シネマノさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

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目撃者 闇の中の瞳(2017年製作の映画)

3.9

『まさに悪夢、しかし最高のトラフィック・アクシデント・ムービー』

扱うのは「交通事故」、描くのは人間だけがみる悪夢。
導入から語り方と見せ方の上手さに驚く。
交通事故はなぜ起こる?
「不慮」「天災」
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オールド・ガード(2020年製作の映画)

3.3

『「戦術:シャーリーズ・セロン」で勝ててしまう、真の強さを証明した一作』

ストーリーもドラマも、致命的にはアクション描写まで。
想像した以上に、もう徹底的に地味だ!
というのが、鑑賞しているなかで思
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ジョン・ウィック:パラベラム(2019年製作の映画)

3.8

『アクションの先端を走ろうとする心意気は、第三の壁を超える』

劇場鑑賞を逃していた作品をレンタルするようになってから、完全に忘れて後手に回っていた本作をやっと鑑賞。
いまや大人気シリーズであり、アク
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毒戦 BELIEVER(2017年製作の映画)

3.7

『毒をもって毒を制す、キャラ立ちが光る韓国バイオレンス』

麻薬組織のボスであり、誰もその存在を知らぬ「イ先生」とは誰だ?
先日観た【プロジェクト・グーテンベルク】とほぼ同じストーリーラインで展開する
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ゴジラ キング・オブ・モンスターズ(2019年製作の映画)

3.7

『全ては王のために。ビジュアル全振りの潔いパニック映画』

「人間ドラマなんて後付けでいい。
巨大怪獣たちを、最高に迫力ある映像で魅せ続けよう!」
そう、劇中で渡辺謙演じる芹沢博士が放つセリフに、「我
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初恋(2020年製作の映画)

3.9

『三池崇史、齢59歳の刺激的であまりにもピュアな初恋』

上々の評判を聞いていた通り最初から最後まで、
三池崇史の「やりたい、ヤリたい、殺りたい!」がいっぱいに詰まった一作だった。

「ジャパニーズ・
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ハスラーズ(2019年製作の映画)

3.5

『J.Lo姉貴のパワフルさに痺れる!ゴージャス&セクシーな実録クライム・サスペンス』

なんという貫禄、クール&セクシー。
日本にはあまり馴染みのないストリップショーとポールダンスの世界でも、
ジェニ
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十二人の死にたい子どもたち(2019年製作の映画)

3.0

『テーマは明快、若手役者が繰り広げる演技合戦の行方は』

殺人、謎解き、動機、トリック、テンポ、登場人物。
恐ろしい事件が起こるでもなく。
鉄壁の状況やアリバイがあるでもなく。
魅力的な名探偵がいるわ
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キングダム(2019年製作の映画)

3.3

『コスプレ劇を打ち破る"シン"を宿した大作の実写化』

時は紀元前、舞台は中華。
この時点で、コミックやアニメとしては成立しても、日本映画としては破綻せざるを得ない。
にもかかわらず、無謀にも実写化し
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WAVES/ウェイブス(2019年製作の映画)

4.0

『人生に音と色。寄せては返す感情の波は命宿る身体を動かす』

冒頭、アニコレからのテーム・インパラでサイケデリックな音に合わせて青春の日々が駆け巡る。
眠ることも忘れて、目まぐるしくただただ命の火を燃
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イット・カムズ・アット・ナイト(2017年製作の映画)

3.4

『夜に忍び寄る"それ"が、かぞくというコミュニティの真実を暴く』

もう長いこと大きな期待を寄せて待っていた【WAVES】。
大好きなフランク・オーシャンの「God Speed」にのせて映し出される予
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ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)

4.0

『生きるのだジョジョ、いちばん大事な溢れる愛とそれを伝える術を知っている君よ』

冒頭、幼い少年とイマジナリー・フレンドのアドルフが話す。
勢いよくジョジョ少年は飛び出す、(とっても危険な)扉の向こう
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バイス(2018年製作の映画)

3.8

『ここは自由の国、権力があれば何事も成せるのだ。ヘイル アメリカ!』

【マネー・ショート】も面白い作品だったが、アダム・マッケイは今回もかましてくれる。
コメディ色を織り混ぜた本作のトーンは、壮大で
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レディ・オア・ノット(2019年製作の映画)

3.5

『サマラ・ウィーヴィングを堪能するための、命がけのかくれんぼ』

Netflixのリミテッドシリーズ【ハリウッド】でも抜群の存在感を放っていた美女。
サマラ・ウィーヴィングを95分間、もうアホとしか言
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リチャード・ジュエル(2019年製作の映画)

3.9

『鉄人は止まらない、語られるべき真実がある限り』

人が誤りを忘れ、過ちを繰り返し、時代が繰り返すものであるのなら。
この世界の歴史には、語られるべきドラマがある。
齢90ともなるクリント・イーストウ
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プロジェクト・グーテンベルク 贋札王(2018年製作の映画)

3.5

『香港ノワールのクールを詰め込んで、”あの騙し合い”を堪能できる一作』

青春時代にドハマりした【インファナル・アフェア】シリーズをコピーの引き合いに出されたら…
それはもう観るしかないと、まんまと策
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SKIN/スキン(2019年製作の映画)

4.0

『憎悪を刻み込まれても愛は湧き上がる、肌よりもっと深くから』

本編に塗りたくられた、憎悪、怒り、卑下、嘲笑。
それはまさに、
自分たちをバイキングの末裔と思い込み
身体に意味のない信念を数多のタトゥ
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凪待ち(2019年製作の映画)

4.0

『強烈な生のエネルギーにぶん殴られる、愛すべきみっともない映画』

2夜連続で白石和彌の作品を鑑賞。
【息もできない】×【アンカット・ダイヤモンド】
といったら、さすがに称賛しすぎかもしれないが、
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ひとよ(2019年製作の映画)

3.6

『ひとよ。それは家族の形を残したまま人の何を変え、変えなかったのか』

母が父を殺した夜。
その一夜は三兄妹の人生を変えた、のかもしれない。
しかし、家族に暴力をふるっていた父親が消えたその一夜がどう
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ビフォア・サンライズ 恋人までの距離(1995年製作の映画)

4.1

『出逢って恋に落ちるまでの夜歩き、最高のワンナイト』

酔っ払って帰ってきた深夜。
プライム・ビデオの週末レンタルセールにあった本作を観始めた。
【ビフォア】シリーズの存在は知っていたものの、これまで
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永遠の門 ゴッホの見た未来(2018年製作の映画)

3.8

『この解釈の賛否こそ、ゴッホが求めた孤独を打ち消すぬくもりか』

大切に想う人がいるのに共感や共生を得られない人生とは、いかに孤独だろう。
本作は、温もりを知っているからこそ感じずにはいられない究極の
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メランコリック(2018年製作の映画)

4.1

「憂鬱さえも彼方へ送る、スーパー・エンターテインメント」

スモールバジェット・ビッグヒットも頷ける、最高峰のエンタメ映画だった。
ジャンル分けは不毛、メッセージも深く考える必要はない。
監督がおもし
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ティーンスピリット(2018年製作の映画)

3.3

「エルの、エルによる、僕らのための青春音楽ドラマ」

サミュエル・L・ジャクソン、LL・クール・ジェイからバトンを受け継いで、
新生ELLEの名を世界中に轟かせる、エル・ファニングの主演作。
これがま
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楽園(2019年製作の映画)

3.7

「他人による罪、自分による罰、人が創った恐ろしき楽園の真実」

自らの意志で罪を犯し、相応の罰を受け、いることを許された楽園を追放された人間。
その人間は今、自らの基準で楽園を創造し、誰に許可を得るで
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左様なら(2018年製作の映画)

3.5

「ここは海辺の世界(まち)、檻に囚われた少女の短き日々と永い未来への物語」

邦画好きの友人ふたりが同じ作品をおすすめする偶然。
劇場公開時も含めれば、3人に推された本作をやっと鑑賞した。
狭い世界で
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ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY(2020年製作の映画)

3.5

「ロリポップ・ゴシック・キャンディな世界で繰り広げられる、まったりアクション」

マーゴット・ロビーが世界中を魅了したハマり役・ハーレイ・クインを演じるDCコミックユニバース(?)の一作。
まさにTo
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ここは退屈迎えに来て(2018年製作の映画)

3.3

「全編通して絶妙に惜しくて…これは退屈」

憧れと恋、希望と現実、青春時代と大人の日常、都会と田舎。
戻れはしない青い日々と、自ら作り出した閉塞感を打ち破りたい今。
誰もが経験し得るテーマを扱い、
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はちどり(2018年製作の映画)

4.3

「私はここにいる、羽ばたく少女から世界を見つめる素晴らしいデビュー作」

一つずつ席を空けてはいるものの、完売満員の劇場内。
本作は多大な期待をもってしてなお、それを上回り心を包み込む傑作だった。
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泣きたい私は猫をかぶる(2020年製作の映画)

2.8

「誰に、何を、どのうように。そのすべてになんだこれ…」

独り、心して【SKIN 短編】を観た。
その後に合流した人に気楽な映画が観たいとオーダーされ、新作だからとこれを選んだのがミスだった…

「と
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SKIN 短編(2018年製作の映画)

4.0

「なんと良くできた暗黒寓話…ではなくこれは現実」

この世界に数多くある残酷な創作物。
映画にも、小説にも、マンガにもある。
そして、それは全て人から生み出されたもの。
つまりは、残酷な考えや物語は人
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知らない、ふたり(2016年製作の映画)

3.9

「知らないを観る映画体験、最高だぞ、今泉力哉」

Netflixで今泉監督作の【mellow】を観た。
そのすぐ後に、自然と本作を見始める。
それだけ彼の描く恋愛映画は魅力的。

そしてこれを観て分か
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mellow(2020年製作の映画)

3.8

「片想いがつなぐ、花が薫る、愛が咲く。やはりすごいぞ、今泉力哉」

【愛がなんだ】で想像を遥かに超える大衆の心を掴んだ監督、今泉力哉。
今泉監督の作品がNETFLIXで配信開始となれば観ない手はない。
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ビール・ストリートの恋人たち(2018年製作の映画)

3.9

「伝えたいのは絶望じゃない、これは愛の幸せを歌う物語だから」

【ムーンライト】でオスカーの栄冠を手にしたバリー・ジェンキンスの新作。
観るのがかなり遅れたものの、本作もまたこれまでずっと”今”に続い
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ヴァスト・オブ・ナイト(2019年製作の映画)

4.0

「熱狂の影で静まり返った夜、愛ゆえに独りの者たちの未知との遭遇」

未知との遭遇。
それは映画の中で期せずして「空に何かいる」ことを知った主人公たちの経験であり。
そして本作でアンドリュー・パターソン
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ジェミニマン(2019年製作の映画)

3.0

「中国資本による最先端のアクション、それも灰塵に帰してしまう出来」

120フレーム/秒、最新4K、3Dで撮影されたアクションシーン。
そして、老若男女に人気のウィル・スミス主演。
それなのに何故…と
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ザ・ファイブ・ブラッズ(2020年製作の映画)

4.0

「S・リーが怒りにも似た熱で作り上げた兄弟(ブラザー)の狂想曲」

『馬鹿言っちゃいけねえ。
俺(黒人)たちの”アメリカ戦争”は終わっちゃいねえ。
BLMは今に始まったことじゃねえ。
いつだって俺たち
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