「ALWAYS」とか、「STAND BY ME ドラえもん」とかを観ていて、“山崎貴監督の幸福論はなんて薄っぺらいんだ”と思ってました。
今作も序盤にそんな薄っぺらい幸せを描いたシーンが出てくるんで>>続きを読む
見たことのある描写、なんかご都合主義的な展開、「へぇ〜」以上でも以下でもないラスト……上手いのは背景の描きかたくらいでは。
トンネルくぐった先で過去から取り戻したかったという妹の姿が“お兄ちゃん大好>>続きを読む
聴覚障害、女性……といくつかのレイヤーを重荷に感じながらもボクシングに生きる意味を見いだすケイコがコロナ禍を生きた記録、的な映画。
岸井ゆきのの寡黙で素朴だが繊細なケイコの造形もいいし、ケイコの所属>>続きを読む
この映画の冒頭に「上品」という言葉が出てくる。『斜陽』のキーワードだ。でもこの映画を見終えて真っ先に「品の感じられない映画」だと感じてしまう。数百から千本映画を見てきて、いまでも胸を張ってワースト作品>>続きを読む
全体的にコナンと灰原の関係を進展させるためだけに作られた映画、という気がしてならない。
この映画の登場人物が全員まるでオチを知っているかのような振る舞い(蘭が前後の文脈関係なく黒の組織をブッ倒す、コ>>続きを読む
「ラ・ラ・ランド」と遺伝子配列が1カ所だけ違うみたいな映画。
60分くらいで「これは『ラ・ラ・ランド』なのでは……」という疑念が生まれ、120分くらいで確信に変わり、映画館を出るときは「結局、伝えたい>>続きを読む
狭い人間関係の中で描かれる主人公の女の子の揺れる心象を繊細に伝えてくる。
セリフも過不足ない印象だが、間を使ったショットがセリフ以上に饒舌。
とくに好きなのは、同級生の子と一緒に歩いていくショットや>>続きを読む
「参加することに意義がある」という本作の主張はわかるけど、五輪に参加したいだけの人がノリで90m級飛んでそれを美談にされたら競技を極めるために本気で頑張ってるアスリートたちに失礼な気がする。五輪至上主>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
幼なじみの日高拓也(水橋研二) と北原紗月(つぐみ)。つかず離れずの距離感だったふたりは紗月の告白をきっかけに付き合い始めるが、拓也の盗撮・盗聴がバレて次第にマゾ趣味が明らかになり、当初変態と遠ざけて>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
予告編でも告知されていたとおり、ドラマ本編の開始地点(手塚夫妻入居時)に戻ってのifストーリー。
物語じたいはまあまあ理にかなってるし、伏線回収的なシーンもいくつかある脚本だった。
でも……いちばん>>続きを読む
有罪か無罪かなんてこのドラマにおいてどうだっていいだろ! 2時間でエンドロールをつけてくれ……と極論言うとそう思いました。
ラスト1時間の高倉健と三國連太郎の押し問答、ずっと頭に疑問符が残る展開。こ>>続きを読む
問答無用、文脈破りのラブストーリー。
そもそも何でこんな男が好きになったのかとか、「画面に映る以前の文脈」みたいなものにこだわりたいかどうかで根本的に意見が分かれそうな作品。
でも映ってるものだけ純>>続きを読む
大九明子監督作品で、映画美学校脚本コースの作品とはどういうことだろうと思っていたのだけれど、なるほど脚本コース履修生が書いた卒制を同校フィクションコース卒業生の大九さんが監督されたということなのかな。>>続きを読む
シュールだけどクセになる。
セックスの痛み(嫌悪感も込み?)から男を物理的に傷つけてしまったことがキッカケで築かれた奇妙な男女の負い目負われ目の関係、そして主人公(=億田明子=大九明子)の職場である>>続きを読む
「殴られると痛い。でも殴ったこの手も痛いんだよ! どうしてくれるんだよ!」
的な論理ってありますよね。理に適ってないので、多分あれは「論理」じゃないんですけど、もっともらしさでその場を押し通していくと>>続きを読む
序〜中盤はまったくノれませんでした。トランスジェンダーの薄っぺらい理解があるように見えたのと、単純に判で押したような展開が多すぎ。
終盤、一果がコンテストで踊るあたりから急転直下、物語は面白くなりはす>>続きを読む
ジョージ・フロイド氏の死亡以降のブラックライブズマターの動き、そしてそれ以前に重ねられてきた同様の事件(にもならないような無数の事件)を暗示させながら、不条理劇っぽい展開、しかも現代的に洗練された撮り>>続きを読む
みんな「キューブリックはよくわからん」「『時計じかけ〜』はよくわからん」などと言いますが、いざ観てみたらむしろわかりやすいくらいで逆にびっくり。まあ意表を突いたラストではあるけれど。謎の言葉遣いは流し>>続きを読む
前半は2代目無能社長(柄本佑)が港湾労働者(三田真央)にしつこく言い迫っていく話だから、てっきりそのままストーキングする柄本佑が見られるのかしらと思ったら……急転直下、後半はこれでもかこれでもかとアク>>続きを読む
映っているモノや展開は明瞭なのに、この物語の持つ意味は不明瞭。不条理だけど引き込まれる。(前に「変魚路」を見たときは展開もワケ分からなかった気がする)
小林薫のなんとも言えず怪しいいでたち、それ以上>>続きを読む
「こうこうこうだからいい映画なんだよ!」とか声高に言えるものはほぼ何もないんだけど、気づいたらほとんど笑ってた。そこがこの映画の何よりの面白さじゃないか。
登場人物が変なヤツばっかりで、主人公のデュ>>続きを読む
ジヨン(チョン・ユミ)の夫デヒョン(コン・ユ)の描かれ方が割と好意的なことをはじめ、「ジェンダーギャップに気づかない男性」が記号的に描かれていない作品だったので、同性としてとても救われた気分になった。>>続きを読む
小市民の、人生で1度起きるか起きないかくらいの大きなイベントをいくつか重ねて描くと映画にもなるということか。
色んな話が絡まってひとつの作品を形作っているんだけど、うまく最終的に収束させているし、ちょ>>続きを読む
とにかく脚本が精密で最高なんだけど、だからといって頭で考えてばっかりの映画にならないのは、キャストの演技力の賜物なんだと思う。
うだつの上がらない役者役の堺雅人のギクシャクした動きとか、バカに真面目な>>続きを読む
仲良しJK5人組が社会に出てからの悩み、苦しみ、それでも5人で集まればあの頃のように笑い合える青春のキラキラ感、ただそんな5人の中にも歪んだ人間関係があり、それでも前に進もうとする彼女たちのシスターフ>>続きを読む
みんな大好きガン=カタってこれだったのね。
多分にナチスを意識させる統制下の近未来ディストピアの話。テーマは割と早めに提示される(ふたりのクレリック≒思想警察官による人間性を持つべきvs人間性を捨て>>続きを読む
ダヴィンチが芸術に取り組む目的、四分の三正面の構図やスフマートをどんな意図でどう取り入れ、《モナ・リザ》につなげていくのか。ちょっと意図的すぎると思うほどわかりやすい構成で、外国制作のドキュメンタリー>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
思い出補正で「懐かしい……」とは思うけど、なんだかところどころに穴はある印象。
犯人の建築家、「建築に愛は必要ない」と言って狡猾さや冷酷さをセリフで匂わせようという魂胆らしいけど、昔のアシンメトリー>>続きを読む
詩的な映像と詩的な言葉の交錯。後半で流れる物悲しいギターの音色が心地よい。
シンプルながらとても上手くまとまった作品。
大きなテーマのひとつ、「しょうがない」vs「●●●だって頑張ってるんだからしょうがないなんて言わないで」のぶつかり合い。
●●●に国会議員とか医療従事者と>>続きを読む
ドラッグ映画に余計なテクは要らん。ドラッグアディクトの疾走感をまんま映画に乗せればそれで良作はできるってことなんすね。最高です。
キモいショットも汚いショットも臭いショットも、小気味いいテンポがすべて>>続きを読む
いや、わかる。わかるよ。でもオレが欲しかったのは疾走感なんだよ! それをEDだけで回収しようとするなよ! ましてやラストシーン(マークが自室に戻って例の小田和正的ポーズをとるシーンあたり)で意図的に回>>続きを読む
キャスト・スタッフの陣容からホリプロ主導という感じか。
とはいえ、大九明子監督がのちに手がける「勝手にふるえてろ」「私をくいとめて」などにも参加するスタッフがいるので観てみた。
のちの大九作品にもつ>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
自分は全くノれなかった。大人しずかちゃんはラストに「のび太さんはそのままでいいのよ!」なんて言っているけど、(少なくともこの作品の)のび太はこのまま生きてちゃダメだろ。
まずは、ほかの人も言っている>>続きを読む