Supernovaさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

2001年宇宙の旅 新世紀特別版(1968年製作の映画)

4.2

歴史上最初の道具「棒」の発明の瞬間。
宇宙進出を果たした近未来の人類。
二つの時代を繋ぐ奇妙なモノリスの正体とは。

Ultra-HD版はどうやらこっちだったっぽい。
通常盤とどう違うんだろう。

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羅生門(1950年製作の映画)

4.8

「私は信じる!私はこの世を地獄にはしたくない!」

まだ映画について何も知らなかった過去に2回ほど観た事があるけど、その当時はよく分からなかった。
革新的な物語構造。確かに変わったものだとは思ったけど
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天国と地獄(1963年製作の映画)

5.0

"High and Low"

史上最高峰のミステリー映画に出会いました。
そして史上最高峰の映画です。

俺如きが説明するまでもないでしょう。

原題はもちろん最高だけど、英題も直訳でないにも関わら
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アンナの出会い(1978年製作の映画)

4.2

「人間は無力だよ。どんな流れにも逆らえない。」

『ジャンヌ・ディエルマン』に比べて抑えめな色調だけど、シンメトリー構図の使い方とか全体的なシネマトグラフィーの完成度は上がってるから、個人的には好み。
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エル・スール(1982年製作の映画)

3.1

ビクトル・エリセの長編2作目。

彼の精神はスペイン内戦に囚われている。子供の頃にそういった経験をすれば、その後の人生に嫌でも影響があるのは当然。本当に可哀想だし、彼と同時代を生き抜いた人々にとって本
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挑戦(1969年製作の映画)

3.3

ビクトル・エリセほか2名の映画監督それぞれによる短編3本のオムニバス。

1本目

音声が全部アフレコなの嫌だった。

色々と鑑賞者にわかりやすく見せる工夫が施されすぎててかえって虚構感が強くて入り込
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七人の侍(1954年製作の映画)

4.8

大学の課題が終わって久しぶりにまとまった時間が取れたから、Ultra HD版も買ったことだし本作を再鑑賞。正直初めて見た時は面白いけど長いなぁくらいにしか思えなかった。でも改めて多くの映画を観てきて、>>続きを読む

ライトハウス(2019年製作の映画)

2.3

2人の灯台守が酒を呑みまくって気が触れる話。

ロバパティが『君たちはどう生きるか』の英語吹き替えでサギ男の声優務めたのはこの作品の影響があると思う。なんつーか鳥の印象が強いからこの映画。しかもサギが
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ダゲール街の人々(1976年製作の映画)

4.5

ヴァルダの幻術をとくとご覧あれ。

何一つ事件が起きないただの日常。そういうドキュメンタリー大好物。俺が知らないだけかもしれないけど、ありそうで意外とない。こういうの観ると心が温まる。心が冷え切った現
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私、君、彼、彼女(1974年製作の映画)

2.5

なんとなくテーマはわかるんだけど、突き詰めきれてない。

低予算で作られた荒削りで面白みがなく、生気を抜き取った『ジャンヌ・ディエルマン』。それ以上の感想が出てこない。
この作品の意図が分からない。こ
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幸福(しあわせ)(1964年製作の映画)

4.9

🖕🖕🖕🖕🖕

俺が人生で出会いたくないと思っていた映画についに出会ってしまった。ヴァルダは悪魔だ。

彼女は悪魔のような才能に恵まれてしまった。いっそこんな映画を作るくらいならその才能に恵まれていなけ
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ミツバチのささやき(1973年製作の映画)

4.0

ビクトル・エリセの不朽の名作。

明らかにデル・トロの『パンズ・ラビリンス』は本作に影響を受けている。
囁き声で喋ったり影絵で遊ぶところとかは『オオカミの家』っぽい。
セピアとまでは行かないけど黄色い
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フェイシズ(1968年製作の映画)

4.0

空笑いがよく響くぜ。笑顔で本心塗りつぶして歌で涙を拭く。白々しくて自分勝手で心底気持ち悪い生物だよ人間は。みんな死んじまえ。

『こわれゆく女』に似た映画が観たかったわけじゃないけど、もっと俺の心を滅
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.6

我ら哀れなるものたち。

ヨルゴス・ランティモスが切り拓く奇想天外な幻想世界の新地平。キャリア中期の集大成。

天才外科医ゴッドウィン・バクスターの常識破りな神業により今際の際から引き戻された女性、ベ
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フランケンシュタインの花嫁(1935年製作の映画)

3.4

前作に引き続き。

前作の簡単なおさらいから始まる。しかも作者メアリー・シェリーの寸劇まで入る。なかなかにメタな演出だけどなんか微妙。前作の終わりから上手い再開方法が見つからなくて妥協した結果これにな
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セッション(2014年製作の映画)

5.0

年に数回は観ないと魂のビートが止まってしまう。

一度初鑑賞した時の衝撃が味わいたくて、記憶が薄れるのを待って3年もこの映画を観るのを我慢した結果、全てを鮮明に記憶していたという嬉しいのか嬉しくないの
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フランケンシュタイン(1931年製作の映画)

3.5

墓を荒らし、死人を辱め、命を冒涜する禁忌の実験。

古典たる所以はそのシンプルさの中に潜む果てしない神秘性と奥深さ。やっぱ『フランケンシュタイン』は物語として完璧なんだよ。別に競うものでもないけど、こ
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女王陛下のお気に入り(2018年製作の映画)

4.6

真に愛してくれていれば嘘は吐かない。

良くも悪くもヨルゴス特有の灰汁が抜けてる。めっちゃ観やすい。最高のブラックコメディ。

女王の一存。全てがそれにかかっている。それゆえに政治家の何よりの役目は女
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The Stunt Double(原題)(2020年製作の映画)

3.6

デイミアン・チャゼルがiPhone11 Proで撮った縦どりショート映画。

短い映像の中にスタントマンの辛さみたいなものと映画史そのものが凝縮されていて面白い。彼らだって主役ばりの活躍を強いられる影
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5時から7時までのクレオ(1961年製作の映画)

3.7

病院の検診結果がでるまでの歌手クレオの一喜一憂を辿る2時間。

最初は『ローマの休日』のアン王女みたいな感じがしたけど、段々と彼女を知っていくとそうでもないことが分かっていく。

気まぐれで自分の感情
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ラ・ポワント・クールト(1955年製作の映画)

3.5

ヌーヴェルヴァーグの祖母、アニエス・ヴァルダのデビュー長編作品。

薄れゆく愛を嘆く夫婦と漁が禁止されている漁村での日常が交互に描き出される。

これといったストーリーがないから最初は入りづらい。かと
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籠の中の乙女(2009年製作の映画)

4.4

「鳥は卵の殻を割って出ようと戦う。 卵は世界だ。 生れようとする者は、ひとつの世界を破壊せねばならぬ。」

これは不条理アート。説明を求めてはいけない。
『変身』である日突然目が覚めたら青年が虫になっ
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真夜中の虹(1988年製作の映画)

3.4

静かなハードボイルド。

よりにもよって先にキャリア末期の『希望のかなた』と『枯れ葉』を観ちゃってるから思ってるのとちょっと違った。しかも三部作の二作目というのを他の方が書かれてるレビューで知った。そ
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ラルジャン(1983年製作の映画)

4.6

一枚の偽札に人生を狂わされた人間が辿る運命。

金は諸悪の根源。
文明社会史上最高の発明であり最大の汚点。

凄まじい作品だった。本作も含めまだ2作しか見ていないので確かなことは言えないが、ブレッソン
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エイリアン2(1986年製作の映画)

3.3

やっぱりキャメロンが苦手だと実感した2時間。

アメリカとキャメロン作品はイコールで結びつけられるくらいステレオタイプど真ん中。根っからの米国パトリオット。自分の国を愛して何が悪いんだって話だけど、典
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スリ(掏摸)(1959年製作の映画)

3.7

去年見たのにもう1ミリも内容が思い出せないからまた見た。

なぜ主人公はカフェで警察に接触したの?
独善的な正義感からくる驕り?

話自体は面白いが、主人公が挙動不審かつ視線が泳ぎすぎていて、とてもこ
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MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない(2022年製作の映画)

3.2

俺だったら気が狂って自殺してると思う。
その場合は生き返るなんて事もあるのかな?
まさに『ハッピー・デス・デイ』や『オール・ユー・ニード・イズ・キル』みたいに。
今なら『パームスプリングス』も加わりそ
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枯れ葉(2023年製作の映画)

4.2

微笑ましさ5000%

孤独の特効薬は犬=チャップリン。
ジャームッシュも効果覿面です。
酒は薬にあらず。酒は毒である。
いちばん大事なのは愛。
皆さんお忘れなきようどうぞよろしく。

NO WAR
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シザーハンズ(1990年製作の映画)

4.2

イギリスに住んでたガキの頃、テレビで流し見してて特に終盤は「なんて残酷で悲しい物語なんだろう」と幼心に人間の残酷さにショックを受けたのを覚えてる。
今見たらそこまでではなかったけど、そのシンプルさがむ
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ナイトクローラー(2014年製作の映画)

4.6

大好きな映画。久しぶり。

人の不幸で飯にありついてる業種。
着眼点がいい。

やたらとエロティックなテンションが張り詰める関係が好き。片方はサイコパスで、もう片方は処世術。それをお互い理解しつつも、
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アマデウス ディレクターズ・カット(2002年製作の映画)

4.2

教養が才能を生むならこの世に才能は存在しない。

書こうと思ってたことが全て飛んだ。すごかった。

あくまでもサリエリ視点で描かれるモーツァルトであり、極めて客観的。元よりはるか昔に亡くなった超常を極
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タッカーとデイル 史上最悪にツイてないヤツら(2010年製作の映画)

4.4

「恐怖と笑いは本質的に同じもの。」
どっかのすごい人が言ってた言葉。まさにこれを体現した作品だった。

めちゃくちゃ笑った。

アンジャッシュのコントばりのすれ違いコメディスラッシャームービー。タッカ
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コンタクト(1997年製作の映画)

5.0

"It seems like an awful waste of space."
「こんな広い宇宙に我々だけなんて"スペース"がもったいない」

世界一好きなセリフ。オカルトだの超常現象だのを頑なに嘲
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雪山の絆(2023年製作の映画)

3.4

汚れすらも生きた証。

全体的に良い作品ではあったけど、肝心なところで盛り上がりきらず。監督との相性がイマイチだったのかもしれない。御涙頂戴が見たかったわけでも、ドキュメンタリーさながらのリアリティの
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アメリカの影(1959年製作の映画)

3.6

第一印象、床ツルツルすぎるだろ。

最初の3,40分が長い。必要なプロローグではあるけど、もう少し短く出来たはず。

次男坊かっこいい。というか良い兄弟だなぁ。関係性がリアルすぎて演技してないのかと思
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グランツーリスモ(2023年製作の映画)

3.8

2回目

音響いいところで見たら当たり前だけど音響が良かった。小学生みたいな感想。

映画は音だなってつくづく思う。

2回目の方が良かった。