっぷり観ていて飽きない。住宅や商店が距離を置いて立っているあの工業地帯、緩い時間の流れるドーナツ屋、そしてストリップバー。画が全部いいし、テンポのよい編集も気の抜けた感じを醸していて>>続きを読む

コンクリート・ユートピア(2021年製作の映画)

4.0

昨日まで普通に生きていた人が有事の際に線を引いて自分を優位に保とうとする。この映画では災害が起きてわかりやすい選民思想があったけど、普段生きているなかでも無意識にこういう線引きをしてるんだろうな。
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宝くじの不時着 1等当選くじが飛んでいきました(2022年製作の映画)

3.7

北朝鮮の飢饉に触れたりと、ところどころブラックユーモアがあってよかった。フリースタイルダンジョンみたいな宣伝放送でのディスり合いも笑った。ヨニかわえええ

恋人たち(2015年製作の映画)

3.7

本編とは全く関係ないけど土木好きにはたまらない映画。高速道路の橋脚を船に乗って見てまわりたい。

ショーイング・アップ(2022年製作の映画)

3.8

ケガをした鳩、焦げてしまった作品、ちょっと危うい思想の兄と、自分にとって完璧ではないものに苛立ちを見せながらも気にかける主人公。そして完璧でないように見えても自分だけが気づいていないだけで、実は価値を>>続きを読む

マエストロ:その音楽と愛と(2023年製作の映画)

3.7

キャンセルカルチャーが描かれる『ター』で主人公の心の恩師とされたバーンスタイン。ずっとターが頭の中にあったからもし現代にバーンスタインが生きていたらどうなってたんだろうと考えながら観てた。

欲望の赴
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サンクスギビング(2023年製作の映画)

3.5

人間の愚かさをこれでもかと見せつけられるオープニングが最高すぎる。それでいて若干チープさのあるゴア描写、もはや皮肉に見える。タイトルクレジットまでの10分くらいが優勝。
ただ、物語が進んでいくなかでの
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ファミリー・ディナー(2022年製作の映画)

3.1

じっくりと叔母家族の奇妙さを描いていて不気味さを煽られるけど、起こることや映像に目新しさはなく少し残念。グロ描写をもっと映してほしいし、スリラー要素ももっとほしい。
正しさを求めることとありのままでい
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ロー・タイド(2019年製作の映画)

4.1

都心から離れた観光地に住む若者たちの純粋さ、そして溜め込んでいる感じ。街、港、岬、遊園地といった舞台で瑞々しさがありながらも互いを探り合いどうにかうまく立ち回ろうとする若者たちのギャップがとてもよい。>>続きを読む

TALK TO ME/トーク・トゥ・ミー(2022年製作の映画)

3.9

微妙に腹落ちしない結末だけどジャンプスケアに頼らずに怖がらせてくれて好印象。双子監督のYouTubeは見てないけど強みである悍ましいメイクがちゃんと活きていた。ティーンエイジャーの不安定さも納得感があ>>続きを読む

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.2

慎ましい平山のルーティーンを見ているだけで満足できる。生活のなかで小さな幸せを見つけることの健気さを素直に肯定できるような映像。都市に生きるひとりの人間を俯瞰ショットで見せられるのに弱い。
途中平山が
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市子(2023年製作の映画)

4.6

ミステリー要素を持ちつつ深い感動、というよりやるせなさを覚える傑作。自分だったらどうしていたかとかまったくわからない。全員がツラい。最後に真相が明らかになるわけではなく、割と中盤くらいからこういうこと>>続きを読む

コーポ・ア・コーポ(2023年製作の映画)

3.7

アパートの住人同士、緩いようで強い連帯を感じる。こういうコミュニティいいなと思った。

牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件 デジタル・リマスター版(1991年製作の映画)

3.8

鬱屈とした少年たちの群像劇。現状維持に抗っているかのように、何かコトを起こさねばと焦っているかのように見える。焦燥感や破滅に向かっていく少年たちの危うさが全体を通して漂っている。
周囲の視線や音で状況
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サイダーのように言葉が湧き上がる(2020年製作の映画)

4.1

ひとつの街であり各々の居場所となっているモールをハックする若者たちが最高。その描写だけでご飯食べられます。
音楽の使い方も秀逸、話し運びもシンプルでそれこそタイトルのように爽快感のある映画だった。

ナポレオン(2023年製作の映画)

3.8

世界史の授業でナポレオンがエルバ島から戻ってきたのに一番テンション上がったことを思い出した。
カリスマ性だけではなくフランスやジョセフィーヌ、そして地位への執着がなかばカッコ悪く描かれているのが特徴的
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ゴーストワールド(2001年製作の映画)

3.6

あの行き先のわからないバスに乗りたい。そのためにも俺もバス停で待ち続けようかななど。
自分のなかの正解を求めるのも社会との折り合いをつけるのも、どちらも応援したい。いつまでもそこにあってくれゴーストワ
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バーバー(2001年製作の映画)

3.7

話が淡々と進んでいくなかところどころ奇妙さというかシュールさがあってコーエン兄弟っぽい。
自分は幸せな生活を送っているという自覚を持ちながら欲張らずに生きてきた人間が何かを求めたとき、けっしてうまくい
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正欲(2023年製作の映画)

3.2

前半では世の中で普通とされる価値観を押し付けられるのに苛まれたり、生きる気力を失っている夏月と佳道の鬱屈とした様子がじっくりと映される。また、自分の知らないものを受け入れようとしない(受け入れるという>>続きを読む

人生に詰んだ元アイドルは、赤の他人のおっさんと住む選択をした(2023年製作の映画)

3.7

まいまいがちゃんとまいまいしていて大変満足しました。ありがとうございます。
年齢を重ねるとそれまでの人生経験から得た知見やありがたいお言葉をかけようとしてしまいがちだけど、距離感を保って干渉しすぎずち
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ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

3.8

自己実現のための戦いから家族や他者のための戦いへ。それを描くためにドラマが必要なのはわかるけどちょっと奇跡体験アンビリバボーの感動回っぽい。佐々木蔵之介とかマンガのキャラクターに見えた。
ただゴジラ描
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愛にイナズマ(2023年製作の映画)

5.0

宇垣美里先生の言葉を借りるなら映画が上手すぎる。神が映画というフォーマットを完全に理解したうえで遊び心を持ちながら片目でちょちょいと仕上げた作品がそれこそ誠一の言うように恐竜の化石と同じように1億年後>>続きを読む

ドミノ(2023年製作の映画)

3.7

呪術回戦かな?

もうちょっとひねりがほしいところだけど90分の尺でこの展開、このドラマは全然満足できる。ワールドバザールのキャストさんたちと農夫の睨み合いは良シーン。
めちゃくちゃ見たことあるなと思
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メイ(2023年製作の映画)

4.4

東京国際映画祭2023

自分好みな作品。ひとりの人間がこの世界にどういうスタンスで臨んでいるのか、それがわかるだけでもうおもしろい。毒舌で相手を罵ったりすぐにお金や家の話をするけどメイおばちゃんも孤
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烈火青春 4Kレストア版ディレクターズカット(1982年製作の映画)

3.1

東京国際映画祭2023

あまりにもシュールで笑った。阿Bくんの件はズルい。なんだあのTシャツは。
地下駐車場に突然あるレコード屋とか海に面したリゾートっぽい家の感じとか、香港っぽいルックを楽しめたの
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ザ・キラー(2023年製作の映画)

3.9

静かな語り口で仕事の流儀を語る若きマグニート。思想だけでなくスマートな仕事捌きは見ていて気持ちがよい(いや仕事はミスったんだけど)。と思いきや本格的なアクションもあって見応えがあった。
最後に会うクラ
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ザ・スクエア 思いやりの聖域(2017年製作の映画)

4.2

気分のよいときは与えて追い込まれたら奪ってしまう、無意識下の人間の振る舞いをユーモラスに見せつけられる。スマホや評価は追いかけるが買った商品や子どもたちはその場に残す損得勘定を瞬間で行ってしまう。居心>>続きを読む

ザ・クリエイター/創造者(2023年製作の映画)

3.3

ブレードランナーをやりたいのはわかるしところどころにあるオマージュも良いし俺たちが期待する意図されたカオスな世界観も最高。でも全体的に大味が過ぎて途中で飽きてしまった。
主人公は実は生きているとされる
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キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023年製作の映画)

4.0

多くは言葉にせず静かに状況を見つめ戦い続けるモリー。一方、決して賢くはないけど家族への想いは純粋なアーネスト。ふたりが黄金に輝くライ麦畑?で再会するシーンはうるっときた。ただ感動も束の間、言葉少なく夫>>続きを読む

イビルアイ(2022年製作の映画)

3.2

ヘレディタリーのようなコンセプトはとてもよいと思うけど、ジャンプスケアや言葉での説明が多めでなんだか恐怖や悍ましさが中途半端に感じられた。血縁とか地域のイカれた風習にもう少し焦点があたるとよかったかな>>続きを読む

PIGGY ピギー(2022年製作の映画)

3.6

ところどころ演出が上手いところとかちょっと笑ってしまうところとかあって実は良作。コトが起こるまでは引き込まれた。けど中盤以降はあまり期待以上のことは起こらず、それこそもっとエクストリームなことがあって>>続きを読む

パーフェクトブルー(1998年製作の映画)

3.9

内容もさることながら、演出もソリッドで鮮やかだから今見てもセンセーショナルな作品だと感じる。メタ表現バチバチで観ているこちらも何が現実で誰が本当の未麻なのかわからなくなり没入できる。

バーナデット ママは行方不明(2019年製作の映画)

4.2

人間嫌いっていうのは過去のトラウマや信念によって意図せず発生させてしまう社会とのハレーションを、彼女自らなるべく生まないようにしている表れ。社会に迷惑をかけないようにする、とすると人と接しないほうがよ>>続きを読む