himahimaさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

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福田村事件(2023年製作の映画)

3.8

こんな厄介な素材を、商業映画として成立させている力量が凄いと思う。
集団心理を浅はかだとか愚かだとかと弾劾できるチカラが自分にあるとは到底思えない。

沈黙の艦隊(2023年製作の映画)

3.7

思っていたより安っぽくなくて、潜水艦のリアリティや、日米の政治家、軍人の描写もフェアで、正々堂々な誠実な印象。
ただ、「観客に評価は任せる」という言い訳は通用しないほど、思わせぶりな伏線貼りまくりで、
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クライムズ・オブ・ザ・フューチャー(2022年製作の映画)

3.5

「クローネンバーグ」をなぞったような映画。甘美な痛みの背徳感と罪悪感。あれこれ懸命に考察して、でも結局理解できない挫折感の、その過程がクローネンバーグ監督の醍醐味なのかも。

スイート・マイホーム(2023年製作の映画)

3.6

斎藤監督の実力を拝見と、薄ら軽く臨んだけれど、予想以上に手堅くて落ち着いた演出でその手腕を見直した。追い詰め方とか結末のしんどさとか、この手の作品のテンプレな感じだけれど結構楽しめた。
公開御礼イベン
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春画先生(2023年製作の映画)

3.5

完成披露上映会にて。
予想以上にな斜め上でクセ強だった。北香那さんのための映画だと思う。それと、、水色パンツに持ってかれた感。

こんにちは、母さん(2023年製作の映画)

3.5

小百合様はファンタジーの世界の、唯一無二のヒロインだと思った。
大ヒット御礼舞台挨拶で拝見した山田洋次監督の矍鑠さに驚愕。次回作が楽しみ。

アステロイド・シティ(2023年製作の映画)

3.7

ハイセンスでお洒落で豪華キャストでクスッと笑わせてくれて、良いとこ取りなはずだけど。その豊かさに睡魔に襲われるという不条理さを痛感した

逃げきれた夢(2023年製作の映画)

3.8

身につまされすぎた。
振り返ると反省ばかりな人生で、思うようにいかなかったり、孤独と後悔。病をきっかけに自身のこれまでを見直そうとしたら、自分でもみっともなくてこっ恥ずかしくて、笑っちゃったりな。それ
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CLOSE/クロース(2022年製作の映画)

4.0

誰が悪いのでもなくて。無邪気な子供時代が終わり、他人の視線や評価に過敏になるレオと、無防備で純真なままのレミのすれ違い。自分の感情と言動を上手くコントロールできない思春期の苛立ちが、鮮やかな風景の中で>>続きを読む

⻘いカフタンの仕立て屋(2022年製作の映画)

3.9

登場人物たちのふとした眼差しや息遣いや手の表情が、不穏で切なくて艶かしくてドキドキした。
人間は弱くて儚いけれど、強くて豊かなんだなと思った。

バービー(2023年製作の映画)

3.7

マーゴットロビーの完璧なバービービジュアルあればこそで、「キラキラ可愛いサイコー❤️」みたいな感想を見て、こういう方法でジェンダー問題を提示するのは効果的なのだなと実感した。
バービーランドに戻ってか
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テノール! 人生はハーモニー(2022年製作の映画)

3.6

夢物語とかご都合主義な展開とか、いろいろ文句はつけられるけれど、音楽の力には圧倒される。なにより、主人公はじめ登場人物たち誰もが、弱さや強さ、長所も欠点も持つキャラクターとして描かれてるのがとても好感>>続きを読む

キングダム 運命の炎(2023年製作の映画)

3.6

part4に繋ぐ序章の役目なのだろうけれど、前半の紫夏編と後半の馬陽の戦い編、手堅く見せ場を盛り上げていて見応えあった。実写化がとても難しそうな漫画を、安っぽくなく堅実かつ豪華な映画にしている手腕がお>>続きを読む

658km、陽子の旅(2023年製作の映画)

3.6

自信の無さ、無気力、空気の読めなさ、他人との距離感の掴めなさ。。イライラして反感覚えるほど、コミ障の演技がリアルで。菊地凛子を観る為の映画だと感じた。
終盤の車の中での自分語りの部分はどう捉えたらいい
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ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE(2023年製作の映画)

3.8

ツッコミどころは多々ある。所々の冗長なエピソードに退屈感もある。が、それは全部許す。全然許せる。これはこれで正しく正解なのだと思った。
ワクワクドキドキ楽しくて幸せだった。次作がホントに待ち遠しい。

大いなる自由(2021年製作の映画)

3.9

同性愛がテーマの恋愛映画なのかと思っていたが、残酷な過去を背負った孤独な二人が、反目しつつも苦しく辛い時に助け合い支え合いながら、長い時間かけて信頼と理解と愛情を築いていく人間ドラマだった。ハンスの最>>続きを読む

Pearl パール(2022年製作の映画)

3.9

Xを未見なのがとっても悔しいが、これ単体でも十分堪能した。古き良き時代の映画の雰囲気が一層サイコさを増幅させていて、滑稽で不気味で物凄く怖い。なんだかんだ言い訳言っても、結局反省も後悔も全然してなさそ>>続きを読む

小説家の映画(2022年製作の映画)

3.7

初のホン・サンスだったけれど、固定カメラの長回しのお喋りや、思い切って省略する編集がとても「映画っぽく」て面白かった。
成功収めて創作のモチベーションが持てない、ちょっと捻くれて踠いてる大御所作家さん
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せかいのおきく(2023年製作の映画)

3.8

予想外に、微笑ましくて愛おしい青春映画だった。中次と矢亮のバカっぽくて笑えてほっこりするエピソードの数々、好きだ。
声を失った武家の子女と文盲の下肥買いの青年の恋、という宣伝文句から想像していた悲恋の
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聖地には蜘蛛が巣を張る(2022年製作の映画)

3.7

女性ジャーナリストが犯罪を暴く社会派サスペンスだとの心算で臨んだら、宗教や偏った思想に取り憑かれた人間の狂気やエゴがもたらすリアルなスリラーで、この物語が絵空事でないことにゾッとした。世界には相容れな>>続きを読む

それでも私は生きていく(2022年製作の映画)

3.7

不倫男はこれからも優柔不断でフラフラし続けるだろうし、思春期の娘はますます扱いにくくなりそうだし、父親の病気は決して良くなることはないだろうし。でも、それでも私は生きていかなきゃいけない。
弱さや狡さ
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帰れない山(2022年製作の映画)

3.7

少年たちの友情物語でもあり父子の愛情物語でもあるけれど、根幹は己の居場所と存在意味を求めて世界を放浪するピエトロの、自分探しの広やかな物語という印象を持った。山に留まったブルーノを羨んだり憐れんだりし>>続きを読む

怪物(2023年製作の映画)

3.8

問題提起型の社会派映画だと覚悟して臨んだけれど、自分の感情を持て余して戸惑っている思春期の少年たちの、不器用で繊細でキラキラした物語だという印象が強かった。切なくて眩しかった。
それぞれの言い分がある
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1秒先の彼(2023年製作の映画)

3.5

舞台挨拶付きプレミア上映会で。
台湾版とは別物だと理解しつつ、ついつい比べてしまう。男女逆さにすることで台湾版の一番の問題点をクリアしたのは巧いなと思うけれど、せっかちなの彼、とおっとりした彼女という
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苦い涙(2022年製作の映画)

3.7

愛しい友人、子供、親に暴言吐いて罵倒するくらい、とち狂ってヒステリー起こして醜態さらす中年映画監督の恋狂いぶりに、唖然としたり、同情したり、切なくなったり、苦笑いしたり。みっともなくて可笑しくて物哀し>>続きを読む

幻滅(2021年製作の映画)

3.6

フランス映画が放つコッテリとした豊潤な印象を持った。裏切りを厭わない、良い意味でも悪い意味でもクセの強い人たちばかりで圧倒されたけれど、唯一、真っ直ぐなコラリーが可愛らしくて、彼女の幸せを願った。

午前4時にパリの夜は明ける(2022年製作の映画)

3.7

80年代のパリの景色の中で、シャルロット・ゲンズブールが、少女っぽいのに成熟していて、頼りないけど逞しくて。相反する印象がとても素敵だった。
この家族の物語の中のタルラの役割がイマイチよく分からなかっ
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aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

4.0

良かった、好みだ、好き。
ふとした風景やエピソードや、役者の表情やセリフに、想像力を掻き立てられて、語られていない、いろいろなドラマを想起した。
未熟で不安定なダメ男の父親が、離れて暮らす娘と過ごす、
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岸辺露伴 ルーヴルへ行く(2023年製作の映画)

3.6

ドラマから見ているので、少々の過誤は全然気にしない。映画を彩る雰囲気は充分だし、想定内な筋書きの展開も安定していて、それなりの満足感あった。なんといっても、高橋一生の、現代モノも時代モノも、全く違和感>>続きを読む

ザ・ホエール(2022年製作の映画)

3.9

余命モノの父娘のハートフルな物語を予想してたら全く違った。違い過ぎた。
結局はチャーリーの自業自得だよなと思ったけれど、でも、羞恥心と絶望でビザを爆食べする姿の、その弱さとみっともなさが、自分の身に覚
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TAR/ター(2022年製作の映画)

3.8

ケイト・ブランシェットの、ケイト・ブランシェットによる、ケイト・ブランシェットのための映画。
あちこちに散りばめられた不穏なピースが、主人公の神経症を描写していて。
天才の成功と転落の顛末とシニカルな
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パリタクシー(2022年製作の映画)

3.6

想定内のベタなラストだけれど、この物語の結末はこうでなければと思う。温かい涙が流れた、とはこのこと。
主人公二人が役柄にハマっていたのが、何より魅力的だった。

EO イーオー(2022年製作の映画)

4.0

ロバEOのロードムービー。
美しすぎる映像も、鳴り響く音楽も、アートな演出も、嫌ではなかった。
EOが旅の途中で出会ういろいろな出来事が、悲喜劇すぎて面白い。
EOにとっての幸せが元のサーカスの暮らし
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いつかの君にもわかること(2020年製作の映画)

4.0

思っていたよりずっと淡々とした話の進み具合に、かえって、優しくて穏やかな父子の時間が愛おしくて。この瞬間が続かない理不尽さに憤りを感じた。
子供がまだ死を理解できない年齢だから、すべての選択と責任が父
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銀河鉄道の父(2023年製作の映画)

3.7

ベタな展開と演出だけれど、白々しくなく薄寒くなく、物語に説得力を持たせられているのは、ひとえに役所広司さんをはじめとする役者さんたちの演技力と魅力のおかげだと思う。
特に、一徹な親バカ親父と、生真面目
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ヴィレッジ(2023年製作の映画)

3.6

見応えあったけれど、想定内な展開の中、ステレオタイプの人物たちの苦悩や挫折が、なんだかカッコよくスタイリッシュにさえ見えてしまった。もっとリアルに、吹っ切って残酷で泥臭くてみっともなくて哀しい人達の物>>続きを読む